家族葬の流れ

家族葬の受付はなにをすればいい?

家族葬の受付係は、どのような仕事をするのでしょうか? 実際に、受付係の仕事を依頼された場合、当日の流れやマナーを知っておかなければ、ご遺族に恥をかかせてしまうことになります。葬儀の受付係は、葬儀の総合案内の役割を担うからです。そのため、受付係に関して理解を深めておきましょう。

ここでは、家族葬の受付係の仕事内容やマナーについて分かりやすく解説します。家族葬の受付係の担当になった方は、この記事を参考にしてみてください。

家族葬の受付係の仕事内容

家族葬の受付係の仕事内容は、主に次の4つの業務があります。

香典の受け取り業務

まず、香典の受け取り業務があります。参列者の方が香典を持参してくれた場合は「恐れ入ります」「ありがとうございます」と挨拶をして、両手で受け取るようにしましょう。

後日、香典返しをするためにも、香典袋に名前が記載されているかどうかを確認します。もし、記載されていない場合は、筆記用具をお渡しして記載してもらってください。

また、大切なお金を預かるため、お手洗いなどで受付の場を離れるときは、他の方に管理を預けるか貴重品として保管しておきましょう。人の目に触れるところに放置しないようにしてください。

芳名録の記帳管理業務

二つ目の仕事として、芳名録の記帳管理業務があります。参列者の方に芳名録の記帳をしてもらいます。氏名や住所は、後日、御礼をするために必要な情報となります。そのため、必ず記載してもらうようにしましょう。

参列者の中には、代理で出席している方もいます。そのような方に対しては、正しい記帳方法を知らせてあげることも受付係の大切な仕事です。

参列者への挨拶業務

三つ目の仕事として、挨拶業務もあります。参列者が続々と受付へ入ってくるため「ありがとうございます」「本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます」という挨拶と共に迎え入れます。受付時の挨拶では、重ね言葉は使用してはいけません。そのため、言葉遣いには注意してください。

葬儀会場の案内業務

四つ目の仕事として、葬儀会場の案内業務をあります。お焼香は弔問者の頃合いを見て、ご案内があります。また、弔問者から化粧室や駐車場の場所を尋ねられることも多いので、ご案内できるようにしましょう。

葬儀の規模によっては、受付係が式場の案内係も兼務しなければいけないこともあります。その場合は「式場・控室はあちらです」とお声掛けをして誘導します。

家族葬の受付係の当日の流れ

家族葬の受付係を頼まれたら、葬儀当日はどのように過ごすべきなのでしょうか? ここでは、家族葬の受付係の当日の流れをご紹介します。

打ち合わせに参加する

葬儀当日に行われる打ち合わせに参加をしましょう。どれぐらいの参列者が来るのか、開始時刻と終了時刻の確認などを行います。また、参列者の方に葬儀会場やお手洗いの場所を尋ねられることもあるため、会場についても把握しておかなければいけません。

また、受付時に会葬御礼品を手渡す場合、スムーズに受付ができるようにレイアウトを考えておかなければいけません。少しでも不安なことがある場合は、打ち合わせ時に確認しておくようにしましょう。

30分前に受付窓口に立つ

葬儀が開始される30分前には受付窓口に立っておきます。スムーズな受付や案内が行えるように、受付窓口に必要な道具が揃っているか確認してください。

[必要な道具]

芳名録・筆記用具・御香典のお盆・名刺受け・会葬御礼品・香典返し(即日返しの場合)

弔問客へ挨拶をする

葬儀に参列してくださった方に「本日はお忙しい中お越しいただき、誠にありがとうございます」と御礼を述べます。

芳名録への記入をお願いする

「恐れ入りますが、ご住所とお名前、電話番号の記入をお願い致します」と芳名録への記入をお願いします。それぞれに抜け落ちがないかを確認します。また、参列者の中には代理で出席している方もいるため、そのような場合は、誰の代理なのかを記載してもらわなければいけません。

香典を受け取る

葬儀で香典を差し出されたら「ありがとうございます。お預かりいたします」と伝えて、会釈しながら両手で受け取ります。香典を受け取った後は、香典袋と芳名録に同じ番号を振り分けます。このような番号を振っておくことで、香典返しの手続きが楽になるのです。

また、家族葬などの場合は、香典を辞退することも多いです。そのような場合は「誠に勝手ながら、故人の遺志によって、香典辞退しております」と伝えます。

会葬御礼品を渡す

香典を受けとった後に、葬儀に参列してくださった御礼として、会葬返礼品を渡します。また、香典返しを即日返しで渡す場合は、合わせて香典返しを渡します。荷物が多くなる場合もあるので、参列者が帰宅する際に渡すケースも多いです。そのため、当日の打ち合わせで流れを確認してください。

