核家族化や少子高齢化の時代背景を受けて、直葬を選ぶ方も増えてきました。直葬はお通夜や告別式を省略して、火葬のみを行う形式の葬式のため、葬儀費用の負担を最小限に抑えられるというメリットもあります。
しかし、格安の葬儀と聞いたことはあっても、実際にどれぐらい安くなるのでしょうか? また、安い葬儀だけれどデメリットはないのか気になる方もいるでしょう。
この記事では、直葬の平均費用相場やメリット・デメリットについて解説します。これから、直葬で葬儀を行おうか迷われている方は、この記事を参考にしてみてください。
直葬を行う場合に、誰もが気になるのが費用相場ではないでしょうか? ここでは、直葬の費用相場について分かりやすく解説します。都道府県別の費用を紹介しているため、直葬の見積金額が妥当な金額なのかの参考にしてみてください。
直葬(火葬式)の全国平均相場は平均19万円となっています。直葬の葬儀費用の内訳は下記の通りです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
火葬料金 | 無料~10万円 |
お棺・骨壺料金 | 5万円 |
搬送料金 | 2~4万円 |
遺体保管料金 | 1~2万円 |
人件費 | 2~3万円 |
お布施 | 5~10万円 |
京都の直葬の平均費用相場は、約30万円です。全国の平均費用と比較すると高くなる理由は、東京23区は公営火葬場ではなく民営火葬場を利用することが多いからです。
民営火葬場はサービスが充実していますが、公営火葬場よりも料金が高くなってしまいます。しかし、土地代が高い東京都は火葬場が少ないため、公営火葬場は混んでいて民営火葬場を利用するしか方法がないケースも多々見受けられます。
地方で直葬を行う場合は、公営火葬場が利用できることが多いため、平均相場は20万円となります。東京都と比較すると安く済ませることができるでしょう。しかし、地方で葬儀を行う場合は、古くからの慣習や仕来りがあるかもしれません。そのため、葬儀社に確認を取ってみましょう。
葬儀費用の負担を最小限に抑えるためには、直葬を選ぶべきだと分かっていても、具体的にどれだけ費用を安く抑えられるのか明確に理解している方は少ないです。
また、どのような葬儀内容であるか把握しないまま、葬儀費用が安いという理由で、葬儀プランを選んでしまうと葬儀後に後悔してしまいます。このような事態を避けるためにも、直葬に関する知識を深めましょう。
葬儀には、一般葬や家族葬などさまざまな形式があります。それぞれの葬儀は、どのような葬儀で費用はどれぐらい掛かるのかをご紹介します。
形式 | 平均費用相場 | 内容 |
---|---|---|
一般葬 | 約180万円 | 一般の方々も呼ぶ昔ながらの大規模な葬儀 交流関係が広い方などから人気 |
家族葬 | 約100万円 | 家族だけで故人を偲ぶ小規模な葬儀 故人との別れをゆっくり過ごしたい方などから人気 |
一日葬 | 約50万円 | 一日で告別式と火葬まで行う葬儀 葬儀の時間を短縮したい方などから人気 |
直葬 | 約20万円 | お通夜や告別式を簡略して火葬だけを行う葬儀 経済的負担を減らしたい方などから人気 |
上記の比較表からも分かるように、直葬の費用が安いことは一目瞭然です。
直葬とは、お通夜や告別式などの儀式を省略して、自宅や病院からご遺体を火葬場に運び、火葬によって弔う葬儀をいいます。別名で密葬や火葬式と呼ばれることもあります。
納棺後に出棺して、お花を飾り、火葬炉の前で読経が行われて火葬が始まります。所有時間は1時間程度かかるため、火葬が無事に終わるまで、ご遺族の方は待合室で待機します。そして、火葬が終了したら遺骨を骨壺に納めるという流れが基本です。
直葬にはメリット・デメリットがあります。そのため、特徴を把握した上で葬儀の形式を選んでください。
直葬のメリットは、葬儀費用が約20万円前後と抑えられることです。一般的な葬儀は約180万円なので、160万円分の負担が軽減されます。直葬は、お通夜や告別式を行わない分、費用を安く抑えることができるのです。
