1つの位牌に夫婦の戒名を入れたものを夫婦位牌と呼びます。本来は、1つの位牌に対して一人の方の戒名を入れるのが一般的ですが、夫婦連名にすることで寄り添っている印象を与えることができます。
夫婦位牌は、夫婦が仲睦まじいという印象を与えることができるため、生まれ変わっても一緒になりたいなどと想いを込めたものを作成したい方から人気を集めています。
また、お仏壇の中の位牌の本数を減らせます。近頃は小さな仏壇を選ぶ方も増えてきているため、位牌の本数を減らすためにも、スタイルを選ぶ方も増えています。 位牌は種類によって異なりますが、1万円~5万円程度。
仮に5万円で購入する場合は、各人の位牌を用意する場合は10万円となりますが、夫婦位牌の場合は5万円で済みます。このように費用を安く抑えられるという点が大きなメリットです。 しかし、場合によっては、二本用意する場合と同等の金額やそれ以上の金額を請求されることもあるので注意してください。
大抵の場合は、夫婦が一緒に亡くなることはないでしょう。片方が先に亡くなり、その後に片方がお亡くなりになるのが一般的です。そのため、夫婦位牌にする場合は、後から片方の戒名を入れなければいけません。
戒名を入れる場合は依頼をすれば簡単にできるものではなく、魂抜きをしてから戒名を彫ることになります。魂抜きをしてもらう場合にお寺にお布施を支払わなければいけないため、場合によっては、2本の位牌を購入するよりも高い価格になってしまう可能性もあります。
夫婦位牌は、仲睦まじい夫婦を表現することができます。また、2人で1本の位牌を使用するので位牌費用を安く抑えることができます。
夫婦位牌は、2名分の戒名の文字を彫るため、通常の2倍の文字数が彫られます。そのため、一般的な大きさだと2名分の戒名の文字を彫ることは難しいでしょう。最大4行の文字を彫ることになるため、細見タイプはおすすめしません。 夫婦位牌に適切な大きさの目安としては、4,0寸以上が望ましいです。1寸が3cmとなるため、4寸だと約12cm程度になります。通常のものよりも大きめのサイズを選ぶようにしましょう。
夫婦位牌は、通常の位牌とは異なります。通常の2倍の文字数が彫られるため、4.0寸以上の位牌が必要になります。
夫婦が同時に亡くなることは稀ですが、夫婦位牌はいつ用意すれば良いのでしょうか?ここでは、用意するタイミングについて解説します。位牌は依頼をしてから、手元に届くまでに2週間程度の期間を要します。そのため、事前に法要の日付を確認しておき、法要に間に合うように依頼しておきましょう。
初めから夫婦位牌を用意する方法が1つ目の方法です。先に亡くなられた方の戒名等を彫るため、隣のスペースは空欄となります。そのような位牌は、残されたもう一人が亡くなることを待っているように感じさせるため、縁起が悪いと考える方もいます。
もう一人が亡くなられた際は業者に依頼しますが、魂抜きを行わなければいけません。このような手間をかけたくないという方は、あらかじめ用意しておく方法はおすすめできません。
2つ目の方法が、夫婦双方が亡くなった段階で、夫婦位牌を用意する方法です。このような場合は、夫婦どちらかの戒名を先に彫る必要はないため、先述したような問題は回避できます。
位牌を用意するタイミングは、事前に用意する方法と夫婦双方が亡くなった段階で用意する方法の2通りがあります。
戒名がある場合の位牌のレイアウトは次の通りです。表面は4行にする「2人用パターン」のレイアウトが一番多いです。また、ご先祖様も夫婦位牌にしている場合は、同じような形式で彫ることをおすすめします。
表面 | 裏面 | |
---|---|---|
パターン1 | 平成二十九年十一月十二日 位牌安心技術居士位 位牌安心技術大姉位 平成二十七年五月二十日 | 行年 九十四歳 俗名 山田太郎 山田花子 行年 七十七歳 |
パターン2 | 平成二十九年十一月十二日 位牌安心技術居士位 位牌安心技術大姉位 平成二十七年五月二十日 | 俗名 山田太郎 行年九十四歳 山田花子 行年七十七歳 |
パターン3 | 位牌安心技術居士位 位牌安心技術大姉位 | 行年 九十四歳 俗名 山田太郎 山田花子 行年 七十七歳 |
パターン4 | 位牌安心技術居士位 位牌安心技術大姉位 | 平成二十九年十一月十二日 俗名 山田太郎 行年九十四歳 平成二十七年五月二十日 俗名 山田花子 行年七十七歳 |