会場案内をする

「葬儀会場はあちらになります」と案内します。参列者が高齢者の方の場合は、ドアを開いて案内してあげると親切です。

香典の確認をする

葬儀が終了したら、参列者から頂いた香典を開けて金額を確認します。この作業を「香典開き」といいます。香典の金額を確認した後は、誰からいくら頂いたのかメモします。香典開きは、誰に香典返しを送らなければいけないのかを確認する大切な作業です。

香典開きは、芳名録と香典袋をもとに行います。名前、住所、電話番号、香典の金額を照らし合わせて、確認する作業です。

家族葬の受付を行う際に必要な道具

家族葬の受付を行う際に、準備しなければいけない道具は次の通りです。それぞれの意味を把握しておきながら、道具の準備を進めてください。

芳名録

芳名録とは、葬儀に参列してくださった方に氏名と住所を記入してもらうための冊子のことをいいます。参列者が多い場合は、芳名録を数冊準備しておきましょう。複数冊を準備しておくことで、参列者を記帳で待たせる心配がなくなります。

また、芳名録に書くスペースがなくなったというようなトラブルを防止にもつなげられます。

筆記用具

筆記用具は、黒のボールペン以外にもサインペン、筆ペンなどがあれば用意しておきます。この際に、必ずインクが出るかどうかを確認しておきましょう。

名刺受け

故人様の会社関係者が葬儀に参列をする場合は、自分の身分を明かすために名刺を渡してきます。後日、会社関係者の方に香典返しをする際に、名刺は大切な情報となるため、必ず名刺受けを用意しておいてください。

会葬御礼品

葬儀に参列してくださった方に感謝の気持ちを込めて渡すものです。会葬御礼品は、会場で手渡しする機会が増えてきました。

香典返し

香典は、葬儀が落ち着いた後に送るのが一般的ですが、葬儀の当日にお返しすること(当日返し)もあります。そのため、打ち合わせで香典返しを手渡す必要があるかどうかも確認しておきましょう。

家族葬の受付係の仕事を行う際の注意点

家族葬の受付係の仕事についてご理解をして頂けたと思います。しかし、実際に受付係をする際は、どのようなことに注意しなければいけないのでしょうか? ここでは、家族葬の受付係の仕事を行う際の注意点をご紹介します。

葬儀全体の流れを把握しておく

葬儀の受付係の仕事は、地域や形式によって多少の違いはありますが、大まかな流れは基本的に同じです。しかし、任される仕事は多岐に渡り、参列者から現金を預かる大切な仕事もなります。

たくさんの参列者に対応に追われてしまうと、慌ててしまうこともあるでしょう。そのため、どのような質問をされても困らないように、葬儀全体の流れを把握してください。

参列者には丁寧な対応をする

葬儀の受付係は、総合窓口のような役割を持っています。そのため、丁寧な言葉遣いでの挨拶や声掛けを意識しなければいけません。また、受付時は立ち居振る舞いも意識してください。携帯電話は電源を切るか、マナーモードにしておくことをわきまえて、会話のトーンや内容に注意してください。

また、葬儀会場やお手洗いの場所、開始時刻など質問されることが多いです。このような質問にスムーズに回答できるように、事前に確認しておきましょう。

身だしなみを整えておく

葬儀の受付係をする場合は、男性も女性も喪服を着用します。男性の場合は、上下黒のブラックスーツを着用します。靴や鞄なども黒色を選びますが、エナメルのような光沢が入ったものはNGです。

女性の場合は、肌の露出が少ない黒色のワンピースを着用します。メイクは薄めにして、ロングヘアであれば、まとめ髪にします。何度も会釈をするため、前髪もスッキリとまとめておきましょう。また、ネイルをしている女性は剥がしておきましょう。

葬儀の受付係の仕事を誰に依頼するべきか

これまで、葬儀の受付係の仕事内容を説明してきました。葬儀の喪主を務める方は、誰に受付係を依頼すれば良いのか悩んでしまうこともあるでしょう。ここでは、葬儀の受付係の仕事を誰に依頼すべきかについて解説します。

基本的に誰でも良い

受付は誰がするものという決まりはありません。喪主の友人や会社関係者、近所の方、従妹や少し遠い親戚に依頼するケースが多いです。葬儀の規模にもよりますが、記帳担当者・香典担当者・案内担当者と最低3名は必要です。

直系親族は葬儀の参列を優先する

受付は誰がしなければいけないという決まりはありませんが、故人と関係が近い直系親族は、葬儀の参列を優先します。そのため、故人と関係性が近しい方に受付は依頼しません。

孫が受付を担当するケースは多い

受付担当者の手伝いを孫に依頼するケースは多いです。ご遺族を代表して対応するため、礼儀作法の面で心配がないような場合は、孫が受付を担当することもあります。実際に、参列者の香典を管理するため、身内で血縁が遠い人に受付を担当するケースが多く、孫に依頼するという方も多いです。

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