人数を制限し、遺族と親しい人々で行う「家族葬」。故人が「葬儀は家族葬にしてほしい」と遺志を持っていることも多く、近年好んで選ばれるようになりました。実際に家族葬を行う場合、費用はどれほどかかるものでしょうか?
「家族葬」は少人数で行う葬儀と思われがちですが、人数の明確な定義はありません。あくまで遺族、そして故人と親しい人々とお見送りするという趣旨。ホテルで数百人招いても、10人程度で行っても、「家族葬」と呼ぶことができます。
とはいえ、参列者の人数を絞って葬儀を行うことが多いようです。コロナ禍では、密を避けられるため選ぶというご遺族も。
数年前から「終活」が流行し、エンディングノートなどを自身の臨終に関わる準備をしている方が増えました。家族葬では故人の遺志を尊重して、従来の形にこだわらないで行う場合もあります。
「親族が集まってにぎやかに過ごすのが好きだったから」と、宗教的儀式を一切やらずに終わる、音楽をずっとかけたお葬式など、方法はさまざま。
もちろん、一般葬同様、通夜・告別式を行うことを選ぶご遺族もいらっしゃいます。
大事なことは遺族と故人の気持ち。形にこだわらず個性を打ち出した葬儀を行えることも、家族葬のメリットです。
エンディングデータバンクが発表した2018年のデータによると、関東都心部での平均費用はおよそ100万円程度。ただ、これは会食や香典返しなどのいわゆる「おもてなし」費用を含んだデータです。
葬儀コンシェルの「定額プラン」では432,300円(税込)。ベーシックな葬儀だと50万前後が多いようです。
葬儀費用は主に「基本プラン」、「お布施などの宗教費用」「会食などの費用」「施設使用料」などで形成されています。
葬儀費用は葬儀社によって違います。まずは資料請求してみることが一番です。
基本プランの値段のみで決めてしまうと、オプションの費用で総額が他社と変わらない・むしろ高くなるという場合もあります。見積もりや打ち合わせは慎重に行い、数社を比較することをおすすめします。
一般葬の平均費用はおよそ120万~150万円と言われています。それに比べると、少額に感じる家族葬の費用。ただし、人数が少ないと香典が少ないということもあります。費用をまかなえる割合が小さく、遺族の持ち出し負担が実質的には多い、という逆転現象が起きてしまうこともあるので注意が必要です。
家族葬の一番の魅力は、故人と関わりが深い人と、ゆっくりと見送れることではないでしょうか。葬儀は故人との最期のお別れの場。手間がかかってしまうこともありますが、型通りではない、心のこもった葬儀も行えるのが家族葬です。
「ありがとう」「お疲れ様」を縁ある人とともに伝えられる。故人の安らかな眠りを祈る、家族葬という選択肢を考慮してみてはいかがでしょうか。
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