葬儀の案内状は突然にやってきます。
生前つながりのあった人の葬儀とあれば、ぜひとも出席したい思う方が大半でしょう。
しかし、人には誰しも個人的な都合があるもの。
しかし「葬儀に行かないと失礼ではないか」と悩む方は少なくないでしょうか。
葬儀を欠席することは失礼なのでしょうか。
どうしても参列できない場合は、どうしたら良いのでしょうか。
この記事のポイント
葬儀に参列ができないとき、相手に失礼にあたらないか心配になる方もいると思います。
結論からお伝えをすると、葬儀を欠席することは失礼にあたりません。
葬儀の案内を頂いても、やむを得ない事情で欠席することはあります。
お悔みの気持ちをご遺族にきちんと伝えて、故人との最期のお別れに心残りがないようにしましょう。
近所付き合いや会社付き合い程度の場合でも、訃報を聞いた場合は丁寧な対応を心がけたいものです。
葬儀に参列できない場合は、葬儀の基本マナーを守りながら、失礼のないようにお断りしましょう。
ただし、基本的なマナーとして、慶事より弔事が優先されるということは覚えておきましょう。
結婚式を欠席したとしても、新郎新婦と会う機会はあります。
しかし、葬儀は故人との最期のお別れになるため、葬儀後にお会いすることはできません。
このような理由により、慶事より弔事が優先されていきます。
しかし、相手との関係性によって大きく変わってきます。
たとえば、ご近所の方の葬儀と親族の方の結婚式が同日に行われる場合は、親族の方の結婚式を優先します。
ただし葬儀を欠席する際には、故人のご遺族の方には欠席する理由を具体的に伝える必要はありません。
参列できない場合の連絡方法
ではどうしても参列ができないというときには、どういう方法で欠席の旨を伝えればいいんでしょうか。
連絡の方法としては主に上記の3つがありますので、それぞれ紹介致します。
一番簡単な方法として、ご遺族の方に電話をして欠席の旨を伝えるというもの。
欠席の理由は特に述べる必要はないので、「やむを得ない事情がありまして」などと、欠席の旨を伝えましょう。
ただし、遺族の方々は葬儀の準備などで忙しいため、長電話はせず簡潔に済ませるように心がけましょう。
今ではあまり使われなくなりましたが、手紙を書いて欠席を伝えるという方法もあります。
電話で伝えるよりもより丁寧な気持ちを伝えることができるというメリットがあります。
ただし、手紙はすぐに相手には伝わらないので葬儀前に相手に手紙が届くか確認しましょう。
もし時間的に届くかわからないという場合には、電話でも欠席の旨を伝えましょう。
手紙を書く際も同様に詳しい欠席の理由を書く必要はありません。
葬儀の欠席を伝えるのにはメールで伝えることもあります。
メールであれば、電話と違って相手が任意のタイミングで確認することができます。
ただし、メールでの連絡はマナー違反となることもあります。
基本的にメールで伝えるときは
という場合のみにしましょう。
葬儀の連絡がメールで来た場合であればそれに返信する形で送ります。
仕事や会社関係の知り合いなどでは、葬儀の連絡がメールでくることもあります。
参列できない旨の伝え方
お通夜や告別式に参列できない場合には「どうしても都合がつかず、申し訳ありません。」とだけ述べます。
欠席する理由については、事細かく伝える必要はありません。
故人のご遺族の方は、葬儀の下準備などで追われています。
そのため、葬儀に参列できない旨は手短に伝えることがマナーとなります。
また、お通夜か告別式のいずれかに出席したい場合もあるでしょう。
そのような場合も伝え方が異なってきます。
「申し訳ございませんが、やむを得ない事情がありまして、告別式にはお伺いすることができません。お通夜には参列させていただきます。」とご遺族の方に伝えます。
お通夜はプライベートな意味合いが強く含まれていて、お葬式・告別式の方が重要な場となります。
お葬式・告別式に参列するけれど、お通夜には参列できない場合は何も伝えなくても問題はありません。
欠席する場合の心遣い
葬儀に参列できない場合でも、故人やご遺族に対して心遣いを配りたいと考える方もいるでしょう。
ご香典や供花、供物を送る場合は、一緒にお悔み状を添えるのが一般的です。
お悔み状を添えることによって、より弔意の気持ちを伝えることができます。
お悔み状には、頭語や時候の挨拶を書く必要はありません。
その代わりに、葬儀に参列できなかったお詫びや、ご遺族の方を気遣い言葉を記載するようにしましょう。
葬儀に参列できない場合、ご遺族の方へお悔みを伝える方法としてご香典があります。
ご香典は、代理の人に預ける場合と郵送で送る場合があります。
葬儀に参列できない場合にご香典を渡す手段としては、一番丁寧な対応方法です。