また、直葬は親族や親しい友人のみを招いて行われることが多いですが、一般参列者の接待や連絡等をせずに済みます。そのため、一般参列者の対応の手間などを省きたいとお考えの方にも直葬は向いています。
菩提寺がある場合は、葬儀形式は相談するようにしましょう。菩提寺の理解が得られないまま、直葬を行ってしまうと先祖代々のお墓に納骨してもらえないかもしれません。そのため、必ず、菩提寺に直葬を希望している旨を伝えてください。
また、核家族化や高齢少子化の時代背景の影響を受けて、直葬を選ぶ方は増えていますが、昔ながらの慣習を大切にしている方からは、理解が得られにくいです。そのため、直葬を行う場合は勝手に決めるのではなくて、親族の意向などを確認して決めてください。
さらに、一般参列者の対応が省略できることがメリットですが、交友関係が広い故人だった場合は、葬儀後に弔問者の対応に追われてしまうこともあります。
直葬の費用は、他の形態の葬儀と比較しても格安であることは理解して頂けたと思います。しかし、さまざまな事情で経済的負担を少しでも減らしたいという方もいるでしょう。そのような方は安く抑えるためのポイントを押さえて、葬儀の手配をしてみてください。
親族の葬儀を事前予約をする人は少ないですが、生前整理を行う方が増えてきた関係で、ご自身の葬儀を生前に予約する方も増えています。このような時代背景から、葬儀社では「事前割」という割引サービスが開始されているので、少しでも、葬儀費用の負担を減らしたい方は葬儀の事前予約をしてみてください。
葬儀社に応じて、割引サービスの内容は異なってきますが、適用条件は申込から30日以上経過していることが条件となっていることが多いです。30日経過すると葬儀の費用から、割引されます。このような事前予約を有効活用すれば、予算内で満足いく葬儀が行えます。
直葬の費用を安く抑えるためには、複数の葬儀社を比較検討してみてください。比較することで、葬儀プランに含まれている内訳が把握できます。内訳を把握することで、理想の葬儀をあげることができます。
少ない知識で見積金額だけで依頼先の葬儀社を選んでしまい、要望を伝えたら予算を超えてしまうなど葬儀に関する消費トラブルは後を絶ちません。そのため、葬儀プランに含まれている内訳を確認して、追加費用が発生しないかを尋ねてみましょう。葬儀プランが安いに越したことはありませんが、本当に信頼における葬儀社か確認することも大切です。
大手葬儀社の直葬の費用は次の通りです。参考にしてみてください。
葬儀社 | 費用 |
---|---|
小さなお葬式 | 193,000円 |
シンプルなお葬式 | 148,000円 |
イオンのお葬式 | 198,000円 |
葬儀会館ティア | 216,000円 |
クレリ | 182,600円 |
セレモア | 196,000円 |
※大手葬儀社の直葬プランを比較
直葬のプランでも、必要咲いて最低限のみを揃えたプランから、枕飾りや自宅飾りなどの仏具が含まれたプラン、ご友人を招いて執り行うプランも用意されています。安い葬儀をあげても、後で後悔をしてしまう人も少なくありません。そのため、格安で満足度の高い直葬を行いたい方は、複数の葬儀プランが用意されている葬儀社に相談をしてみてください。
枕飾りとは、故人の枕元にお供えするために飾る台のことをいいます。宗教や宗派によって、供える物に違いがあるため、無宗教の場合は飾らないという選択肢もあります。実際に、直葬の必要最低限のプランでは、枕飾りや自宅飾りの仏具が含まれていないことが多いです。このような仏具を省略すれば、葬儀費用を少し安く抑えることができます。
火葬場は公営火葬場と民営火葬場があります。民営火葬場は、会場の質やサービスが充実していますが、公営火葬場と比較すると料金が上がってしまうため、葬儀費用を安く抑えたい方は、公営火葬場を利用してみてください。
