近年は「終活」という言葉が広く浸透しており、自分の亡き後に備えて様々な手続きを済ませるという人が多くなっています。
その中でも生前整理については最も重要なポイントの一つ。従来の遺品整理では残された家族に多くの負担を強いてしまうので、身の回りの整理を自分の生きているうちに、と考える人も多いのではないでしょうか。家族のことを考えるのは大変悦ばしいことだと思います。
この記事では、生前整理についてのポイントを総合的に解説しています。ぜひ参考にして、無理なく生前整理を進めていきましょう。
生前整理とは、自分が亡くなった後の遺品整理や相続問題で家族が困らないように身辺整理しておくことをいいます。生前の遺品の山を片付けることは、肉体的にも精神的にも負担が大きいものです。実際に、遺品整理に携わった経験がある人は「2度と体験をしたくない」と答えます。そのため自分が亡くなり、残された家族に迷惑をかけないためにも、物を減らしたり、物の行先を決めておく人が増えました。
事故や災害によって急に命を落とす可能性もあるため、高齢者だけではなく、20代・30代という若い世代でも生前整理をする人も増えてきています。生前整理は、本当に必要なものだけに囲まれたシンプルな暮らしを送ることができるという理由から、若い世代でも人気を集めているようです。
方法 | 誰が | 誰のために | 理由 |
---|---|---|---|
生前整理 | 本人 | 遺族 | 財産問題や相続トラブルを起こさないようにするためと遺品整理の手間を家族にかけさせないようにするために行う。 |
老前整理 | 本人 | 本人 | 本当に必要なものだけにまとめて、より豊かでシンプルな老後を暮らすために行う。 |
遺品整理 | 遺族 | 遺族 | 故人の遺品を整理するために行う。 |
2013年には、一般社団法人生前整理普及協会が設立されて、生前整理認定指導員などの専門家が誕生。現在は、生前整理の専門業者も誕生しています。これらの業者に相談をすると、生前整理をサポートしてくれるため、検討している方は相談をしてみて下さい。
遺品整理は遺族に多大な負担をかけるもの。生前整理には、こうした遺族への負担を減らすほか、本当に必要なものだけで生活できるようになるという利点がある。
現在は生前整理を専門とする業者もあり、整理に関してサポートを受けることができる。
生前整理を行うメリットは次のようなことが挙げられます。
生前整理をしておくと、現在の自分の財産状況を確認することができます。それによって、誰に相続をどの程度、分配すればいいのかを決定しやすくなるのです。そのため、遺言書が作成しやすくなります。遺言書は、家族が相続問題のトラブルを起こさないための対策方法として1番有効です。また、自分の財産状況を把握することによって、残された老後をどのように生きるかの資金計画も立てやすくなります。
身の回りの荷物を整理しておくことで、自分の死後に、ご家族がやらなければいけない遺品整理の負担を減らすことができます。荷物が山のようにある部屋の遺品整理は、非常に大変なものです。実際に、遺品整理に携わった経験がある人は「2度と経験したくない」と口を揃えて回答します。そのため、自分の死後に、遺品整理など家族に負担をかけさせたくないと考えている方が生前整理を行っています。
生前整理をすることで、自分のそれまでの人生を振り返ることができます。過去を振り返り過ぎる行為は良くありませんが、今後どのように生活していくかを考える機会になるでしょう。また、身の回りをスッキリとさせて生活をスタートすることができるため、本当に必要な物だけに囲まれたシンプルで快適な暮らしを送ることができます。さらには、生前整理をすると財産状況も把握することができるため、ライフスタイルの計画にも役立ちます。
生前整理をしたいけれど、自分自身では片づけができない方や、体力的に生前整理が難しそうと感じる方は生前整理代行業者を利用してみて下さい。生前整理の料金相場は、部屋の間取りによって変動します。地域や業者によって、多少の差異はありますが、部屋の間取り別の生前整理の相場を参考にしてみて下さい。
部屋の間取り | 金額 |
---|---|
1K・1DK | 40,000~ |
1LDK | 70,000~ |
2DK | 90,000~ |
2LDK | 120,000~ |
3DK | 150,000~ |
3LDK | 180,000~ |
4LDK | 220,000~ |
生前整理代行業者に依頼する際に、一番高い費用は、不用品を運ぶためのトラック費用と不用品の処分費用です。そのため、大型の家具などが無い場合は、部屋が広くても生前整理にかかる費用は少なくなる傾向があります。現地での見積時に、明瞭の見積書を提示してくれる業者であれば、内訳が記載されているため、内訳はシッカリと確認しておきましょう。
