葬儀

葬儀社とのトラブル事例まとめ

葬儀における葬儀社とのトラブルは実は少なくありません。葬儀のスタイルそのものが違うことはほぼないものの、「料金が説明と異なる」「頼んでいないサービスの料金を請求された」など、年間で数百件以上のトラブルの報告があるのが現状です。

今回は、葬儀社とのトラブル事例やその原因、対処方法などについて詳しく見ていきましょう。

葬儀での最も多いトラブルは高額な追加料金を請求されること

葬儀のサービス内容は、実際にはオプション扱いとされているものが非常に多く、葬儀のスタイルに関わらずそれがオプションなのかなどの確認が必要です。

事例

Aさんは父親が急死し、急いで葬儀を執り行う必要がありました。加えて、葬儀社にもツテはなく、街で見かけた大々的な広告を打っている葬儀社に依頼を行うことにしました。名前を見かけることもあったため、特に調査せずにすぐに連絡しています。

遺体の安置から一通りの手続きの案内を受け、一般的な葬儀の形ではなく、家族葬を行うことを葬儀社に伝えました。しかし、葬儀社は見積書を渡さずに、家族葬を取り行ったあとに請求金額を見てAさんは頭を抱えることになります。

家族葬の金額そのものは30万円程度でした。しかし、追加のオプション費用が70万円以上となり、結果として一般葬と同等ほどの費用が発生してことになります。

原因

この場合の問題点は以下の2つです。

  • よく確認をせずに葬儀社に依頼を行ったこと
  • 葬儀社から見積書をもらわなかったこと

時間がなかったとしても、葬儀におけるオプションは葬儀社任せにしてはなりません。どの程度の費用が発生するのか、葬儀を行う前に確認しておかなければオプションを上乗せされる可能性があります。

また、葬儀社が見積書を渡さなかった場合には、その葬儀社に依頼をしないという決断が必要でした。

対処法

テレビのCMや様々な媒体から、一定の葬儀社のイメージがある程度ついたとしても、連絡を行ったあとに、担当者がどのような対応を遺族や喪主に対して行うのかを見極めることで対処することが可能です。

例えば、追加料金の有無に関しては、葬儀を行う前に確認することが可能です。優良な葬儀社であれば、その金額をごまかすことはありません。また、金額に関してはオプションまで含めたうえで説明してくれる葬儀社も多いといえます。

見積書に関しては、担当者の対応によって大きく変わる部分もあるものの、実際には相談を行った段階で見せてくれる葬儀社が殆どです。そのため、見積書を提示できない担当者や葬儀社との契約は避けることをおすすめします。

追加の料金などに対しても具体的なイメージを話したうえで本当にそれが必要かどうか判断してくれる葬儀社を選びましょう。

葬儀を実施していなくても解約に高額な請求をされる

ここでは、葬儀を執り行っていないにも関わらず解約に高額の請求をされたケースについて事例を取り上げていきます。葬儀のために積み立てを行う互助会の解約トラブルもあるものの、ここでは葬儀そのものの契約解除について見ていきましょう。

事例

Bさんは、ある葬儀社と生前契約を交わしていました。生前契約は、亡くなる前に葬儀社と契約し、亡くなったあとの事務処理や一連の手続きを行えるというものです。金額としては、家族葬と同様のものもあり、契約から支払いまで悩むことも少ないといえるでしょう。

しかし、Bさんが契約した葬儀社の場合、契約の見直しができず、葬儀のスタイルの変更もままならない状態でした。そのため、葬儀のスタイルの違いから生前契約を破棄する旨を葬儀社に申し出ました。

Bさんが契約時に望んでいた葬儀のスタイルは契約時は一般葬であり、葬儀で全費用を合わせて150万円のものです。そして、契約内容には解約時にはその金額の半分を支払うことが明記されておりトラブルに発展。消費者生活センターや弁護士などへの相談に追われることとなりました。

原因

葬儀を行っていなくても、契約の解除に伴って解除料金を請求されるケースは少なくありません。これは、契約による約款に従ったものです。

例えば、以下のような内容は契約内容に記載されています。

  • 契約解除となった場合は、契約解除時にはその料金の半分を支払う
  • 葬儀のスタイルを変更する場合は、契約に基づいて一度解約しなければならない
  • 分割払いが可能かどうか

