「家族葬を行いたいけれど、どのような注意点があるのだろう…」と不安に思っている方もいるでしょう。
実際に、家族葬ではトラブルが起こります。
ここでは、家族葬のトラブル事例と予防策について分かりやすく解説します。
この記事を読めば、安心して家族葬を行えるでしょう。
ぜひ、家族葬を検討している方は参考にしてみてください。
この記事のポイント
まずはそもそも家族葬とは具体的にどんな葬儀なのかを解説致します。
家族葬とは、身内や仲の良い友達、近所の人などを中心として行われ、大規模ではない葬儀のことを指します。
限られた人だけで別れの儀式なので、遺族にとって精神面で負担の少ない葬儀になります。
明確な定義はありませんが、一般的には参列者の人数は1名~20名ほどになります。
もともとは家族葬ではなく一般葬が多く行われていましたが、最近は家族葬の需要は増えています。
増えている理由は、現在の人付き合いや葬儀にかける費用など価値観にマッチしていることが挙げられます。
家族葬であれば、限られた人のみの参列になり、金銭的にも負担が少なくなるでしょう。
トラブル事例
家族葬の最大の魅力は、心が温まるようなお葬式を行うことができるということです。
親族や親戚、生前に仲良かった友人が集まり、ゆっくりと故人との別れの時間を過ごすことができます。
しかし、トラブルも後を絶ちません。
実際にどのようなトラブルが起きているのでしょうか?
家族葬は、故人の親族・親戚・親しい友人のみで行う小規模の葬儀のため、ご近所の方の参列を辞退します。
そのため、家族葬を執り行うと葬儀に参列できないことに不満に思われてしまうこともあります。
喪主が故人と同居していて家族葬を執り行う場合、、ご近所の方の気持ちに配慮しましょう。
家族葬では、基本的に喪主が参列者を決めて呼ぶことになります。
そのため、喪主から家族葬に呼ばれない等で苦情になることが多いです。
また、「一般葬で、生前にお世話になった方を呼んであげたい」と考える方もいます。
意見が違う親族がいると、口論になることも少なくありません。
葬儀トラブルで最も多いのは金銭に関するトラブルです。
葬儀社と契約する場合は、事前にどれぐらいの費用がかかるか見積書が提示されます。
その見積金額を考慮して葬儀代を準備する方が多いです。
しかし、見積りに火葬場の使用料などが含まれていないことも多く、追加費用がでてしまうこともあります。
そのため、見積金額だけではなく内訳も必ず確認してください。
また、「我が家は互助会の積立をしているから大丈夫」と思っている方もいるでしょう。
しかし、積立金を上回る料金が発生し、葬儀代を別で捻出しなければいけないというトラブルも多いです。
そのため、積立金で葬儀代を全部賄えると思わない方が良いでしょう。
トラブルを防止する注意点
家族葬のトラブル事例を紹介しましたが、注意を払えばトラブルを未然に防止できます。
ここでは、家族葬のトラブルを防止するための注意点をご紹介します。
家族葬の場合は、訃報の知らせは必要最低限に留めておきます。
葬儀の参列をお断りする場合は、事後報告でも失礼に当たりません。
逆に、事前に訃報を知らせてしまうことで、連絡を受け取った方が準備を始めてしまう恐れがあります。
訃報の知らせは必要最低限にしておき、葬儀が終わり落ち着いた頃に事後報告をします。
世間体も大切ではないとは言えませんが、葬儀で最も尊重したいのは、故人の遺志でしょう。
本来、葬儀は故人の死を悼み、故人を静かに見送る場です。
また、生前に「私の葬儀は盛大に行ってもらわなくて構わない。」と考える方もいます。
故人の遺志ということを説明すれば、周囲の方も理解を示してくれるでしょう。
葬儀社へ事前相談をしておけば、どのような葬儀を行いたいかイメージを具体化できます。
そして、葬儀で不安に思うことも葬儀社に質問することができて、心に余裕が生まれます。
家族が亡くなった後に葬儀の準備を始めるとバタバタしてしまいがちです。
しかし、葬儀社へ事前相談すれば、万全の体制で葬儀が執り行えるでしょう。
家族葬では金銭トラブルが後を絶ちません。
突然の訃報で慌てて手配したため、予算を大幅にオーバーするなどのトラブルが増加しています。
トラブルを防止するために、事前に葬儀社へ相談をして見積もりを取りましょう。
必要ないサービスを削ったり、必要なサービスを付け足すことで満足ができる葬儀が行えます。
仮に予算に収めることができなくても、お金を準備する期間もあります。
