一般葬とは異なり、家族葬は参列辞退する場合があります。そのため「訃報の連絡が届いたけれど、参列して良いのだろうか」と悩む人も多いです。
実際に家族葬のお知らせが届いた場合、家族葬に参列すべきかどうかはどのように判断するのでしょうか? ここでは、家族葬に参列するかの判断方法について分かりやすく解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
家族葬に参列して良いのかどうかは、どのように判断すれば良いのでしょうか? ここでは、家族葬に参列するかの判断方法をご紹介します。
家族葬の場合は、遺族側から参列願いの案内があった場合に参列するのがマナーです。案内で訃報と併せて葬儀会場や日時の通知もあった場合は参列してください。
しかし、訃報の案内だけが通知され、葬儀会場や日時の記載がない場合は参列を控えなければいけません。そのため、案内状はシッカリと確認してください。下記のような案内状が届けば参列願いとなります。
父〇〇〇〇儀 病気療養中のところ
心不全のため〇〇歳にて永眠しました
ここに生前のご高配を深謝し 謹んでご通知申し上げます
つきましては 故人並びに遺族の意向として
葬儀は近親者のみで 家族葬を執り行います
尚 葬儀及び告別式は次の通り執り行います
日時 〇月〇日 午前〇時から
場所 東京葬祭セレモニーホール
住所 〇〇県〇〇市〇〇〇―〇〇
電話 〇〇〇―〇〇〇―〇〇〇
尚 葬誠に勝手ながら ご供花 ご供物 ご香典の儀は固くご辞退申し上げます
令和〇年〇月〇日
〇〇県〇〇市〇〇〇―〇〇
喪主 〇〇〇〇
家族葬に呼ぶ人・参列者の範囲については、下の関連記事で解説しています。
訃報の通知に葬儀会場や日時などが記載されていない場合は、参列を控えなければいけません。また、案内状に参列辞退という文言が記載されていたら、参列は控えるのがマナーです。
参列辞退の記載があっても「故人には生前にお世話になったため、どうしてもお焼香したい」と考える方もいます。このような場合は、葬儀を終えて片付けが終わる頃合いを見て、後日に弔問することになります。
家族葬とは、遺族や親族など故人が生前親しかった人達のみで執り行う葬儀です。訃報を周囲の人に知らせてしまうと参列したいという方が出来たりするため、葬儀が終わった後に訃報と葬儀を終えた旨を伝えるケースが多いです。
しかし、近隣の方であれば、葬儀が執り行われていることを察することもあるでしょう。そのような場合でも、ご遺族から案内が届かない限りは、家族葬への参列は遠慮することがマナーです。
家族葬に出席する場合は、失礼のないように注意を払いましょう。ここでは、家族葬に出席する場合のマナーについて解説します。
家族葬でも、喪服を着用するのが一般的です。喪服とは「喪に服す」という悲しみに寄り添う気持ちを表すときに着用するものです。そのため、故人を偲ぶための正装として喪服を着用します。喪服のルールは男性と女性で異なるため、それぞれの違いをご紹介します。
喪服 | 光沢のないブラックスーツ。上着はシングル・ダブルのどちらでも構いませんが、パンツはシングルでなければいけません。 |
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ワイシャツ | 白無地のレギュラータイプのもの。 |
ネクタイ | 光沢素材でない黒無地のもの。結ぶ際は、お悔みの場でのマナーとして窪みをつくらないように気をつける。 |
ベルト | 黒無地でシンプルなデザインのもの。 |
靴下 | 黒無地のもの。 |
シューズ | 黒の革靴。エナメルやスエード素材を避け、金具なしのシンプルなもの。 |
喪服 | ブラックスーツが好ましい。パンツやワンピース・アンサンブルのスタイルが基本。 |
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アクセサリー | ネックスレスやインヤリングは真珠が定番。 |
手袋 | ネイルをしている方は露出を避けるためのアイテムとして有効。 |
バッグ | 光沢や飾りのないシンプルなものが好ましい。 |
ストッキング | 黒の薄手のストッキングが正式。 |
パンプス | シンプルな黒のパンプス。高いヒールやエナメル素材はNG。 |
学生の場合は、喪服の代わりに制服を着用します。制服がない場合は、黒や紺などの服装を選ぶようにしましょう。靴は革靴が望ましいですが、用意できない場合はスニーカーでも構いません。
家族葬で香典を渡す際は、ご遺族の意向を汲むのが基本です。家族葬では香典辞退されることが多いですが、このような場合は香典を渡すのは控えます。香典辞退について触れていない場合は、用意をして渡しましょう。金額の相場は、故人との関係性で金額が異なります。
両親 | 10万円 |
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兄弟・姉妹 | 3万円 |
祖父母 | 1万円 |
親戚 | 1万円 |
友人 | 5,000円 |
職場関係 | 5,000円 |
家族葬では、香典だけではなくて、供物や供花などを辞退する場合も多いので確認しておきましょう。また、家族葬で香典を包んで渡す場合は、一般的には供物や供花は不要です。それぞれを渡すと、ご遺族の負担になることを考えて控えましょう。
