お墓・納骨

自宅供養について解説!自宅供養の費用や方法、注意点は?

供養といえば、お墓に遺骨を納めて、お墓参りをしたりすることでした。

しかし近年では、子孫にお墓を管理する負担がかからない供養として、様々な形式のものがあります。

ここで紹介する自宅供養や手元供養も、近年登場した新しい形の供養の一つです。

この記事のポイント

  • 散骨のほかにも、お墓を持たない供養方法として手元供養や自宅供養という形もある
  • 自宅での供養には、骨壺やフォトスタンドに入れて保管したりする方法がある
  • 手元供養では故人の存在を常に身近に感じられるというメリットがある
  • 湿気による劣化、災難や盗難などの問題があるほか、将来の保管先を決める必要がある。

自宅供養が増えてきている理由

自宅供養

お墓のない供養の方法として、真っ先に浮かぶイメージが散骨方式ではないでしょうか?

最近は山林や海洋に、パウダー状に粉砕した遺骨を散布するだけではありません。

人工衛星に搭載して宇宙へ飛び出す散骨の方法も人気が高いようです。

また、お墓のない供養の方法というのは散骨だけではありません。

遺骨を合祀することで個人のお墓を持たずに供養する永代供養や、自宅で遺骨の供養を行う自宅供養。

アクセサリーなどに遺骨を加工して、いつでも身につけて故人を偲ぶ手元供養などが年々増加しています。

そのため自宅で供養したりする方法も新しい供養の方法として選択される方が増加しています。

自宅供養の費用

費用

お墓を建立するには、永代使用料の支払いや墓石の購入など、かなりの費用がかかります。

そのため、経済的な理由でお墓を建てることができないという方も少なくありません。

個人でお墓を建てる場合は、少なく見積もっても80~100万円以上かかるのが相場となっています。

その一方で、費用が安い散骨方式や、永代供養でも30~50万円程度のお金が必要です。

それに比べて自宅供養であれば、供養の方法にもよりますが数千円~数万円ですみます。

そのため、経済的にお墓を建てることが厳しいという場合には手元供養を検討してみましょう。

自宅供養の3つの方法

自宅

こ自宅供養の方法

  • 骨壺に入れて保管する
  • 遺骨を加工して保管する
  • フォトスタンドの中に保管する

遺骨を入れた骨壺を自宅に置いて供養する以外にも、以下のように遺骨を自宅に保管する方法もあります。

骨壺に入れて保管する

骨壺

火葬した遺骨を墓に納骨せずに、自宅に保管する供養方法です。

骨壺の中に全ての遺骨を保管する方法や、仏壇を置かずに骨壺自体を供養の対象とする方法もあります。

外観は普通のお地蔵様や人形などの置物ですが、中にある小さなスペースに遺骨を納めるようになっています。

裏側には、位牌のように故人の名前や没年月日を記すことができます。

遺骨を加工して保管する

パウダー

遺骨をパウダー状に粉砕して、土と一緒に練り込んで焼き上げ、壺などの焼き物を作ったりする加工方法です。

毎日花瓶の花を入れ替えることが、故人を供養することに繋がるので、花瓶の人気が高いです。

フォトスタンドの中に保管する

フォトスタンド

最近では和室を持たない人が増えて、仏壇の置き場所に困る人も多いです。

スペースを取らないということで人気が高いのがフォトスタンドの中に遺骨を入れておくスタイルです。

生前の写真が供養の対象となり、自宅供養を行わない場合でも利用される方が多いアイテムです。

自宅にお墓を建てても良いか

お墓

街道沿いにお墓が散在していたり、農家の大きな庭に先祖代々の墓を見かけることもあります。

自宅の敷地にお墓を建立することは可能なのでしょうか?

