家族葬の流れ

家族葬の食事はどうすればいい?

家族葬の食事はどうすればいい?

葬儀で用意する食事として、「通夜振る舞い」と「精進落とし」がありますが、これらの食事の意味をご存知ですか? シッカリと覚えておくと、適切な方法で家族葬を執り行うことができるでしょう。

また、家族葬を執り行う際は、一般的な葬儀と食事の仕方が異なることもあります。これらの特徴や違いを正しく理解しておくことで、安心して葬儀当日を迎えられることができるでしょう。ここでは、家族葬の場合の食事方法について分かりやすく解説します。これから家族葬を執り行う予定の方は、この記事を参考にしてみてください。

葬儀で用意する食事の意味

葬儀や法要の場合では食事が用意されますが、これらの食事には、どのような意味があるのでしょうか? ここでは、各食事の由来や意味について解説します。

通夜振る舞い

通夜振る舞いとは、お通夜が終わったところで、参列者に食事や飲み物を提供し、故人を偲ぶ場のことをいいます。

医療技術が不十分だった時代は、ご臨終を迎えたと思われた方が生き返ることもあったようで、亡くなったことを確認するために必要な時間とされていました。急に故人が生き返ることに対する恐怖心を和らげるために、お酒や御馳走を用意していました。

現在では、医師による死亡通知がされるため、従来のような目的は薄れてきていますが、故人との思い出を語り合い、冥福を祈る場となっています。また、急なお通夜に駆けつけてくれた参列者に対して、感謝の気持ちを伝える目的もあります。

精進落とし

初七日の法要は、遠方から集まってくれる親族などの負担も考慮して、火葬当日に一緒に行われることが多いです。そのため、初七日の法要が済んだところで、精進落としの食事をします。

従来、初七日の間には、精進料理を食べたという習慣から精進落としは誕生して、忌明けの食事という意味も持っています。

精進落としは、読経をしてくれた葬儀や関係者を労う宴席の場です。そのため、僧侶が最上座になり、喪主やご遺族は下座です。僧侶が多忙で、精進落としに参加できない場合は、お膳料を渡すなどして配慮します。

家族葬の場合の食事

通夜振る舞いや精進落としの意味は理解していただけたと思いますが、家族葬を執り行う場合は、どのように用意をすれば良いのでしょうか? ここでは、家族葬の場合の食事の準備方法について分かりやすく解説します。

通夜振る舞い

急なお通夜にも関わらず参列してくださった方に対して、感謝の気持ちを込めて通夜振る舞いを提供します。この通夜振る舞いにかける費用は、1人当たり3,000円程度が目安です。

家族葬のような小規模な葬儀であれば、ご家庭で料理を用意することもあります。通夜振る舞いのお酒にもお清めの意味が込められているため、料理と合わせて用意してください。このお酒の種類には、明確な決まりはありません。そのため、参列者の好みに合わせて用意してみましょう。

また、お通夜は突然の出来事なので、遠方の方は参列できないこともあります。おおよその人数は把握できるものの、具体的な人数は把握できません。そのため、寿司やサンドイッチ、オードブルなど急な人数変化にも対応できるものを用意します。

精進落とし

精進落としは、初七日法要や火葬の後、僧侶やお世話になった方に振る舞う食事のことをいいます。葬儀の場合は、お通夜と異なり、参列人数が把握できるため、個別のお膳で料理を振る舞うのが一般的です。

ご遺族が参列者に感謝する立場となるため、宴が開かれたら、ご遺族は一人一人に酌などをしながら、御礼を述べて回ります。1時間程度を目途にして、挨拶に立ち、お開きとなります。

家族葬の場合は食事を省略できる

通夜振る舞いと精進落としを行う意味はありますが、親族や友人だけで行う小規模な家族葬の場合は、これらを省略することができます。形式的なお膳を用意するではなく、お店で販売されているお弁当を購入したり、近くのレストランへ食べに行くなどの様々な方法があります。

家族葬の食事で話す喪主の挨拶

葬儀で「通夜振る舞い」「精進落とし」の準備をする必要性は理解して頂けたと思いますが、それぞれに開式・閉式があります。そのため、喪主は挨拶をしなければいけません。喪主になった場合は、どのような挨拶をするべきなのでしょうか? ここでは、家族葬の食事で話す喪主の挨拶をご紹介します。

