厚生労働省が定める「墓地埋葬法」の法律では、散骨の時期に関する規定は定められていません。仏事を中心に考えると四十九日に散骨するのが妥当ですが、1周忌でも3周忌でも構わないのです。
故人の死は突然訪れるため、深い悲しみに暮れてしまって、気持ちの整理がつかない人もいます。このような場合は、悲しみの気持ちが落ち着いてから散骨しても大丈夫です。
散骨まで10年・20年・30年と長い年月がかかる人もいますが、散骨の時期はご遺族の好きなタイミングで行いましょう。また、近頃では故人様の誕生日や故人様との思い出の日に散骨する方も増えています。このように、依頼主の希望によって散骨の時期は自由に決めることができるため、じっくり検討してみましょう。
海洋散骨の時期に決まりはないため、気持ちの整理がついてから散骨を行い、最期のお別れをしましょう。
近頃は、散骨業者のトラブルが増えています。散骨無料と募集をかけておきながら、寄付などを強要する悪質業者や、格安散骨を歌い文句にして、手元供養品を高値で販売する悪質業者など。
小規模の会社なのに、生前予約を受け付けていて、そのまま現金を持ち逃げする悪質業者などが増えてきているのです。トラブルに巻き込まれないためには、優良な散骨業者を選ぶコツを押さえておきましょう。
散骨業者に依頼する場合は、身元がシッカリしている業者に依頼をしましょう。ホームページがキレイに作成されている場合でも、レンタルオフィスを借りて、実態を隠している悪質業者もいます。
また、会社概要に記載されている住所を検索したら廃墟の家が出てくるなど実話としてあります。このような経営をしている散骨業者は利用してはいけません。中には、生前に料金を支払って申し込んでいたにも関わらず、業者が無くなっている場合などもあります。
そのため、依頼前には、信頼できる散骨業者なのか経営情報を収集してください。確認方法として、Googleストリートビューで店舗を確認する方法があります。会社概要に記載されている住所をGoogle地図に入力すると近隣の様子を写真で確認できます。
散骨業者選びで大切なことは、信頼関係が結べる業者かどうかです。散骨業者は、特定の資格が必要ないため、誰でも簡単に「散骨業者」を名乗り営業できます。
故人との最後の別れの儀式である散骨は、心を込めて行って欲しいところですが、単なる金儲けで営業している業者も存在するのが実情です。
そのため、信頼できるかどうかを確認してください。不明なことは業者に質問してみましょう。信頼における業者であれば、分かりやすく丁寧に教えてくれるはずです。安心して散骨の依頼ができると感じた業者に依頼してください。
散骨業者から提示された見積書は、概算金額で判断せずに、本当に必要な費用が入っているかどうかを確認してください。
海洋散骨の場合、遺骨の粉骨費用や分骨の費用、業者が自宅に来るための交通費、花代、船チャーター料金、散骨儀式の費用、散骨証明書の発行費用、骨壺の処分費用などがかかります。内訳に上記の費用が記載されていれば安心できますが、記載されていない場合は実費になる恐れもあるので注意が必要です。
一見、見積費用が安く感じても、その見積書には必要最低限の費用しか入っていなくて、追加費用が請求されて予算を大幅に超えてしまうというケースも少なくありません。そのため、見積書の内訳は必ず確認してください。
散骨方法が合同葬か個別葬かも確認する必要があります。合同葬とは他の人と一緒に散骨する葬法であり、個別葬とは自分のためだけに散骨してもらう葬法です。安い料金の個別葬もありますが、料金が安くてお得だと感じて依頼をしたら合同葬だったというトラブルも相次いでいます。
合同葬か個別葬かは、業者から説明されないこともあるので、依頼前に必ず確認してください。
海洋散骨の場合は、天候次第では延期になる可能性もあります。そのため、雨天延期になった場合、料金や日程はどうなるかを確認してください。
悪質業者の中には「船のチャーター代は発生してしまうため、次回分のチャーター代を請求します」と二重請求するところもあります。このような被害に遭遇しないためにも、依頼前に必ず確認してください。
散骨業者を選ぶ場合は、焦らずに、ゆっくりと時間をかけて業者を選びましょう。最初の段階から、一社に絞り込むのではなく、複数社を比較検討してください。時間に追われて焦って判断してしまうと、トラブルに巻き込まれやすくなってしまいます。
