葬儀プランのオプションで付けられるエンバーミング処置をご存知ですか?エンバーミング処置について理解を深めておくと、より理想に近い葬儀の実施に役立ちます。
そもそも、どのような目的で行われるものなのでしょうか?この記事では、エンバーミング処置について解説します。
エンバーミングとは、ご遺体の保存・防腐・殺菌・修復を目的として、ライセンス保有者(エンバーマー)が行う特殊な処置です。
ご遺体の洗浄だけではなく、消化器官の残置物の除去、傷口の縫合、防腐剤の保存液の注入などを行ってもらえます。遺体の腐敗を抑えられて、生前に近い姿にまで戻してくれます。
しかし、防腐剤の保存液を注入しても、永久的に腐敗しないわけではありません。エンバーミング処置をして、ご遺体の状態を維持できるのは、約2週間程度と言われています。
年間138万人の人が亡くなっていますが、4万人の葬儀でエンバーミング処置がされている現状です。
IFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)が主催するエンバーマー資格試験に合格したライセンス保有者が処置を行ってくれます。処置に係る時間は平均3時間です。
【エンバーミング処置】
1. ご遺体の消毒と洗浄
2. 洗髪と洗顔
3. 体内の洗浄と防腐保全処置
4. 消化器官などの残置物除去
5. 縫合・修復・洗浄
6. 衣装の着付け
7. 死化粧や納棺
エンバーミングの基本料金はIFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)で決められています。遺体の状況や処置内容によって異なりますが、平均費用相場は約15~25万円です。複数社に比較しても、差額は出にくくなっています。
エンバーミング処置はオプションで葬儀内容に追加できるものです。どのような場合に、エンバーミング処置を依頼するのでしょうか?次に、エンバーミングの目的をご紹介します。
喪主の都合や菩提寺の僧侶の都合によって、葬儀の日程を延期したいこともあるでしょう。また、葬儀会場や火葬場の予約状況によって、葬儀を延期しなければいけません。このような諸事情で、葬儀を延期する場合は遺体の腐敗に気をつける必要があります。
海外出張や遠征などで、遠方で家族が亡くなった場合は航空機を使用して、ご遺体を搬送する必要があります。
しかし、安全上の観点から、機内でドライアイスは使用できません。このような事情により、航空機を使用して遺体搬送する場合はエンバーミング処置を行う必要があります。
生前に近い姿を見ながら、故人様との最期の時間を過ごしたいと願うご遺族の方は多いです。このような意志によって、エンバーミング処置が行われます。
長い期間、闘病生活をしていたり、人身事故で遺体が損傷していたりした場合でも生前に近い状態に戻せます。
芸能人の葬儀では、エンバーミング処置が行われることが多いです。
海外では、芸能人や著名人の功績を称えるため、永久保存したいという意味を込めてエンバーミング処置がされています。マリリン・モンローやマイケル・ジャクソン、テレサ・テンなどはエンバーミング処置がされています。
エンバーミング処置を希望される方は少ないですが、さまざまな目的で選ばれています。長い闘病の末にお亡くなりになったり、人身事故などで遺体が損傷していたりする場合は、深く傷つくでしょう。
エンバーミング処置を行えば、故人様の生前の姿に会えます。故人様を生前の姿にお戻しをして、最後の別れをしたいという方におすすめの処置となっています。ぜひ、エンバーミング処置をご検討してみてください。
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