墓地以外での埋葬は法律で禁止されている

禁止

昭和23年に墓地、埋葬等に関する法律が制定されています。

法律により、故人の遺骨は墓地として認可されている場所以外に埋葬することができなくなりました。

つまり、自宅の敷地内にあるお墓などは、埋葬法が制定される前の古いお墓になります。

そして、新たにお墓を作って納骨したり、古いお墓にも、新たに遺骨を埋葬することはできません。

自宅の庭を墓地として認可してもらえれば、墓を建立することは可能です。

しかし、墓地の運営、管理者として認可されるのは、宗教法人、NPO法人、地方公共団体に限られています。

そのため、個人が申請しても墓地としての認可が下りることはほぼありません。

遺骨を埋葬していなければ大丈夫

埋葬

埋葬法で禁止となるのは、法律で墓地として定められた場所以外へ埋骨することです。

そのため、埋葬を行わないのであれば、敷地内に墓を建てることはできます。

実際に、敷地内にあるお墓の中に遺髪などを納めて供養している方もいらっしゃいます。

自宅で遺骨の保管をする際の4つの注意事項

注意点

保管する際の注意点

  • 骨壺に保管する時は湿気に注意
  • 災害や盗難に遭うリスクがある
  • 将来的な遺骨の保管先も決めておく
  • 自宅にお参りに来る人が増える

自宅で遺骨の保管をする際には、上記の点に注意してください。

骨壺に保管する時は湿気に注意

湿度

骨壷の素材は、金属や磁器のものが多く、外気と骨壷内の温度差により結露が起こります。

特に冬は放っておくと、内部に溜まった結露で遺骨が痛んだり、高い湿気がカビの原因になります。

遺骨が痛むのを防ぐには、風通しのよい場所や湿気の少ない場所に置きましょう。

カビを防ぐには遺骨を真空パックにする方法もあります。

パックに納めたら酸素に触れることがないのでカビの発生もなくなります。

災害や盗難に遭うリスクがある

盗難

地震の揺れによって墓石が倒壊しても、土中に保管されている遺骨には被害がないことがほとんどです。

また、火事についても墓地では燃え広がるものがほとんどないので、延焼することはないでしょう。

しかし、自宅で遺骨を保管している場合は、地震や火事などの災害で破損してしまう可能性があります。

パウダー状に加工している場合は、災害で紛失してしまったら、見つけ出すことはほぼ不可能となります。

将来的な遺骨の保管先も決めておく

遺骨

墓を立てずに自宅で遺骨を保管をする場合、将来的に自分が亡くなった後のことも考える必要もあります。

現在、自宅供養している遺骨の他に、自分の遺骨に関してもどのように供養するのか考えましょう。

おすすめなのは、永代供養や散骨を生前のうちに予約しておくことです。

永代供養の合祀や、散骨ならばその後の管理について子孫に手間をかけることもありません。

自宅にお参りに来る人が増える

弔問

お彼岸やお盆など、通常はお墓にお参りにいきますが、自宅供養の場合はお参りに行けるお墓がありません。

そのため、故人をお参りする時には、自宅を直接訪問しなければいけません。

故人の知人や友人が訪れることも多くなり、お盆やお彼岸の時期にはお客様が増えることがあります。

ペットの自宅供養について

ペット

遺骨の供養はもちろん人だけでなく、ペットの供養などを考えることもあります。

埋葬方では墓地として認可されている場所以外では遺骨の埋葬はできないと先ほど解説をしました

しかし埋葬法で禁止になるのは、人間の遺骨の埋葬と限定されています。

そのため、可愛がっていたペットのお墓を建てて納骨し自宅の敷地内で供養するのは全く問題ありません。

庭などにペット用のお墓を建ててもいいですし、人間と同じように自宅供養の方法をとっても構いません。

手元供養とは

手元供養

自宅での供養も手元供養の一つの形と言えます。

しかし、手元供養は遺骨を加工したりして、常時身につけておく供養の方法になります。

手元供養の理由として、遺骨を近くに置いて供養することで、精神的なダメージを和らげられることがあります。

大事な人が亡くなられてもいつもそばにいるという心の拠り所となることもあります。

それならばアクセサリーなどに加工して身につけておく方が、より故人の存在を近く感じれるでしょう。

まとめ

この記事のポイント

  • 散骨のほかにも、お墓を持たない供養方法として手元供養や自宅供養という形もある
  • 自宅での供養には、骨壺やフォトスタンドに入れて保管したりする方法がある
  • 手元供養では故人の存在を常に身近に感じられるというメリットがある
  • 湿気による劣化、災難や盗難などの問題があるほか、将来の保管先を決める必要がある。

いかがでしたでしょうか。

今回は手元供養や自宅供養のお話をしました。

価値観の多様化に伴って、供養の方法も多様になってきています。

手元供養も自宅供養も、故人を近くに感じられるという意味では非常に魅力的な供養方法です。

しかし墓標がないことから故人の親族や知人が自宅にお参りに来るなど注意が必要なこともあります。

ただ想定外のトラブルに会わないよう、よく考えてから選択するようにしてください。

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しかし、「予算を抑えたい」「故人の遺志だから」という理由だけで深く考えずに決めてしまうと、思わぬトラブルが発生し、後悔や心労の残るお別れになりかねません。

葬儀の規模や内容の決定にあたっては、
故人様の遺志のみならず、ご親族の意向や、故人様の交友関係、菩提寺とのお付き合いなど、
様々な観点からじっくりと検討する必要があります。

私共「葬儀コンシェル」は、頂いたご質問・ご要望に的確にお答えするのはもちろんのこと、
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