通夜振る舞い

通夜振る舞いの開式や閉式では、参列者の方への感謝の気持ちや通夜振る舞いの感想を述べます。また、翌日に行われる葬儀の案内を忘れずにしてください。

開式の挨拶

本日はお忙しい中、父〇〇〇〇のお通夜にご参列いただきまして、誠にありがとうございます。

父は、昨年の12月より病気療養中でしたが、看病のかいなく、昨日午後9時眠るように息を引き取りました。享年82歳でした。約3年に渡る闘病生活でしたが、父らしく最後まで穏やかに過ごしておりました。

闘病中皆さまからお受けした温かいお心遣いは、しっかりと父に届いておりました。故人に代わりまして心より感謝申しあげます。

こちらに、気持ちばかりですが、お食事の場を用意させていただきました。お時間の許す皆様は、一緒に召し上がりながら、父を偲んでいただければと思います。本日は誠にありがとうございました。

閉式の挨拶

皆様、本日はご多忙の中、父のお通夜にご参列くださいまして、誠にありがとうございました。皆様のおかげをもちまして、滞りなくお通夜を済ませることができました。

私たち親族も知らなかった父の意外が一面や、思い出の話をこの機会で伺うことができました。皆様に大変良くして頂いたことに感謝申し上げます。生憎、夜も更けてまいりました。本日は、ここでお開きとさせていただきます。

なお、明日の葬儀・告別式は午前11時より、こちらの斎場を予定しておりますので、お時間が許すようでしたら、お見送り頂きたく存じます。どうぞ、足元にお気を付けてお引き取りください。本日は、誠にありがとうございました。

精進落とし

精進落としは、葬儀が滞りなく終わったことに対するお礼などを述べて、献杯を行い食事をします。

開式の挨拶

皆様、本日は葬儀に参列して頂きまして、誠にありがとうございました。お蔭を持ちまして、故〇〇〇〇の葬儀、告別式も滞りなく終えることができました。改めて、御礼をお申し上げます。

皆様、さぞかしお疲れのことと存じますので、誠にささやかでは御座いますが、皆さまの感謝と慰労を兼ねまして、席をご用意しました。故人の思い出などをお聞かせいただきながら、ゆっくりとお召し上がり頂きたいと存じます。

閉式の挨拶

皆様、本日はお忙しい中、ありがとうございました。皆様にお見送りしていただき、故人もさぞかし喜んでいると思います。

もっと故人との思い出話をお伺いしたいところですが、皆様もお疲れのことと思いますので、この辺で終了させていただきたいと存じます。十分なおもてなしもできず、申し訳ありませんでした。本日は誠にありがとうございました。

家族葬ならではの食事

家族葬は故人様との最期の時間をゆっくり過ごし、故人様を偲びたいという想いから、オリジナルプランが選ばれることが多いです。そのため、食事などにも工夫がされます。

故人が好きだったレストランで食事をする

精進落としの代わりに、家族で良く食事に行った思い出深いレストランで食事をするケースも多いです。故人が生前好きだった食事を食べながら「あんなことがあったよね」と思い出話に花を咲かせれば、故人様も喜んでくれるはずです。

故人が好きだった料理を用意する

手の込んだ料理ではなくても、故人が好きだった家庭料理を作るというのも一つの方法です。思い出が詰まった家庭料理を精進落としに用意するという方法は、一番の供養になるかもしれません。

参列者が料理を持ち寄る

葬儀は故人の供養のためのものであるため、故人が好きだった食べ物を持ち寄るのもおすすめです。精進落としを用意する場合、1人当たり3,000円もかかり、喪主の負担になりがちです。このような負担を少しでも和らげるために、参列者が料理を持ち寄るということも良くある形式です。

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最近では一日葬や直葬など、「できるだけ簡素に見送りたい」というご要望を特に多くいただきます。
しかし、「予算を抑えたい」「故人の遺志だから」という理由だけで深く考えずに決めてしまうと、思わぬトラブルが発生し、後悔や心労の残るお別れになりかねません。

葬儀の規模や内容の決定にあたっては、
故人様の遺志のみならず、ご親族の意向や、故人様の交友関係、菩提寺とのお付き合いなど、
様々な観点からじっくりと検討する必要があります。

私共「葬儀コンシェル」は、頂いたご質問・ご要望に的確にお答えするのはもちろんのこと、
お客様を取り巻く様々な状況・ご要望を整理しながら、最適なお別れの形を提案させていただきます。

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