生前整理は、プライバシーを公開する作業になるため、丁寧に親切に対応してくれる業者を選ぶことが大切です。ここでは、生前整理代行業者に依頼する際の失敗しないためのポイントをご紹介します。
納得した生前整理をするためには、現地確認後の見積書を取ることは欠かすことができません。ホームページなどで生前整理の料金が掲載されていることがありますが、部屋の荷物の量によって、料金は大きく変動します。そのため、ホームページに掲載されている料金相場を信用するのではなくて、実際にいくらの費用がかかるのか確認して下さい。
金額は、業者によっても変動します。そのため、1社から見積書を取るのではなくて、複数の業者に見積書を取得しましょう。相見積もりをすることで、相場以上に高い業者に依頼する恐れはなくなります。
また、見積もりの依頼はホームページやLINEなどからすることも可能です。しかし、できる限り、電話でお問い合わせをするようにしましょう。電話で直接話すことによって、顧客に対する態度や姿勢を確認することができます。誠意ある態度を示してくれる業者かどうかを見極めて下さい。
生前整理代行業者の中には「遺品整理士」の有資格者が常駐している業者があります。遺品整理士は正しい遺品処分の仕方の知識はもちろん、整理する人の気持ちに寄り添うような片付けをする技術があります。生前整理は通常の片づけとは意味合いが異なるのです。そのため、事務的に片付けを行う業者に依頼するのではなくて、自分の家族への想いを大切にしてくれる遺品整理士がいる業者に依頼することをオススメします。
家庭から出た不用品を処分することを仕事にするためには、自治体から以下の許可を得なければいけません。生前整理代行業者に依頼する際は、自治体や公安委員会から許可を取得して営業しているかどうかも必ず確認して下さい。ここで確認すべき「許可」は、以下のようなものです。
見積書の料金の内訳が明瞭に記載されている業者を選ぶことも大切です。曖昧な料金設定で、依頼側が良く分からないようにオプション料金を記載している業者は、平均的な相場より上回ってしまうことがあります。健全な営業をしている代行業者であれば、依頼主が分からない項目の内訳費用は記載しません。もし、見積書の内訳で不明なことがある場合は、業者に質問しましょう。そして、分かりやすく丁寧に教えてくれる代行業者を選ぶようにして下さい。
生前整理代行業者をネットに掲載している情報だけで、選択するのは危険です。生前整理にかかる費用面も考慮することは大切ですが、電話対応の様子や現地確認時の様子、その業者を使用した人からの評判などを含めて、総合的に業者を選ぶようにしましょう。業者の担当者との相性もあると思うので「この業者であれば、安心して生前整理を任せることができる」と納得できるような業者を選んでみましょう。
生前整理代行業者に依頼すると費用がかかるため、時間をかけて自分で荷物を整理しようと考える人もいます。そのような場合は、次の点に注意をして下さい。
生前整理をするということは、自分に訪れてくる死と向き合う行為になります。そのため、自分の死後のことを考えてしまい、暗い気持ちになることもあるでしょう。 しかし、生前整理を行えば、残された家族の遺品整理の負担が少なくなり、自分も荷物が減って快適な老後の生活を送ることができるのです。そのため、自分で生前整理をする際は、前向きな気持ちで楽しく行いましょう。
「生前整理は年を重ねてから行うもの」という考えを持つ人が多くて、60代・70代・80代の方が多いです。しかし、時が経過するにつれて、部屋には荷物が増えていき、その荷物を整理する体力は日に日に衰えていきます。そのため、自分で生前整理をする場合は、体力がある内に早い段階で行うことが大切です。「生前整理をしよう」と思いついたら、時間をかけてでも良いので、少しずつ進めていきましょう。
生前整理を行う上で大切なことは、一度にすべての持ち物を整理しようと考えないことが大切です。処分する物・利用する物・譲渡する物に仕分けていけば、時間がかかるのは当然なことです。また、早く終わらせたいという理由で深く考えずに物を捨ててしまうと、生前整理を終えてから後悔することになりません。そのため、丁寧に作業することが大切です。一気に作業をしようとするとご自身の負担になるでしょう。部屋ごとや用途ごとに分けて、ジックリ時間をかけて仕分けをして、焦らずに丁寧に進めていくようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。今回は生前整理の費用についてのお話をしました。
最後の別れは突然訪れるもので、その瞬間は誰にも予測できません。いざその時がやってきて、残ったものは大量の遺品の山……となると、残された遺族の負担は計り知れません。
こういったことを避けるためにも、自分の身の回りにあるモノについて考えてみる、ということから始めてみてはいかがでしょうか。
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