一般的に菩提寺がある場合でも、家族葬を行うことはできます。
しかし、僧侶の中には、身内のみで葬儀を行うことに対して、快く思わない場合もあります。
場合によっては、家族葬を選ぶなら、お経をあげないと断ってくる僧侶もいるのです。
価値観が異なると、葬儀自体も薦めていくことはできません。
また、菩提寺への納骨や法要も断られることもあるでしょう。
そのため、菩提寺がある場合は、家族葬を執り行いたいことを事前に相談してください。
家族葬は周囲に気遣いをしないで済むため、故人やご遺族の意志が反映されたプランで葬儀が行えます。
プラン内容を自由に決められるからこそ、迷いも出てきます。
しかし、生前に下準備をしておけば、理想通りの葬儀が挙げやすくなります。
そのため、家族葬を選ぶ場合は、事前にどのような葬儀内容で行いたいのかをチェックしておきましょう。
家族葬は、一般葬とは異なり参列を辞退します。
そのため、葬儀後に参列できなかった方が、弔問に訪れることもあります。
生前付き合いがあった方が「最後のお別れをしたい」と言ってきた場合は、その気持ちを尊重してください。
故人が生前に付き合っていた人が多い場合は、葬儀後の弔問対応に追われてしまう可能性が高いです。
そのため、弔問対応について理解を深めておきましょう。
家族葬のメリット
家族葬を選ぶ方が増えてきていますが、その理由も確認していきましょう。
一般葬ではしきたりが重視されます。
しかし、家族葬は親族や親戚のみのため、比較的自由なプランを練ることができます。
例えば無宗教葬にするなど、葬儀内容を自由に決められることが家族葬の魅力となっています。
一般葬では受付など多くの参列者に挨拶をしたり、葬儀の進行に努めなければなりません。
また、葬儀は何度も経験するものではないため、ぎこちない進行になりがちです。
そのため、故人を失った悲しみに浸るほどの時間が与えられないのです。
しかし、家族葬であれば、そのような負担から解放されます。
そのため、「生前はこんな思い出があったよね」と故人とゆっくりお別れすることができます。
家族葬の場合は、葬送儀礼のスケジュールが簡略化されやすいです。
例えば、通夜振る舞いが省略されて一日葬にできやすく、告別式が省略されて火葬式になることもあります。
また、精進落としも省略されることが多いです。
しきたりに捉われずに、行いたいように葬儀があげられるというのが家族葬の魅力です。
家族葬のデメリット
ここまで、家族葬のトラブル事例や対処法をご紹介しました。
では実際に家族葬を行った方は、どのようなことに後悔しているのでしょうか?
ここでは、家族葬を選択して後悔した理由をご紹介します。
家族葬は親族と親戚、親しい友人だけで執り行われるため、概ね30名以内とされています。
告別式後の精進料理や、会葬返礼品などを用意することがないため、葬儀費用が安く抑えられるのです。
しかし、香典辞退になり、結果的に家族葬の方が高くついてしまったという方も多くいます。
葬儀を行う際の事前の情報収集が不足していたと後悔する方も多くいるようです。
どこから情報収集をすれば良いから分からず、情報を収集できなかったと回答する方が多くいます。
そのため、理想通りの満足いく葬儀にならなかったという回答者もいます。
家族葬をあげる場合は情報収集を欠かさずに行いましょう。
葬儀では、葬儀社のフォローは欠かすことはできません。
人生の中で葬儀を執り行う機会は何度も訪れるものではありません。
不慣れな葬儀に不安を感じる方もいるでしょう。
しかし、葬儀社を比較検討しておけば、安心して葬儀の準備が行えるようになります。
葬儀に関して、信頼ができる葬儀社を事前に探すことが大事という回答も多数寄せられます。
そのため、複数社を比較検討するようにしてみてください。
格安プランを検討したり、事前に予約することで葬儀の費用を抑えることが可能です。
また、葬儀を行ったときに給付される、葬祭給付金などは申請しなければ受け取ることができません。
葬儀の費用を少しでも抑えるためにできることはどんなことがあるのか紹介します。
葬儀の価格を重視するのであれば、最安値のプランを選んだ方がいいでしょう。
どの葬儀会社でも一番安いプランは直葬や火葬式のプランになります。
しかし、火葬式などは通常の葬儀の形式とは違い、親族から反対されるケースも少なくありません。
通常葬儀と同様の葬儀形式を行いたいのであれば、家族葬を選択するのがおすすめです。