また、複数業者を比較することは必須です。散骨業者はさまざまなため、同じ質問をしても全く異なることもあります。そのため、複数社を比較検討してください。
悪質業者は増えてきているため、信頼ができるかどうかは必ず確認するようにしましょう。
実際に散骨当日は、どのような流れになるのかを確認しておきましょう。
業者指定の場所へ集合します。集合場所で挨拶を終えた後、1日のスケジュールや航路の説明が行われます。依頼主も乗船する場合は、船が大きく揺れることもあるため、事前に酔い止めの薬を飲んでおくことをおすすめします。
当日のスケジュールの説明を終えたら出航します。代行の場合は、このときに業者に遺骨を手渡して、散骨をお願いします。自分の手で散骨する場合は、一緒に船に乗り散骨スポットまで出向きます。
散骨スポットに到着をしたら、散骨の開始です。
一般的な散骨方法の仕方で、低位置に袋を持ち、少しずつ海に遺骨を放っていきます。このとき、風上から行うようにしましょう。自分が立つ場所が風上で、海が風下になるような場所で散骨を行ってください。
遺骨を手に掴んで散骨する方法は、故人の方に対する愛情の強さを示すことができる方法です。終了したら、海水で手を洗いましょう。
風の強い日には、遺骨入りの袋をそのまま海に投げ込む方法がおすすめです。
季節の花等を喧嘩し、献酒、献水と続きます。
すべての工程が終われば、散骨スポットを離れて港へ戻ります。
海洋散骨をする前に、一連の流れについて覚えておきましょう。
故人との最後の別れである散骨の儀式では、喪服を着用するのではないかと思う方もいると思いますが、普段着が推奨されています。普段が推奨されている理由は、次のような理由が挙げられます。
海洋散骨を希望される方の多くが無宗教で、宗教のしがらみなどを希望しないため、喪服の着用はしません。現代的な供養方法である散骨を選ぶ場合は、自由な服装で参加するのが適切です。
海洋散骨は法律的には問題がない、現代的な供養方法です。しかし、社会的に見て多くの人の同意を得られているかと言われると微妙です。
また、海で釣りなどを楽しんでいる方からすると、海洋散骨を行う方に対して不快な気持ちを抱いてしまうでしょう。喪服を着用していると散骨が行われていることが一目瞭然で、漁業をしている人達に嫌な想いをさせてしまうため、喪服の着用はしません。
船は大きく揺れ動くこともあります。また、水しぶきを舞ったり、水で船上は滑りやすくなっています。このような船上のことを想定すると、服装は着慣れた普段着、靴はゴム底で滑りにくい靴が良いとされています。船に乗る機会は少ないと思うので、事前に下調べをして適切な服装で参加をするようにしましょう。
海洋散骨を行う場合は、喪服を着用せずに普段着で行います。これは、周囲の人に配慮したり、船上での事故防止のためです。
海洋散骨する場合には、どのような点に注意をすれば良いのかを押さえておきましょう。
ご遺骨を骨粉にしないまま、散骨する方法は法律違反に該当します。このような形式で散骨した場合は、刑罰の対象となるため注意が必要です。事前に一片が2mm以下のパウダー状にしましょう。
海洋散骨は法律上問題がないと説明をしましたが、どこの海にでも撒けるというものではありません。散骨ができる場所の条件として、陸から一定距離離れていること、漁業権範囲や養殖設備から一定距離離れていることなどが条件として挙げられます。
繰り返しになりますが、海洋散骨は法律上問題ありません。しかし、現代的な供養方法のため、まだまだ良く思わない方が多くいるのが実情です。漁師の方は、散骨が執り行われている姿を見ると良い気がしないでしょう。
公共の港や公共の浅橋では、一般の方とのトラブルになる可能性もあります。そのため、一般の方に対して海洋散骨を連想させないように配慮しなければいけません。
普段着で参加すること、遺骨や遺影にはカバーをかけること、処分品は必ず持ち帰るなどのマナーは守るように心がけましょう。
遺骨は自然に戻るものですが、自然に戻らない金属やビニール、プラスチックなどの物を一緒に海に撒かないようにしましょう。
また、献花や献酒も行いますが、適度な量を守ってください。大量の花を献花するのはマナー違反となるので注意をしましょう。海洋散骨では、海を汚さないように配慮しながら行うことが大切です。
海洋散骨をする場合は、海を汚さないようにします。自然環境や周囲の人に考慮して海洋散骨は行いましょう。
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