葬儀の席次は、故人と縁が深い人から順番に並ぶように決められています。神式の場合も基本的な席次の考え方は同じです。しかし、仏式とは少し異なる点もあります。この記事では神式の葬儀(葬場祭)の席次や式の流れについてわかりやすく解説しています。
葬場祭とは、神道で行われる葬儀形式のことです。仏教の葬儀ならば、自宅や寺、斎場などで行われます。神道では「死は穢れ」として忌み嫌われるので、神社で葬儀を行うことはなく、自宅か斎場が葬儀会場になることが多いです。
神道の葬儀は、2日に渡り行われるものです。1日目は通夜祭、これは、仏教で言う「通夜の儀式」、2日目が「葬場祭」、これらが告別式にあたります。通夜祭、葬場祭ともに、神職が壇上にあがり祝詞を奏上します。
葬場祭の席次は、故人と最も関係の深い人が前列に座ります。その後、関係の深さの順に列を埋めていきましょう。一番関係の深いのは喪主になるため、前列には喪主と遺族が座ります。
中央に、神職が入退場をするための通路を開けて、右と左に席を分けます。
祭壇に向かって、右側は、喪主や遺族、親族の席で、左側は友人や知人、世話役の席になります。仏教式と違うのは、左側の最前列に、雅楽を演奏するための楽員の席があるところです。右側の最前列には斎主と斎員の席があります。
葬儀祭は、以下ののような流れで行われます。
儀式の前に身を清めるため、葬儀場の入り口で、参列者は手を洗い、口を漱ぎます。
参列者が席についた後、中央の通路を通って神職が入場します。
斎主が大幣(おおぬさ)を使って、斎場・棺・参列者などを祓い清めます。参列者は起立して頭を深く下げます。
斎主がお神酒の入った水器の蓋をとり、神前にお供えをします。
斎主が祭詞を奏上します。祭詞の中には、故人の人柄や経歴、人となりなどが盛り込まれたものになります。
参列者が玉串を順番にお供えします。焼香と同じく、関係の深い、喪主→遺族→親族→知人の順になります。
献饌の儀でお供えした水器の蓋を閉じて、檀上から下げます。
神職が葬儀場から退場します。
葬儀場に届いた弔電を読み上げます。弔電の数が多い場合は、いくつか読み上げた後は、名前だけを読み上げます。
故人との最後の別れとなります。故人の周りに集まり、順番に棺に花を入れます。全員の花入れが終わり、故人とのお別れが済んだら、棺の蓋を閉じます。
出棺の前に喪主が挨拶を行います。
遺族と親族の手によって棺が持ち上げられ、霊柩車に運ばれたあと火葬場に向かいます。