永代供養は、子孫代々にお墓の管理という負担をかけないとして、新たに認知され始めた供養の形です。
最初に永代供養料を支払ったあとは、寺院や霊園に遺骨の管理を任せてしまいます。
では永代供養を行った場合でも、法事を行うのでしょうか。
行うとしたら、その法事にはどのような意味があるのでしょうか。
永代供養と一般供養からおさらいしていきましょう。
この記事のポイント
永代供養とは最初に料金を支払えば、墓地の管理や供養は全て寺院や霊園が行ってくれるシステムです。
永遠に供養を行うのではなく、供養をお願いした霊園や寺院の運営が続く限り供養を行います。
一般的には一定の期間まで個別の供養を行い、その後は他の遺骨と共に合祀されて供養されます。
供養の期間で設定されているのは、年忌上げに当たる33回忌までとされているところが多いです。
基本的には永代供養であれば墓地の管理や供養は全て寺院や霊園が行ってくれます。
そのため、法事法要に関しては特に行わなくても問題はありません。
しかし、やはり余裕があるのであればしっかり法事は行うことがおすすめです。
なぜならば、ご遺族などで追善供養することで、故人がより極楽往生できるとされています。
また、生きている親族などが改めて集まる場としての意味もあります。
契約によって期間や行われる法要の種類も違いますが、一般的に行われる法要を説明します。
年忌法要は毎年行われるものではなく、亡くなられてから一年目を一回忌、3年目を3回忌と続きます。
基本的には33回忌が弔い上げとされていて、年忌法要は33回忌まで行う場合が多いです。
一定期間は個別で供養を行っていても、33回忌の節目で合祀に切り替える霊園や寺院が多いです。
そのため、いつまで年忌法要が行われるかについては契約書で確認しておかなければいけません。
亡くなられた年を節目として行う年忌法要に対して、亡くなられてからの日数で法要を行うのが忌日法要です。
省略されることも多いですが、中でも重要なのが、ら7日目の初七日法要と四十九日の法要です。
初七日法要は、葬儀の際に繰り上げ法要として行われるのが一般的になってきています。
そして、四十九日法要のタイミングで納骨するケースが多いので、忌日法要を行うことは少ないです。
初盆は、故人が亡くなられてから初めて迎えるお盆の法要です。
お盆前に亡くなられた時は、当年のお盆、お盆が過ぎて亡くなられた時は翌年のお盆が初盆です。
お盆の時期に行われますが、故人が霊として初めて家に帰って来るとされています。
そのため、通常のお盆とは違い、法要の一つと考えられています。
初盆の供養は契約に含まれていないところも多いので、その時は自分たちで法事を行います。
霊園や寺院に永代供養をお願いしていながらも、年忌などは個人で法要を行う方もいらっしゃます。
全ての法要をお任せするのではなく、個人で行うのは何故でしょうか?
永代供養を希望する理由として、お墓のや管理などで子孫の手を煩わさせたくないと言う方が多いです。
子孫に負担をかけず、自分が生きている間は自分たちの手で行いたいという考えの方も多いのです。
遺族が手を合わせて供養することで、故人の徳が積み上げられ、極楽浄土に行けると考えられています。
通夜や葬儀には参列していた親族も、なかなか会う機会がなく、疎遠になってしまうことが多いです。
そのため、年忌供養で親族が集まるのは、親族の繋がりを保つためにも大切な機会であると言えます。
預けている寺院で行われない供養を、遺族が個人で行う場合があります。
年忌などの供養については行うけれども、初盆は契約に含まれていないというところも多いです。
そのため、初盆は自分たちで行うと考えている方も多いようです。
永代供養を行っていても個人で法要を行うことができます。
一周忌や三回忌などの法事を行う日程を決めます。
直前に連絡するのではなく、ある程度余裕を持って日程を決める方がいいです。
そのため、法事を行う半年くらい前には、管理者に連絡を入れておくのがいいでしょう。
連絡する際には、契約書を確認しながら行います。
法事の日程が決定したら、早めに連絡をして、出席できるかどうかの確認をしておきます。
霊園で法事を行うのか、自宅で行うのかなど法事を行う場所を決定します。
霊園内で供養を行う場合、会食ができる場所が霊園内にあれば利用するのかどうかも決定しておきます。
先祖代々から菩提寺との付き合いがある方も少なくありません。
もしも菩提寺との付き合いがあるのなら、法事の際に墓前で読経をしてもらう時は、注意が必要です。
永代供養を行っている霊園は宗派を問わないところが多いです。
そのため、法事の際に菩提寺の僧侶に来てもらい墓前で読経してもらうことは問題がないと思います。
しかし逆に、菩提寺ではない寺院にお願いしている場合、問題がないかどうか確認をしておきましょう。
そうすることで事後に余計なトラブルが発生することを防ぐことができます。
永代供養と一般供養の違い
そもそも一般の供養とはどこが違うのでしょうか?
