新型コロナウイルスのが世界的に拡がり、私達の生活は一変しました。医療現場では非常に厳しい状況のなか、医療従事者の方々が日夜必死に治療されています。
そんな中、慣れ親しんだ自宅で見送る、という、かつての日本でお馴染みだった「自宅家族葬」が見直されはじめています。とはいえ、その数はまだ少なく、近年でも5~6%程度。実際にどのような雰囲気なのか……コロナ禍で自宅家族葬を行った方にお話を聞かせていただきました。
コロナ禍が比較的おさまった都心部から、田舎へ帰ったというYさん。祖父が慣れ親しんだ自宅で葬儀を行うとのことでした。
Yさん「うちのような田舎でも、自宅家族葬は珍しくなりました。昔は近所の人が集まって世話役がいて……という葬儀のかたちが普通だったようですけどね」
長年住んでいたという祖父の家は古く、広々とした日本家屋。障子を開け放すことで密閉が防げ、親戚も時間をずらしながら集まることができました。
Yさん「記憶とほとんど変わらない祖父の部屋に、祖父が白い服で寝ているのは少し変な気分でした。遊んでもらった将棋盤などが置いてありましたし、ああ、帰ってきたんだなあと思いましたね」
自宅家族葬とはいえ、葬儀社に頼んであり、祭壇が部屋に作ってあったそうです。自宅家族葬には、棺の安置場所と祭壇を置くため、6畳~8畳必要だと言われています。
Yさん「うちは広さだけはあるので……。祖父がいつも入ってたこたつなんかは出しっぱなしだったので、逆に従姉妹と昔ここでお雑煮食べたねーなんて話もしました。みんなが喪服なこと以外は、正月の集まりだと錯覚するほどでした」
自宅家族葬ならではの出来事もあったのだとか。
Yさん「布団を出そうとしたら、押入れから昔飼っていた犬の首輪とおもちゃが出てきたんですよ。祖父が拾ってきた犬で、すごくかわいがっていた。棺に入れてあげようって急遽詰めました。斎場だったらできなかったことですよね」
玄関にテントを貼り、受付時間を制限することで密を避けたYさん宅。近所の人や祖父の仕事先の人など、大勢の人が弔問に訪れたそうです。
Yさん「自宅家族葬だと、故人とのお別れの時間をしっかり取れました。僕は離れて暮らしていたから特に。設営とか、意外と葬儀社の方に手伝ってもらえるので、1から10まで自分たちでやらなきゃいけないっていうわけじゃなかったですね。何より、祖父が慣れ親しんだ自宅で見送ることができてよかったです。父もほっとしたみたいでした」
故人が一番長く過ごした場所で、お別れを言うことができる。これは自宅家族葬の大きなメリットです。Yさんのように、思い出話に花が咲き、思わぬ思い出が飛び出すことも。
以前は自宅家族葬と言うと、全て自分たちでやらなければならないものでしたが、今は司会進行や設営、返礼品の準備など、葬儀社が必要に応じてお手伝いすることも可能です。
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