ご香典袋には、自分の名前を記載した後、その下に「代理」と記載するのが一般的なマナーです。
代理の方が葬儀に参列した際に記帳しますが、記帳に名前(代理)と一言書いてもらいます。
ご香典を預ける方は、葬儀に参列する方であれば、誰でも構いません。
故人と面識がない方でも構わないのです。
しかし、ご香典を目上の方に預けたり、頼んだりする行為は失礼なので控えるように心がけましょう。
葬儀に参列ができないに加えて、ご香典を代理で預けられる方が見つからない場合は、郵送するという方法があります。
ご香典を郵送するときは、現金書留で送るのがマナーです。
ご香典袋にお金を入れて、表書きを書いてから封筒に入れましょう。
封筒に直接お金を入れるのはマナー違反に該当します。
ご香典を郵送する場合は、ご遺族に香典辞退をしていないかどうかを確認しましょう。
弔電を打つときは、ご香典とセットになることが多いです。
弔電サービスには電報とレタックスの2種類があります。
葬儀を欠席する場合に弔電を打つならば、お通夜の当日までに弔電が届くように手配します。
もし、喪主の名前が分からない場合は「(故人)様 ご遺族様」と記載すれば問題ありません。
弔電を打つときに注意しなければいけないことは、忌み言葉です。
「たびたび」「重ね重ね」のような重ね言葉は、不幸が続くことを連想させてしまうため使用は避けます。
また、生死に関する直接的な言葉も控えましょう。
宗教や宗派によっても、使用してはいけない言葉があります。
電報はもともと緊急時の連絡で使われていましたが、現代では冠婚葬祭でお祝いやお悔みを伝える際に使われます。
例えば、NTT東日本では夜7時までに申し込めば、当日に配達が可能です。
電報の費用は、電報に打つ文字数に応じて変動します。
また、電報のライバルと言えるのが、日本郵便株式会社が行っているレタックスのサービスがあります。
午後の3時半まで(一部地域では午後1時半まで)に申し込めば、当日中の配達が可能です。
レタックスは、直筆のメッセージやイラストを送ることができます。
レタックスの利用料金は、電報とは異なり枚数に応じて料金が変動します。
供花も、ご香典とセットで行われることが多いです。
葬儀に欠席する代わりに供花を手配する場合は、葬儀を担当する葬儀社に連絡して、手配してもらう方法が一般的です。
宗教ごとに供花が異なり、葬儀によっては葬儀社で手配した供花以外持ち込めないこともあります。
そのため、葬儀を担当する葬儀社で供花を手配する方法が確実です。
供物を送る場合は、宗教ごとにお供えするものが違う場合があるため注意が必要です。
どのような宗教、形式でお葬式が行われるのか、供物を送る前に確認しましょう。
仏教では、お線香や果物が送られることが多いです。
しかし、宗教ごとによって変わってくるため、供物より供花を手配するほうが一般的です。
この記事のポイント
葬儀に参列できず、さらに時間がなかったため、香典や供花などを用意できなかったということもあるかと思います。
また、家族葬などの場合には葬儀後に訃報の連絡をもらうということもあります。
そういった場合でも弔意を表すことができますので、ご紹介致します。
弔問とは、遺族の方々の家に訪問をすることをいいます。
なんらかの理由で葬儀に参列できなかった場合には、後日弔問をするという方法があります。
弔問をする際の注意点として、あらかじめ遺族の方に連絡をして許可を取りましょう。
弔問は葬儀が終わってから1週間後ぐらいを目安にして伺います。
その際には、香典やお供え物を用意しましょう。
弔問の際の服装やその他のマナーについてはこちらの記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
ご香典は、必ずしも当日に渡さなければいけないというものではありません。
葬儀後に、改めて持参することも可能です。
葬儀後に持参する場合は、四十九日法要が過ぎたかどうかを確認します。
四十九日法要前にご香典を持参する場合は「ご霊前」として、四十九日後にご香典を持参する場合は「ご仏前」と記載します。
この記事のポイント
いかがでしたでしょうか。
葬儀を欠席すること自体は失礼には当たりませんが、誰かの大切な人が亡くなったと考えると、何かと後ろめたい気持ちを抱いてしまうものです。
しかし誰しも都合というものがあるため、どうしても参列できないことは往々にして起こります。
ですから、その場合はきちんと礼を尽くした対応をすることで、相手の理解も得られるでしょう。
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