上記のうち、2つは明らかに契約者に不利な内容の契約内容であり、契約内容をよく読まなければ気付けないことも少なくありません。

対処法

葬儀の予約は、契約に基づくものであり、相談を行ったタイミングなどで契約内容をよく確認する必要があります。また、支払いが前提となることも多く、高額な費用が発生することが最初から分かっているパターンもあるといえるでしょう。

また、契約するタイミングで解約する場合を想定して以下の質問を葬儀社に聞いてみましょう。

  • 葬儀のスタイルは変更できるか
  • 解約する場合の料金の有無
  • 解約時の請求額は幾らになるのか
  • 見積書を見せてもらうことが可能か

葬儀は一般葬であれば、執り行う場合、数百万円単位となることも少なくありません。生前の契約であったとしても、その金額が大きく変わることはありません。

また、サービスの購入そのものは、契約行為に基づくものとなるため法律の専門家への相談や消費者生活センターに連絡を行いましょう。ちなみに、どうしても心配な場合はボイスレコーダーなどで録音しておくことをおすすめします。

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実際の葬儀で契約内容と違ったサービス内容だった

葬儀社と話し合い契約内容を確定したとしても、その内容通りにサービスが行われずトラブルとなることも少なくありません。加えて、想定通りの料金だったとしても、後悔の残る葬儀はトラブルとなることは誰にでも予想できるでしょう。

事例

Cさんは、ある葬儀社に葬儀を依頼し、葬儀の内容を確定しました。その段階では、特に不審な様子もなく、葬儀のスタイルも家族葬ということで決まっています。

しかし、本番になってみると不手際が非常に多く、派遣されたスタッフの段取りが悪く見るに堪えません。スムーズに葬儀が執り行えなかったばかりか頼んでいたサービスも実施してもらえませんでした。まだ料金は全て支払っていないものの、どうしても納得できない葬儀となってしまったといえます。

原因

この原因は、Cさんが相談する葬儀社を間違えたことが挙げられます。そして、最大の原因は葬儀社の対応と説明不足です。葬儀のスタイルに関わらず、サービス提供者であれば契約に沿ったサービスを提供する必要があります。

加えて、実施の段階で頼んでいたサービスが実行されないなどの大きなトラブルが発生していることも、葬儀社が葬儀に対して真摯な姿勢で向き合っていないことが原因だといえるでしょう。

対処法

見積書をもらった段階で一度冷静に考えることが対処法だといえます。今回の事例では、預金を全て支払っていないことに加えて、見積書の内容に沿っていないことが証明できるため、法律の専門家や消費者生活センターなどに相談することになるでしょう。

葬儀社が倒産していた

葬儀社のサービスそのものではなく、会社そのものが葬儀を行う段階になって倒産していたというケースもあります。

事例

Dさんは、生前予約を葬儀社と行っていました。しかし、

Dさんが亡くなる前に葬儀社が倒産していくことが発覚。加えて、契約内容を確認してみると互助会にも加入しておらず、見積金額の半分は支払った状態でした。

原因

この事例においては、葬儀社の経営状態の事前に確かめられなかったことが原因となっています。加えて、支払った葬儀の費用をある程度カバーしてくれる互助会にも加入していないことを確かめられなかったことが、トラブルにつながっているといえるでしょう。

対処法

葬儀社が倒産してしまった場合、基本的には取り戻す手段はありません。法的な措置を考慮しても返金される可能性は低いといえます。

そのため、契約の段階で倒産した場合どのような制度があるのか、互助会などには入っているのかなどをよく確認しておく必要があります。

葬儀社が勝手に葬儀を手配していた

これは、親戚と遺族の間ですれ違いがあったことや医療機関のすすめなどでバッティングしてしまったなどの事例が考えられます。

事例

Eさんは、以前から決めていた葬儀社に父親の葬儀を依頼しました。しかし、親戚は異なる葬儀社に依頼してしまい、結果としてバッティングしました。

結果として以前から決めていた葬儀社に依頼を行ったものの、親戚が頼んだ葬儀社に関してはキャンセル料を請求されるというトラブルに発展。そして、

Eさんと親戚のいざこざが今も解決していません。

原因

簡潔なトラブルの原因をいえば、葬儀社が決まっていることを周知できなかったことが挙げられます。予約のみであれば、どちらもキャンセルすることができるものの、料金が全くかからないことはほぼありません。