基本的に、供物や供花は香典の代わりとして送るものです。そのため、参列できなくて「気持ちだけでも」という場合に供物や供花を送ることがあります。供物や供花としてふさわしい物は、次の通りです。
仏教 | お菓子・果物・線香・ローソク・ユリや菊などの花 |
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神道 | お菓子・果物・お酒・海産物・ユリや菊などの花 |
キリスト教 | 供物を送る習慣はない |
家族葬の案内を受け取ったにも関わらず、病むを得ない事情で欠席しなければいけないときは、どうすれば良いのでしょうか? ここでは、家族葬を欠席する場合の対処法についてご紹介します。
顔を合わせて話ができない状況で、もっとも丁寧な形で伝える方法は電話です。親しくない間柄の場合は文章で連絡するとよそよそしくなってしまうため、口頭で伝えることが推奨されています。
欠席の理由については、詳細に語る必要はありません。「病むを得ない事情がありまして」「どうしても都合が合わず」とやんわりとした理由を述べて欠席を伝えてください。電話がつながらない場合に、メールで不参加の旨を伝えることもできますが、あくまで略式なので、後日の電話や弔問を考えておきましょう。
故人に対して敬意を込めて、葬儀会場に弔電を打ちます。弔電に記載する内容は決まりがなく、自由に作成することができますが、覚えておきたいマナーもあります。
〇〇 〇〇様
ご尊父様のご逝去の報に接し、謹んでお悔みを申しあげます。
もうあの笑顔にお会いできないのかと思うと、悲しくてなりません。
在りし日のお姿を偲び、ご冥福を心からお祈りいたします。
〇〇 〇〇(〇〇大学 〇〇年卒 学友)
葬儀を欠席した場合、葬儀後なるべく早い段階で供花を送ります。タイミングとしては、四十九日までが一つの区切りです。また、四十九日の法要に供花を手配するという方法もあります。後飾りの供花は家の祭壇に飾るものなので、籠アレンジの花を飾るのが一般的です。
供物は供花とは異なり、弔問時に持参して手渡すのが通例です。また、弔問時の供物を持参する場合は、基本的に香典を持参する必要はありません。宗教によって供物は変わってきますが、日持ちがするものが喜ばれます。
家族葬の案内を受け取ったけれど、病むを得ない事情によって欠席する場合に香典だけでも渡したいと思うこともあるでしょう。このような場合、香典はどのように渡せば良いのでしょうか? ここでは、家族葬を欠席した場合の香典の渡し方をご紹介します。
まず、代理人にご香典を預けて渡してもらう方法があります。代理人が弔問することは失礼にあたりません。むしろ、香典返しの準備をまとめてできるため、喪家にとっては助かるのです。
代理人に預けた香典の表書きや記帳は、代理人名義ではなく、欠席者の名前を記載します。欠席者本人の名前の後に(代)として代理人であることを記帳します。
もし、代理人に依頼をする場合は、代理で渡してくれる相手に気遣いを忘れないようにしましょう。あたかじめ不祝儀袋を用意して表書きを書いておいたり、自分の住所や氏名を代理人に伝えておくと親切です。
弔電を送り、香典を現金書留で郵送する方法もあります。弔電を打つ場合は、葬儀に間に合うように前日までに打っておきます。そして、香典を現金書留で郵送します。そのため、香典袋は現金書留の封筒に入るサイズを選ばなければいけません。この現金書留には、手紙を同封することができるため、お悔み状を同封すると、より丁寧です。
葬儀後に弔問する場合は、直接渡すこともできます。しかし、葬儀後もバタバタしていることが多いため、弔問しても良いかどうかを事前に確認してください。香典は、仏壇に供えるように置きますが、もし仏壇がない場合は直接渡します。
仏壇に供えるときに黙ってそのまま帰宅してしまうと、喪家が御礼を言うタイミングを失ってしまいます。そのため「御香典をお持ちしたのですが、お供えしても良いですか」とお声がけをするようにしましょう。
家族葬の案内は届かなかったけど「どうしても生前の感謝の気持ちを伝えたい」という方もいるでしょう。このような場合の対処法はどうすれば良いのでしょうか? ここでは、家族葬の案内は届かなかったけど行きたい場合の対処法をご紹介します。
基本的に家族葬の案内が届かなかった場合は参列できません。そのため、生前お世話になった気持ちを伝えたい場合は、弔電と香典を現金書留で送ります。弔電を打つ場合は、葬式に間に合うように手配します。インターネットなどの弔電サービスを利用すれば、すぐに弔電を打つことができるため、利用してみてください。
家族葬のお知らせは、事後報告になることがあります。訃報と葬儀を終えたという知らせが届くことが多いです。そのような通知を受け取った場合に「生前お世話になったから、感謝を述べたい」と思うこともあるでしょう。このような場合は、喪家の都合が良い日時に弔問して、焼香させてもらいます。
家族葬は、故人との最後の別れを身内だけでゆっくりと過ごしたいという想いから選ばれることが多いです。そのため、生前お世話になった故人を偲びたいという気持ちがあっても、自分の意思ではなく、ご遺族の意思を尊重するようにしましょう。
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