「家族葬はどのような流れで行われるのだろう」「どれぐらいの時間がかかるのだろう」などと不安を抱えている方は多くいます。葬儀は、人生で何度も経験するものではないため、実際に行う場合は不安になりやすいです。しかし、知識を身に付けておけば安心して行えます。ここでは、家族葬を行うまでのスケジュールをご紹介します。
家族葬は、どのようなスケジュールで進められていくのでしょうか?家族葬の流れを把握しておくことで、安心して葬儀を行うことができるでしょう。ここでは、家族葬の流れについて分かりやすく解説します。
病院で亡くなった場合は、医師が記載する死亡診断書を受け取ります。この死亡診断書は、死亡原因を医学的に証明するための証明書であり、市役所に提出しなければいけません。基本的には、死亡後7日以内に死亡診断書を提出します。この死亡診断書の提出をしなければ、火葬や埋葬に必要な許可証を発行してもらえないため、市役所に必ず提出してください。
また、病院で亡くなった場合は、死亡診断書がスムーズに発行されますが、殺人などで亡くなった場合は例外となります。このような場合は、遺体の検案を実施後に、検察庁から死体検案書が発行されます。発行元が異なりますが、死亡届出書と同じ役割を持つ書類のため、市役所に提出すれば火葬や埋葬の許可証を発行してもらえます。
病院の霊安室に遺体を長時間安置できないため、指定場所まで搬出しなければいけません。葬儀社や菩提寺には安置場所が定められているので、そこに遺体を運び安置することになります。
また、安置場所は利用料が発生することもあるため、葬儀社の見積金額に含まれているのかを確認しておきましょう。
葬儀会場や形態、内容を葬儀社と打ち合わせをしながら決めていきます。一般的に、どのような葬儀を行うかは、予算から逆算して決めることが多いです。
家族葬の場合は、親族や親しい友人だけが出席するため、しきたりを気にせずに内容を自由に決められます。そのため、本当に必要な内容かどうかを判断基準にして内容を決めていくと、後悔の少ない葬儀を行えます。
納棺は故人の身なりを整えて、お棺の中へ納める儀式をいいます。死化粧を施して、死装束を着付け、死出の旅立ちの準備をします。納棺は納棺師にお任せすることになりますが、ご遺族の方がしても問題はありません。納棺の準備を手伝って、故人を見送りたい場合は申し出てみてください。着付けや末期の水を飲ませるなど、都合の良いタイミングで参加することをおすすめします。
お通夜は小規模で行われますが、基本的な流れは一般葬と変わりません。進行は開式や喪主の挨拶など、一般的なお通夜と同様の流れで行われることが多いです。しかし、家族葬は内容を自由に決められることが大きなメリットとなっているため、無宗教形式で読経を行わないなど、自由な形で故人を見送れます。
告別式では、参列者が限定的のため、故人との最期のお別れをゆっくりと過ごせます。最近では、初七日法要を告別式と同日に行うことも多くなってきています。告別式を終えた後、出棺前に行う「繰り込み法要」と火葬・収骨の後に行う「繰り上げ法要」もあります。
告別式を終えたら、火葬場に移動します。火葬時間は約1時間程度です。火葬が終われば、収骨をして骨壺に収めます。これで、亡くなった後の葬儀の一連の流れが終わりとなります。
家族葬にかかる平均的な日数は約5日です。故人のご遺体を安置場所に搬出した後に、葬儀の内容の打ち合わせを行います。希望があれば、お通夜や告別式を省略することもできます。しかし、葬儀を省略しても最低3日程度かかることを想定しておきましょう。
また、日程はご遺族の意向だけでは決めることはできません。後で詳しく述べますが、僧侶や火葬場の都合にも合わせることになります。
家族葬の日程は、家族の都合だけを合わせれば良いと思われがちですが実際は違います。ここでは、家族葬の日程の決め方をご紹介します。
火葬場は混雑している場合もあり、希望日に予定が取れないこともあります。予約が取れない場合は、別の火葬場を利用するか、順番待ちで翌日以降に火葬することになります。
順番待ちをする際には、友引にも注意しなければいけません。友引の日は火葬場が定休日となっている場合が多いからです。このように、火葬場は予約を取りづらいため、火葬場の空いている日程を第一条件に優先します。
菩提寺がある場合は、その僧侶に読経を依頼することになります。しかし、僧侶にも予定があるため、いつでも都合がつく訳ではありません。僧侶の都合が合わない場合は、同じ宗派の僧侶を紹介してもらう方法もあります。
家族葬は名前の通り、親族や親しい友人が出席するお葬式です。そのため、親族に早めに連絡を入れて「いつなら都合が良いか?」「集まりやすい日はあるか?」と相談します。親族や親しい友人に案内をするか迷った場合は、故人と生前に深い付き合いがあったかどうかで判断しましょう。葬儀に出席して欲しい人だけに案内の連絡を入れます。また、遠方に住んでいる親族には移動時間も考えて、早めに連絡を入れましょう。
家族葬の日程が延期される場合もあることをご理解頂けたかと思います。このように日程を延期する場合は注意しなければいけないこともあるのです。ここでは、日程を延期する際の注意点をご紹介します。
遺体を安置するためには費用がかかります。当たり前のことですが、家族葬の日程が延期されて、安置する日数が伸びると日数分の費用が別途かかることになるので注意してください。
遺体保管費用としては、遺体搬出料・安置施設利用料・ドライアイス費用・面会費用が発生します。そのため、日程が延期された場合は、別途料金がいくらかかるかを確認してください。
ご遺体の安置が長期間に伸びる場合は、エンバーミングが必要となります。ドライアイスでご依頼を安置する方法では限界が出てくるため、長期保存するための施術(エンバーミング)を行います。この施術は専門技術が必要となり、保有資格者が施術を行うため、技術料が発生するので注意してください。技術料は約15~25万円程度が一般的な目安になります。
家族葬の日程が延期された場合、都合が悪くなって葬儀に出席できない親族が出てきてしまいます。早い段階で延期の知らせが出来れば、再調整できると思いますが、延期の連絡が遅れてしまうと、再調整は難しくなってしまいます。そのため、親族や親しい友人に日程の案内を出す場合は慎重に行いましょう。そして、日程変更が起きた場合は速やかに連絡するようにしてください。
初めて家族葬を行う人は、スケジュール上でさまざまな不安を抱えてしまうでしょう。実際に、家族葬を検討している方は、どのような疑問を感じているのでしょうか? ここでは、スケジュールに関して良くある質問をご紹介します。
結論から説明すると、お通夜や告別式は40分程度、火葬は1時間かかることを想定しておきましょう。しかし、参列者が少ないため、お焼香の時間などを大幅に短縮することができます。
家族葬の内容は自由に組み立てられるため、開始時間はさまざまです。しかし、一般的な流れは一般葬と変わりません。一般的に、お通夜は午後6時から開始されて、告別式は午前10時に開始されます。
家族葬はプランが自由に組み立てられるというメリットがある形態の葬儀ですが、葬儀の開始時間も出席者や僧侶の方の許可を得られれば自由に変更できます。そのため、開始時間を早めに設定することも可能です。実際に、お通夜を省略して告別式のみを行う家族葬も登場してきました。告別式だけを行う家族葬は1日だけで葬儀を終わらせられるため、ご遺族のストレスや疲労を軽減できるという利点があります。