お腹の中で胎児が亡くなってしまい流産してしまった、産むに産めない事情で人工中絶をしてしまったなど、さまざまな理由で流産・中絶をすることもあると思います。流産や中絶をした場合に出てくる疑問の1つが、「供養などはどうするか」ということだと思います。
流産や中絶で胎児が亡くなった場合、水子供養(みずこくよう)というものをすることがあります。今回は、水子供養についてご説明したいと思います。
水子とは生まれて間もない赤子のことをいいます。昔は、胎児のことだけでなく乳児期や幼児期に死亡した場合の子供のことも指していましたが、現在では胎児が流産や中絶で死亡した場合に「水子」という言葉を使うことが多いです。そして、その水子を供養するという意味で水子供養があります。
水子供養をする理由としては、流産や中絶で胎児が死亡した赤ちゃんに対して、「感謝の気持ちを伝えるため」「産むことができずに申し訳ない気持ちを伝えるため」という理由が多いです。
胎児は生まれる前の状態で亡くなっているので、現世の人間社会の煩悩を知らず純粋無垢な心のまま天に召されるといわれています。しかし、水子が恨みをもったまま亡くなり成仏できずに祟られるという迷信ありますので、このことから水子供養をしなければならないと考える方もいるようです。
水子供養に行かなければ祟られるなどということはなく、水子供養をするかどうかは自分の気持ち次第です。「自分の体に命が授かったこと」「一生懸命生まれようとしてくれたこと」に感謝する意味で水子供養をしたほうが亡くなってしまった赤ちゃんも喜ぶのではないかと思います。
実際に水子供養をしようと思ったとしても、水子供養をするにはどうしたらいいのか最初は分からないと思います。
水子供養は近くのお寺ですることができますが、すべてのお寺でできるわけではないので注意しましょう。たとえば、浄土真宗では水子供養を行いませんので、浄土真宗のお寺で水子供養をしてもらうことはできません。
赤ちゃんを亡くした家が水子地蔵を立てられることがあるため、水子供養ができるところには水子地蔵が立てられていることが多いです。多くの場合には、お寺から戒名を授かり位牌を作成することで水子供養を行います。ただし、水子供養の方法はそのお寺や神社によって違い、自宅でも水子供養することができます。また、実家にあるお墓などと一緒に水子地蔵を祀ればお盆などのお墓参りに毎年一緒に供養することができます。
実際に水子供養にこれから行かれる方が準備するものをご説明いたします。
水子供養をする際に持っていくものもそんなに多くはありません。まず服装ですが、特に決まりはなくいつもの普段着で構いません。黒や紺を基調として落ち着いた服装で行かれるのがよいかと思います。
そして水子供養に持参するものとしてはお布施を支払うためのお金が必要です。お布施として支払うので金額に決まりはありませんが、やはり相場があります。供養してもらうだけであれば5000円〜10000円程度が目安ですが、卒塔婆や位牌を作成してもらう、納骨埋葬をしてもらうとなると10000円~30000円ほどに費用が必要です。お寺に行く前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
その他には、お腹にいたときのエコー写真・お花・お菓子や飲み物・赤ちゃんへの手紙ももっていくといいでしょう。
水子供養にいく期間、タイミングは特に決まっていません。流産や人工妊娠中絶などで心身ともに疲れているお母さんは水子供養をする余裕が心身ともにないと思います。そのため、しっかり休養を取って水子供養をする気持ちになってから、水子供養をすることをおすすめします。
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