身近な方が亡くなったときは、故人の供養を行うのが一般的です。弔問時に、ご遺族にお悔やみの言葉をかけることもあるでしょう。その際に、ご遺族に対して使用すべきではない「忌み言葉」というものがあります。
思いがけずご遺族を傷つけないように、忌み言葉についての基本的な内容を確認しておきましょう。
「忌み言葉」とは、葬儀などの際にご遺族へ伝える言葉としてふさわしくない言い回しのことを言います。普段何気なく使用している言葉の中にも、忌み言葉に該当するものがあるため、ご遺族へ言葉をかける際には、十分注意しましょう。
忌み言葉には、以下の種類があります。それぞれの言葉ごとで使用を避けるべき理由をきちんと把握し、ご遺族に失礼のないようにしましょう。
「重ね言葉」とは、同じような意味や表現の言葉を繰り返し使用している言い回しのことです。不幸が繰り返されるということを連想させるため、葬儀などでご遺族にかける言葉としてはふさわしくありません。
以下のような言葉が当てはまります。
・重ね重ね
・次々
・度々
・まだまだ
・いよいよ
・ますます
・いろいろ
・またまた
・再び
・引き続き
・もう一度
ご遺族にとって、不吉なことが起きる予感をさせる言い回しも忌み言葉に該当します。故人とは無関係の言葉でも、言い回しにネガティブなイメージがある場合は使用を避けましょう。
以下のような言葉が当てはまります。
・浮かばれない
・大変な
・落ちる
・消える
・散る
・枯れる
・壊す
・破る
・苦しみ
・衰える
葬儀などの場において、生死を直接連想させるような言い回しも、忌み言葉に当てはまります。他の忌み言葉よりも表現がはっきりしているため、間違っても、使用してはいけません。
具体的には以下のような言葉です。
・死ぬ
・死去
・亡くなる
・自殺
・急死
・生存
・生きていた
お悔やみの言葉を伝える際には、上記の忌み言葉を使わないことが大切です。
その他には、以下の点に気をつけると良いでしょう。
・お悔やみの言葉は簡潔に伝える
・お悔やみだけでなく、ご遺族への気遣いの言葉も伝える
・故人の死因などの詳細は聞かない
これらのことを踏まえてお悔やみの言葉にふさわしい文例を確認しておきましょう。
①一般的なお悔やみの言葉
・急なことで驚いております。心からご冥福をお祈り申し上げます。どうかお力落としをなさいませんように。
②病気で亡くなった場合のお悔やみの言葉
・先日お見舞いに伺った際にはお元気そうでいらしたので、ご快復に向かっていると思っておりましたのに本当に残念でなりません。皆様の悲しみをお察しいたします。
③事故で亡くなった場合のお悔やみの言葉
・この度は思いもよらないことでさぞお嘆きのことと思います。私にできることがあればなんなりとおっしゃってください。
忌み言葉を使ってしまうと、意図せずご遺族を不快な気持ちにさせてしまいます。大切な方を亡くして、茫然自失状態のところ、さらに追い討ちをかけてしまうこともあるでしょう。そのため、弔問時には、忌み言葉に十分気を付けてください。
葬儀の知識やマナーなどのオリジナルコラムも配信しています。