戒名がなく俗名のみの夫婦位牌のレイアウトは次の通りです。俗名の下には「●●●●之霊位」という文字が入ります。「之霊位」は戒名がない場合、霊位と入れる事で戒名を授かる事と同じ意味をなすと言われています。また表面に亡くなった没年月日を持ってきて4行にすることもできますが、裏面が没年齢のみで寂しくなるのであまりそのようなレイアウトにすることはありません。
表面 | 裏面 | |
---|---|---|
パターン1 | 山田太郎之霊位 山田花子之霊位 | 平成二十九年十一月十二日 行年九十四歳 平成二十七年五月二十日 行年七十七歳 |
夫婦位牌のレイアウトの場合は、表面の両面で「男性:右側」「女性:左側」になる形が一般的なレイアウトとなります。真裏逆型となるレイアウトもありますが稀です。ご先祖様が夫婦位牌を作成している場合は、ご先祖様たちと同じような形式で位牌を作成するようにしましょう。
夫婦位牌のレイアウトは、右から男性・女性と並びます。ご先祖様が夫婦位牌を作成している場合は、同じような形式で位牌を作成するようにしましょう。
夫婦位牌は個人で作る位牌よりも少し大きめのサイズとなります。また、さまざまな種類が販売されており、材質や装飾、サイズ、デザイン等によって値段相場が大きく変動します。一般的な夫婦位牌の作成費用は、2万円~5万円程度が相場です。ここでは、種類別の夫婦位牌の平均相場について詳しく解説します。
塗位牌は、合成漆と金粉等が施されいるため高級感が溢れます。合成漆の作業工程は簡略化されていることが多いですが、本漆の場合は塗りや研ぎ、磨きなどの工程に長い時間がかけられます。そのため、本漆の方が合成漆よりも料金が高くなります。会津塗などの高級塗り位牌の場合は、職人や塗師の丹精を込めた作業を行うため、1か月以上の期間を要する場合もあります。このような位牌を作成する場合は、10万円を超えてくるでしょう。平均的な費用相場は2万円~3万円程度です。
唐木位牌は塗位牌とは異なり、素材の木目の美しさを存分に活かすデザインとなっています。唐木位牌には、黒檀や紫檀等の木そのものの木目や色合いの美しい唐木と呼ばれる高級木材が使用されます。唐木位牌の場合は、木材の種類に加えて装飾等によって値段が変動します。木調の家具などとも相性が良く、塗位牌と比較をすると手入れも簡単なため、近頃は唐木位牌を選ぶ人も増えています。平均的な費用相場は2万円~5万円程度です。
モダン位牌は現代的なデザインが特徴的で、伝統に固執せず、固定観念に捉われない点から多種多様な物を選べるということで、人気を集めています。他の位牌と比較すると自由な発想で作られる位牌が多く存在します。たとえば、クリスタルで作成した位牌なども存在するのです。さまざまな素材や装飾を自由にできることから、故人の趣味や意向を反映しやすいという点で多くの人から注目を集めています。平均的な費用相場は3万円~5万円程度です。
位牌の材質や装飾、サイズ、デザイン等によって値段相場が大きく変動します。
夫婦位牌は、夫婦が仲睦まじく横に並んでいる印象を与える素敵な位牌となります。夫婦位牌には、さまざまな種類があるので想いを込めて選んでみましょう。ここでは、人気の夫婦位牌についてご紹介します。
再生を象徴する存在感がある鳳凰が描かれた位牌。金沢産の純金粉や純プラチナ粉を使用して、鳳凰の絵が施されています。仲睦まじい姿の鳳凰が夫婦位牌にピッタリのデザインです。 浄土の世界を表した世界遺産の平等院鳳凰堂。その天守にそびえる鳳凰像がイメージされています。大切な故人には、浄土の世界でも守られていて欲しいという気持ちを込めることができます。
上等猫丸型は、位牌の幅が広いので夫婦位牌におすすめのデザインです。上等猫丸型は江戸時代から続く形であるため、日本の伝統を重んじる方から人気を集めています。 会津位牌は、400年以上も前から位牌の歴史がある福島県会津で作成されています。会津職人の「物作りへのひたむきさ」「受け継がれてきた技術」が生み出される位牌は、日本国内でもトップクラスの品質を誇ります。
モダン位牌は、家具調モダン位牌とも呼ばれていて、現代的でスタイリッシュな形の位牌です。その中でも優得ローズのモダン位牌は、直線と曲線の美しさを融合させていて、故人の穏やかで優しい人柄を漂わせるシンプルな形の位牌です。ローズ色なので、家具調仏壇や現代仏壇に調和してご安置することができます。
さまざまなブランドから夫婦位牌が登場しています。想いを込めたい方はこだわってみましょう。
葬儀の知識やマナーなどのオリジナルコラムも配信しています。