大切に育てたペットを失うのは、飼い主にとって悲しいことです。そのため、飼い主の中には、ペットと一緒のお墓に入ることを希望する方もいます。ペットとお墓に入ることはできるのでしょうか?この記事では、ペットと一緒に入れるお墓についてわかりやすく解説します。
結論から説明すると、自分のお墓にペットの遺骨を入れることは、問題ありません。ペットの遺骨は、法的には「物扱い」です。そのため、副葬品として「遺品や写真を入れる」という行為と変わりません。ただし、これは法律上の話です。
仏教では、人間以外の動物は「畜生」と呼ばれ、下等な存在であると考えられています。現世で悪行をした人間は、この畜生に生まれ変わるとされているため、一緒のお墓に入れることを推奨されていません。
このような理由があるため、ペットと一緒に入れるお墓には、さまざまなメリット・デメリットがあります。いずれも、ペットと一緒に入れるお墓だからこその特徴です。きちんと把握して、自分がどうするべきかを決めましょう。
ペットと一緒にお墓に入れることのメリットは、以下の2つです。
①「死後も一緒に過ごせる」という安心感を得られる
自分のペットを、家族のように大切にしていた方も多いです。死後、大切な家族と一緒に過ごせるというのは、精神的な支えになります。
②お墓へのお参りが一箇所で済む
ペット用のお墓を別で建てると、人間用のお墓と合わせて2箇所になります。これでは、お参りの手間が増えます。しかし、お墓をひとつにまとめれば、お参りの手間がかかりません。
ペットと一緒にお墓に入れることのデメリットは、以下の2つです。
①先祖代々のお墓に入れない可能性がある
ペットの遺骨を、一緒のお墓に入れても良いかどうかは、墓地の管理者の判断に委ねられます。そのため、管理者に断られた場合は、別のお墓を探しましょう。
②家族や親戚から反対される可能性がある
世代によっては、人間とペットの遺骨を一緒のお墓に入れることに対し、抵抗感を覚える方もいます。そうした方が周囲にいる場合は、事前に話し合う必要があります。
ペットと一緒に入れる具体的なお墓の種類は、以下の4つです。
オーソドックスなタイプのお墓です。管理者の許可があれば、ペットと一緒のお墓に入れます。公営霊園や寺院墓地では、ペットの遺骨を受け入れているところは、多くありません。そのため、民営霊園を探してみることがオススメです。
「永代供養墓」とは、お墓の継承者がいなくても、寺院や霊園側で管理をしてくれるお墓のことをいいます。家族ではなく個人の持ち物であるため、管理者が許可をしていれば、ペットと一緒にお墓に入れます。
「樹木葬」とは、樹木を墓標代わりにして、その近くに埋葬してもらうお墓のことをいいます。樹木葬ができるのは、管理者が定めた敷地内に限られています。
永代供養墓と同じように、樹木葬も個人の持ち物です。そのため、周囲に反対する人物がいても、気にせずペットを一緒のお墓に入れることができます。
「納骨堂」とは、屋内の専用スペースで、骨壷を保管するお墓のことをいいます。「一般墓ではなく、納骨堂であれば保管できる」という寺院もあるので、確認してみましょう。
ペットと一緒のお墓に入ることに関して、法的な問題はありません。ただし、宗教観が原因で、断られる可能性はあります。死後も大切なペットと一緒に過ごしたい方は、そのような問題に気をつけながら、自分の希望に合ったお墓を探しましょう。
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