公営火葬場の利用料金は、故人の住民票の住所が市内にあるか市外にあるかで変動します。市内か市外で、差額が火葬費用は3倍程度の差額が出ることもあるため、故人の住民票の住所の火葬場を利用するようにしましょう。
直葬の費用を安く抑えるためには、葬儀社を比較検討することが大事ですが、比較する際にはポイントがあります。ポイントを押さえて比較して依頼先を決めれば、直葬を行い後悔することもないでしょう。ここでは、見積もり時に葬儀社を比較する際のポイントについて解説します。
葬儀社の中には、残念ながら悪徳業者も存在します。悪徳業者に間違えて依頼をしてしまうと、葬儀終了後に高額な料金が請求されるなどの詐欺被害に巻き込まれてしまいます。このような被害に遭わないためにも、明瞭会計で見積金額の内訳についても丁寧に説明してくれる葬儀社を選ぶように心がけてください。
葬儀は人生の中で何度も行う機会がないため、どのような費用がかかるのか想像がつかない方もいます。そのため、見積書の内訳に目を通して、内訳項目で分からないことがあった場合は、必ず担当者に確認するようにしましょう。このように確認を怠らないようにすることで、葬儀費用のトラブルを未然に防ぐことができます。
故人のご遺族の意志で直葬を選ぶ場合は、それぞれ異なる要望が出てきます。葬儀は、故人との最期の時間を過ごし、故人を偲ぶ大切な儀式です。そのため、どのような葬儀を行いたいかは各人で異なるでしょう。
直葬は葬儀プランで執り行った方が、料金を安く抑えることができますが、理想の葬儀を行うために自由に組み合わせることもできます。理想の葬儀プランを担当者に組み立ててもらうほうが、結果的に高い満足が得られたという方も多いです。そのため、ご遺族の要望に耳を傾けてくれて、熱心に考えてくれる担当者かどうかで葬儀社を選ぶことをおすすめします。
見積金額が安くても、葬儀社のスタッフの対応が悪ければ、直葬を行った後に後悔してしまいかねません。実際に、国民生活センターには、サポートが手薄な葬儀社や悪質な葬儀社に関するトラブルの相談が増えています。
このようなトラブルを防ぐためにも、実際に、その葬儀社で直葬を行った方の口コミや、葬儀社の評判を確認してみましょう。近頃は、インターネットで検索をすれば、評判が良い葬儀社かどうか確認することができます。
国民生活センターには、葬儀のトラブルに関する相談が多く寄せられています。見積金額を上回る金額を請求されたり、葬儀当日に手厚いサポートが受けられないなどの被害が出ています。そのため、見積書に記載されている内訳を必ず確認して、追加費用がかからないかを必ず確認しておきましょう。
また、葬儀費用が安いに越したことはありませんが、それだけで葬儀社を選んでしまうと後悔につながることもあります。そのため、信頼における葬儀社かどうかも見極めてください。
直葬は葬儀の中では格安ですが、それでも経済的負担が大きくて支払えないという方もいるでしょう。そのような方は葬祭扶助制度が適用できるかもしれないため、検討してみてください。
葬祭扶助制度とは、生活保護を受けている経済的困窮者に対して、自治体が葬儀費用を支給するものです。この葬祭扶助制度については、生活保護法の第18条に定められており、葬儀を手配する人が葬儀費用を自分で賄えない場合に適用できます。
葬祭扶助制度で支給される金額は、最低限の葬儀費用です。一般的に直葬にかかる費用が支給されますが、読経なども基本的には行われず、火葬や納骨に必要なものだけとなります。
寝台車、ドライアイス、枕飾り一式、安置施設使用料、棺、仏衣一式、棺用布団、霊柩車、火葬料金、骨壺、花束、自宅飾り一式、白木位牌
葬祭扶助制度によって支給される金額は自治体によって異なりますが、一般的な基準額は次の通りです。
大人 | 子供 |
---|---|
206,000円以内 | 164,800円以内 |
葬祭扶助制度を利用する場合は、必ず葬儀を行う前に葬祭扶助制度の申請手続きを行わなければいけません。住所を管轄する福祉事務所に連絡を入れて、葬祭扶助の申請手続きを行います。この申請手続きをしないまま、葬儀を行ってしまうと支給されません。
