日本人は代々、葬儀を挙げた後に故人の御霊を仏壇を通して弔ってきました。
祖父母の家を訪ねた時などに、仏壇に線香をあげて手を合わせた経験のある人もいることでしょう。
しかし、古くなってしまったから仏壇を買い換えたいという要望もあるかもしれません。
このような場合、仏壇を買い取ってもらうことはできるのでしょうか。
また、もし買取が可能だとして、注意すべき点はどんなことでしょうか。
この記事のポイント
結論からお伝えすると、ほとんどの仏壇は買い取りをしてもらえません。
買い取り料を受け取れるどころか、梱包や配送にかかる代金を依頼者側が負担しなければいけないのです。
しかし、民芸・工芸的に価値が見込める場合、配送料なども業者側で負担し、買い取りしてもらえます。
このように、仏壇を買い取ってもらえる確率は低いということを前提で、買い取りを検討して下さい。
ここでは、どのような業者が買い取りをしてくれるのか、買い取り業者をご紹介します。
具体的には、以下の4つが主な買い取り業者になります。
仏壇を買い取ってくれる業者
代々受け継がれる仏壇などの場合は、民芸・工芸的に価値がある可能性が高いです。
このように美術的価値がある場合は、古美術商(骨董屋)へ相談してみて下さい。
買い取り価値があると判断されたら、魂抜きや梱包、配送にかかる費用も負担してくれる場合があります。
現在の仏壇を処分して新しく購入しようと考えている場合は、仏壇店に相談してみて下さい。
場合によっては、新しい仏壇の購入価格から値引いてもらえることもあります。
また、仏壇店は仏壇の取り扱いに関する知識を豊富に持っています。
そのため、処分方法や配送方法について詳しく教えてくれるでしょう。
リサイクルショップに買い取りしてもらいたいと思った場合は、事前に魂抜きをする必要があります。
魂抜きをした仏壇を持っていきます。
しかし、仏壇は繊細なため、素人が動かすには向いていません。
運んでいる際に壊れてしまうというようなトラブルも多いです。
リサイクルショップへ運ぶ前に壊れてしまったら、買い取り以前の問題となってしまいます。
また、業者を家に呼んで、廃品回収をしてもらう方法もあります。
廃品回収業者は仏壇に関する知識を持っていないことが多いです。
そのため、廃品回収をしてもらう場合でも、移動させる際に壊れてしまう可能性があるでしょう。
仏壇を取り扱った経験を豊富に持つ業者を選ぶようにすることが無難です。
仏壇を買い取りしてもらう方法に、ネットオークションという方法もあります。
しかし、中古の仏壇を探している人は基本的にいないため、自らが値段を決めて販売していく形式となります。
販売価格を決める際は、梱包や配送にかかる費用を考慮した金額を設定するようにしましょう。
販売価格の設定を間違えてしまうと、通常の処分代金より高くなってしまう恐れもあります。
買い取り相場は、下記の通りです。
種類 | 買取相場 | 概要 |
家具調仏壇 | 10,000円 | リビングや和室などに置いても違和感がないタイプで、現在主流となっています。 |
厨子方仏壇(収納型) | 30,000円 | 収納型の厨子方仏壇は、設置場所に困らないため人気があります。 |
厨子方仏壇(経机型) | 28,000円 | 仏間があるような家に設置するものです。 |
会館型 | 18,000円 | 彫刻が施されていない伝統的なタイプの会館型は人気がありません。 |
伝統型 | 8,000円 | 彫刻が施されている伝統的なタイプの会館型は人気がありません。 |
買い取り前の注意点
仏壇を買い取りしてもらう場合は、次の点に注意点に気をつけて下さい。
仏壇には、ご先祖様が眠っています。
そのため、寺院に処分する上での相談をしましょう。
処分したい理由を話した上で、どのように取り扱えば良いのかアドバイスを貰うことができます。
そして、寺院で魂抜きをしてもらいます。
魂抜きは処分する場合や引っ越しをする場合などに必要不可欠な儀式です。
買い取りしてもらう場合でも、魂抜きがされていない仏壇は買い取りしてもらえません。
仏壇には、自分たちのルーツでもあるご先祖様が眠っています。
維持するのが難しくなったため、処分したい場合であっても、家族の同意は必ず取るようにして下さい。
病む得ない事情で、勝手に処分して、あとからトラブルに発展することもあるので気をつけて下さい。
買い取りの流れ
仏壇の買い取りについて解説しましたが、主な流れは上記の通りになります。
順を追ってみていきましょう。
仏壇の寸法を測定して、現状を撮影して下さい。
細かい部分のキズや不具合がある場合は、その箇所に焦点をあてた写真とメモ書きを残しておきます。
買い取り査定をしてくれる業者に電話もしくはメールでお問い合わせします。
撮影した写真を送り、状況を報告します。
買い取りの価値があると判断された場合は、自宅に業者が訪問してきて具体的な査定に入ります。
細かい部分のキズや不具合を確認してもらいます。
(※店頭に運んで査定をしてもらう方法もありますが、繊細な仏壇を動かすことはオススメしません。)
業者から買い取り金額の提案があり、その提案に同意すると成約となります。
梱包や養生をして、仏壇を運び出せる準備をします。
業者が引取りに来てくれて搬出してくれます。
(※業者によっては、配送業者を自分で手配しなければいけない場合もあります。)
この記事のポイント
閉眼供養をした仏壇は処分しましょう。
処分の仕方には上記の3つの方法があります。
檀家になっている寺院があれば、仏壇の引取りをその寺院に依頼するのがスムーズです。
すべてを寺院に任せることができるため、手間がかからず、心理的にも安心感が得られるでしょう。
しかし、寺院に引き取ってもらう場合の費用の相場は分かりにくくなっています。
そのため、寺院に直接相談をしてみて下さい。
仏具店に引取りを依頼する選択肢もあります。
仏具店では、古い仏壇を引き取ってくれるサービスも行っています。
菩提寺に依頼しにくい場合は、仏具店に引き取ってもらうようにしましょう。
また、新しく仏具を揃える場合は、下取りの形で処分してもらえます。
閉眼供養を行った仏壇は、宗教上では、単なる木の箱です。
そのため、地域の粗大ごみとして収集して出すことも可能です。
粗大ごみとして収集依頼することになります。
仏壇を細かく解体したものは、木は燃えるごみとして、金具は不燃ごみとして出せる場合もあります。
粗大ごみとして扱うのか、燃えるごみとして出せるのかは、地域のルールを確認して従って下さい。
この記事のポイント
いかがでしたでしょうか。
現代では継承する人がいなくなるなどの問題で、仏壇を手放したいと思う方は多いでしょう。
しかし一般的な物品と異なり、相場やそもそも買い取ってもらえるかどうかは一概に言えないのが現状です。
そのほか、魂抜きなど仏壇ならではの注意点もあります。
よくよく考えてから買い取りを検討するようにしましょう。
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