大きな違いは上記があげられます。
最初に永代供養料を支払い遺骨を寺院や霊園に預けます。
支払う料金には、遺骨の管理費や将来の供養の料金も含まれています。
そのため、最初に支払ったお金の後に、管理費などが発生することはありません。
個人でお墓を建てる場合は「永代使用料」を寺院や霊園に支払います。
永代供養料と永代使用料は似ていますが、内容は全くちがいます。
永代使用料は、お墓を建てる土地を使用する権利を得るために払うお金です。
永代供養と同様に寺院の運営が続く限りお墓の土地を使用する権利を買うことを意味します。
永代使用料を支払った後も管理費が発生します。
管理費は毎年霊園に支払うシステムが多いです。
そのため、管理費の支払いが途絶えた場合は墓は整理されて、無縁墓になってしまいます。
個人での供養の場合は、お墓の土地を購入した後に、墓石を購入して墓を建てます。
お墓を建てた後は、霊園の管理費用を毎年支払わなければなりません。
子孫がいなくてもお墓は継承できます。
血縁関係が存在しなくても、お墓は継承が可能ですし、継承によって相続税がかかることもありません。
しかし、管理費を支払えない状況になってしまったら、墓の永代使用権が取り消しになってしまいます。
子孫に負担をかけたくないと考える方が、お墓の継承権の必要がない永代供養を選択しています。
新しい霊園でお墓を建てる時など、宗派によっては制限があるところもあります。
しかし、永代供養を行っている寺院や霊園では基本的に宗派による制限や、宗教による制限がありません。
そのため、基本的には誰でも供養をお願いできます。
永代使用料を支払って墓の土地を購入しても、やはり一般供養でお金がかかるのが墓石の購入です。
永代使用料の相場が50~70万くらいとされています。
しかし、墓石を購入すると永代使用料に加えて100万円以上のお金が必要になります。
永代供養料の相場は30~100万円程度なので、一般の供養と比較すると費用は安くなります。
また、一般供養は毎年管理費が発生するので、将来的な管理費を考えるとさらに安くなっています。
永代供養の注意点
トラブルになりがちな点についても知っておく必要があります。
特に上記のような点には十分注意しましょう。
永代供養と言っても、供養の方法は様々です。
個別の墓での供養や納骨堂で遺骨を管理する方式、他の方の遺骨と一緒に納骨する合祀があります。
合祀の場合、後で遺骨を取り戻そうと思っても故人のものを取り出すことは基本的に不可能です。
合祀をお願いする場合は、十分理解しておく必要があります。
先祖代々の墓がある場合、わざわざ永代供養をする必要はないと考える人もいるでしょう。
また、合祀の場合は、シンボルとなる個人の固有の墓が無いことについても理解されない場合があります。
切り替えるためには、菩提寺で合祀してもらうか墓じまいして他の霊園に遺骨を移す方法があります。
今まで檀家となっていた菩提寺を離れることになるので、菩提寺から離檀料を請求されます。
檀家が減ることは菩提寺にとっても、大きな問題になります。
そのため、供養の方法を変更する時には、十分に相談を行うことが必要です。
この記事のまとめ
いかがでしたでしょうか。今回は永代供養の際に行われる法要についてのお話をしました。
故人の徳を高めるためや遺族のつながりのために法要を個人で行うこともあるようです。
お墓などの形にとらわれずとも、故人を思う気持ちは忘れないでいたいものですね。
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