葬祭扶助制度で支給される金額は、申請者の銀行口座に振り込まれるのではなく、葬儀社に直接振り込まれます。そのため、葬祭扶助制度に関する金銭のやり取りは何もありません。この2点を理解して上で申請手続きを必ず行うようにしましょう。
これまで、直葬の費用について解説をしてきて、実際に直葬で葬儀を行いたいと思っている方もいるのははないでしょうか? 直葬を行う前には、実際に直葬を行った人の意見を参考にすると良いです。そこで、ここでは、直葬を選ぶ際に良くある質問も確認しておきましょう。
プラン料金以外に追加費用がかからないとは一概には言えません。各葬儀社でプランに含まれている内容は異なります。そのため、プラン内容を確認してください。
一般的に、葬儀プランには、返礼品・飲食代・お布施は含まれていません。そのため、葬儀を行う際にはプラン料金以外にも料金はかかると認識しておいた方が予算内で収めることができるでしょう。
葬儀費用は、葬儀終了後に喪主が葬儀社に支払います。葬儀費用の支払期限は、葬儀社によっても異なりますが、一般的には1週間以内の支払いとなります。しかし、葬儀社の中には、葬儀終了後が支払いと定められていることもあるので、契約書を確認してみてください。
葬儀費用は、現金の他にも銀行振り込み・クレジットカード決済・コンビニエンスストア決済などの決済方法があります。分割払いもできるため、葬儀費用がすぐに用意できない場合は、分割払いを利用してみましょう。
葬儀終了後に葬儀費用を支払おうと思ったら、見積金額を上回る請求をされたなどの葬儀費用に関するトラブルが増えています。このような背景から、返金保証制度を設け始めた葬儀社も出てきています。
返金保証制度があれば、見積金額以上の請求になった場合、上回った分を返金してもらえます。そのため、葬儀費用の予算に上限がある場合は、返金保証制度がある葬儀社に相談をしてみてください。
葬儀のセットプラン内容を、自分の好きなようにカスタマイズすることはできません。本当に必要な物しか含めない葬儀プランにしたい場合は、個別見積となりますが、基本的にセットプランより安くなることは少ないです。そのため、少しでも格安の直葬を選びたい場合は、希望する内容が含まれているセットプランを選ぶことが大切です。
また、葬儀社の中には、事前割引などの割引サービスが用意されているため、病気などにかかり入院した場合、先々のことを考えてお葬式を予約しておけば、葬儀費用を安く抑えることができます。
広告などの葬儀費用を比較して判断しないことが大切となります。お客様一人一人に見積もられた金額ではない場合、実際の葬儀費用との差が出てしまう危険性があります。特に、葬儀社のセットプランには「必要な物が含まれている」「追加料金が一切かからない」と記載されていますが、必要か不要かの判断をお客様で行ったわけではありません。お客様によって、葬儀で必要な物や規模は大きく変わってきます。
また、葬儀費用だけではなく、料理や返礼品、お布施など葬儀にかかる費用は他にもあります。これらを含めて予算立てをしなければ、予算内で葬儀を行うことはできません。しかし、葬儀を行う機会は頻繁に何度もあるものではありません。
そのため、予算が心配なときは率直に葬儀社にその旨を打ち明けましょう。信頼のおける葬儀社であれば、お客様の要望に沿った葬儀プランを予算内で組み込んでくれるはずです。
市役所の火葬許可証の申請手続きなど、初めて行う方は不安を感じてしまうものでしょう。大切な故人との突然の別れのため、手続きまで手が回らないという方もいるはずです。このような場合は、葬儀社に相談をしてみてください。追加費用になってしまうかもしれませんが、市役所の申請手続きを代行することもできます。申請手続きに慣れている葬儀社に依頼すれば、安心できるはずです。
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