親族のみで行う葬儀であれば、他の参列者のことを気にせず、最低限の設備があれば十分です。
プランの価格が違うだけでなく、参列者を制限することで飲食費なども格段に安くなります。
事前予約をした場合、概ね1割程度が通常の葬儀申込よりも割引されることが多いです。
なので、葬儀の予定が間近にありそうな場合は、事前の申込を検討するのもいいと思います。
故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していたならば、葬祭給付金を受け取ることができます。
各自治体によって給付される金額は違いますが、概ね2~5万円程度の支給になるところが多いです。
葬祭給付金は申請をしなければ受け取ることができないので、忘れないように必ず申請をしておきましょう。
生活保護を受けている場合、葬祭扶助制度を利用して、葬儀を行うことができます。
生活保護葬は直葬に近い形式の葬儀になり、通夜や告別式などをおこなわない簡素なものになります。
扶助制度は、基本的には葬儀を行う前に利用を申請する形になります。
葬儀後にの申請は制度を利用できない場合もありますので気をつけましょう。
トラブルのいくつかには費用についてのトラブルがありました。
では家族葬の際の費用は一体どのくらいかかるのでしょうか?
おおよその家族葬の費用相場は約100万円と言われています。
まず最初に、参列者20名で家族葬を執り行った場合の葬儀費用は下表のようになります。
家族葬の費用目安(参列者20名) | |
葬儀本体費用 | 70万円 |
飲食接待費 | 12万円(6000円×20名) |
寺院費用 | 20万円 |
家族葬の合計費用 | 約100万円 |
ただし、家族葬と一括りにしても、さまざまなオプションや葬儀場・火葬場の費用などで価格が変動します。
そのため、実際にかかる費用は50万円〜200万円と幅が出てきます。
家族葬とはいえ、最低限のマナーを守ることは必要です。
マナーを守らないとトラブルになる可能性もあるので気をつけましょう。
葬儀時の服装は、略式の喪服を着用することが多いです。
正式喪服は喪主やご遺族の方が着用されるため、それよりも格下の略式喪服を着用します。
お子さまを葬儀に参列させる場合は、制服を着用させるのが一般的です。
また、アクセサリーは、結婚指輪以外は付けないように心がけます。
故人の死は突然の出来事になるため、ご遺族側からすると戸惑いが隠せません。
そのような心境の中で、葬儀を執り行わなければいけないため、とても慌ただしく過ごしています。
そのため、死因を聞いたりするのは控えましょう。
お悔みの言葉を述べるときは、ご遺族の負担にならないように手短に済ませます。
弔辞は、ご遺族への慰めの気持ちを込めるものですが、あまりにも長い文章になってしまうのはNGです。
文字数800~1,000文字に収めるようにしましょう。
また、ご遺族や参列者を不快にさせないように忌み言葉を避けます。
弔電を送る際は、葬儀が行われる日時と会場の住所、喪主名を確認して申込をします。
故人名を宛名に書かないように注意しましょう。
朝8時から夜7時までに弔電を送れば、当日配達してもらえます。
お清め塩は、死を招き入れた邪気を払うために行われます。
葬儀会場から自宅に戻ったときに玄関前に使用するものです。
払った塩は踏むことで、完全に邪気を断ち切ることができると言われています。
香典は不祝儀袋に包んで渡しますが、「外袋」「中袋」に必要事項を書きます。
記載する内容は、葬儀の宗派によって異なるため注意しましょう。
また、故人との関係性や年齢によって、包む金額が異なります。
周囲の人と歩幅を合わせるため、相場を確認して包むように心がけます。
焼香は正しい手順で行います。
また、故人と関係が深い順番で焼香を行うのが一般的です。
具体的には「遺族」「親族」「友人」「知人」という順番になります。
焼香時には、必ず数珠を利用しましょう。
受付時には、挨拶をして芳名帳に必要事項を記載します。
ご遺族の方が、香典返しなどを送る際に必要な情報になるため、正しく記載するようにしましょう。
この記事のポイント
いかがでしたでしょうか。
何事にもトラブルはつきもので、家族葬に関しても例外ではありません。
そのためどんなトラブルが起きやすいのかをしっかりと把握しておいて、あらかじめ対処しておくことが大切です。
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