対処法

対処方法はいたってシンプルです。葬儀社が決まっているのであれば、参加する可能性のある親戚に事前に伝えておくことです。場合によっては、故人に遺言書などを事前に作ってもらうことも考える必要があります。

葬儀社の営業がしつこい

葬儀社におけるトラブルとして営業に関するものもあります。

事例

Fさんは、葬儀を行うためにある葬儀社に相談を行いました。見積書などに納得できなかったために断ったものの、非常にしつこい営業で同じ説明を何回も繰り返され疲弊するといったトラブルに見舞われました。

契約に関しては強い意志で何とか回避したものの、葬儀社に対して良いイメージを抱けなくなり、最初の希望だった一般葬ではなく別の葬儀社で家族葬を執り行いました。

原因

これは相談する葬儀社を間違ってしまったことが原因といえます。しかし、一般的に見かけるような葬儀社でも同じような対応をされることは少なくありません。

対処法

しつこい営業に対しては、断固とした態度で断って構いません。対面だけでなく、電話などであっても断る意思が必要です。加えて、何回も同じ説明を繰り返す場合は時間の無駄となるため、説明がループし始めたと感じた場合は断る準備をすることをおすすめします。

料金を支払っていなければ特に問題はないため、契約を迫る営業の言葉には気を付けましょう。

葬儀社とのトラブルを防ぐために

葬儀社とのトラブルは決して少なくはありません。そうした事情もふまえたうえで、どうやってトラブルを防げばいいのかを見ていきましょう。

葬儀プランをしっかり確認する

葬儀のプランに関しては、契約前の段階である程度把握できるため、その確認を怠らないことが重要です。また、優良な葬儀社であれば、依頼者のニーズに沿ったプランを提供してくれるため、そういった葬儀社を選びましょう。

葬儀費用の総額を見積書で出してもらう

契約の段階で、葬儀の総額を出すことは可能です。また、見積などでも追加のオプションも含めたうえでしっかりとした価格の説明を行う葬儀社もあります。葬儀費用に関しては必ず総額を出してもらうことを意識することがトラブルを防ぐためには重要です。

金額に関しては、非常にトラブルが多いため、見積書と請求書を照らし合わせて金額を確認する必要があります。

そして、不要なサービスが追加されていないかどうかをまずは確認するところからスタートしてみましょう。

複数の葬儀社の見積をとり比較する

葬儀を行わなければならない場合、複数の葬儀社と見積を行うことは体力を要します。そのため、早期の形式が既に決まっているのであれば、事前に相談を行っておくことでスムーズに見積をとることができるでしょう。

予約まで行うと料金が発生することもあるため、その点には注意が必要です。

家族に予め伝えておく

家族に伝えておくことは、以下の点を意識しましょう。

  • 葬儀社の名前と契約者の名前
  • 葬儀のスタイル
  • 葬儀の金額

また、家族だけでなく、親戚など呼ぶ可能性がある人々には伝えておく必要があります。医療機関などに関しても、故人の意志は既に家族に伝わっているため連絡を受けた段階で葬儀社に連絡することを伝えていれば問題はないでしょう。

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葬儀社とトラブルが起こってしまった場合に

葬儀社とトラブルが起きた場合には、ある程度対処法を知っておく必要があります。では、トラブルが起きたときの対処を法について詳しくふれていきます。

葬儀社に連絡(クレーム)

葬儀社は、あくまでサービス業であるため、まともなサービス会社であればクレームに対して謝罪を行うことが考えられます。

加えて、不必要なサービスなどで料金が跳ね上がっている場合などもまずは葬儀社と相談してみましょう。ここで、トラブルとなりやすい要因として、感情的な電話は避けることを推奨します。

クレームの電話だとしても、冷静に対処しなければその後の対処がさらにこじれることが予想されるためです。

最悪、法的措置へ

料金だけでなく、サービス内容などに対して憤りを感じる場合や対応に疑問を感じる場合などは、法律の専門家へ相談することをおすすめします。特に、料金を支払う前に相談できればベストだといえるでしょう。無料の相談なども行える場所もあるため、有効に活用することをおすすめします。

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