家族構成の変化や故人の高齢化にともない、年々増加を見せている家族葬。葬儀を近親者のみで行うため、場合によっては葬儀に参列する人を選ばなければなりません。
家族葬に招待する人を選ぶときは、何を基準にしたらよいのでしょうか。また、招待しなかった人に対して失礼のないようにするには、何をすべきなのでしょうか。意外と知らない家族葬の参列者の範囲について解説していきます。
家族葬は、故人がお世話になった会社の人など、義理での参列をお断りします。そして、故人が生前に親しくしていた人のみで見送る葬儀です。
葬儀のスタイルはさまざまなものがありますが、近頃では、家族葬を選ぶ人が増えてきています。その理由は、参列者に余計な気遣いをしなくて済み、故人との別れの時間をゆっくり過ごすことができるからです。
家族葬は、家族だけで葬儀を執り行わなければいけないという意味ではありません。生前、故人と縁が深かった人を呼んで執り行われたりもします。
家族葬に誰を呼べばいいのかも気になると思いますが、実際に家族葬を行った方が、どれぐらいの人数を呼んで、執り行ったのか気になる人もいるでしょう。ここでは、家族葬の平均的な参列人数について解説します。
葬儀業界の大手「アーバンフューネス」の調査結果だと、家族葬の平均参列人数は10人~30人が最も多いようです。
調査結果を見ても分かるように、少人数で執り行われるスタイルが増えています。
その理由の一つとして挙げられるのは、故人の高齢化です。年齢を重ねるうちに、友人との関係が希薄になってしまったり、先立たれてしまったりすることが多く、そのため、葬儀の参列者は自然と親近者に限られてしまうという方が増えてきているのです。
また、参列者に余計な気を遣って欲しくないという故人の遺志も増えてきていて、家族葬を選ぶ人は増えてきています。
10人以下 | 25% |
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10人~20人 | 40% |
20人~30人 | 23% |
30人~40人 | 7% |
40人~50人 | 5% |
葬儀社が家族葬用の葬儀ホールを準備してくれますが、葬儀ホールに収容できる人数は最大50名から60名程度です。そのため、参列者数の上限は50名だと把握しておきましょう。
葬儀ホールの収容人数が気になる方は、事前に葬儀社に尋ねておきましょう。
収容人数を増やすために葬儀ホールを変更できますが、たくさんの参列者を収容できる大きな葬儀ホールを手配すると、葬儀費用は高くついてしまいます。家族葬の基本プランでは葬儀場の費用が賄え切れなくなってしまい、追加料金が発生してしまうでしょう。
最近では、小規模なお葬式を挙げられるプランが人気を集めていますが、そのようなプランで用意されている葬儀ホールの収容人数は約30名です。招待する方を決める前に、葬儀社が用意してくれている葬儀ホールの収容人数を確認しておきましょう。
家族のみで故人との最後の時間を過ごすイメージの強い家族葬ですが、故人と縁が深かった人たちで故人を見送るという意味があります。そのため、家族葬の参列者数が100名を超えても「家族葬」と呼ぶのです。
家族葬に参列する人数に決まりはないが、おおむね10人~30人が平均で、多くても50人程度。故人の高齢化により、参列者は自然と近親者に限定されることが多い。
参列者が多くなる場合は、事前にホールの収容人数を確認しておくべき。
家族葬に誰を招待するか悩んでしまう人は多いです。たとえば、
という悩みや疑問を感じる方は多くいます。しかし誰を呼ぶべきなのか、呼んでいけないのか、案内状を送付する範囲には決まりがないのが実情です。
とは言ったものの、曖昧に線引きをしてしまうと「どうして私は招待されなかったのだろう?」と周囲の人との人間関係にヒビが入ってしまうため気を付けなないのも事実。
トラブルを起こさないためにも、明確な基準で招待する人を線引きします。通常は「故人との関係性」「葬儀の規模」の2つの方法で招待する人を選択していきます。
家族葬の本来の目的は、故人との最後の時間をゆっくりと過ごすことです。そのため、故人との関係性によって招待する方を決める方もいます。
喪主の意見や故人の遺志を照らし合わせながら、招待する方を選びましょう。
生前、故人と親しくしてくれた方は呼びましょう。「故人が最期に会いたい人かどうか」を基準に判断します。
そのような方を集めて家族葬を執り行えば、故人も喜んでくれるでしょう。
深い関係が無い場合、招待された相手も「家族葬だけど参列していいのかな?」と悩んでしまうでしょう。そのため、故人との関わりが少なかった方を招待するのは控えましょう。
全く付き合いがなかった親族を、家族葬に呼ばなければいけないのかと悩む人はいますが、親族だからといって、必ず呼ばなくてはいけないという義務はありません。
親族だけの小さな葬儀をした場合は、呼ばれなかった相手でも「一般参列者を呼ばずに家族だけで行ったから、私も呼ばれなかったんだろう」と、呼ばれなかった事情に納得してもらいやすいです。
しかし、葬儀の規模を基準とする場合は、故人の遺志が反映されてないというデメリットもあるため、ジックリと検討しましょう。
この規模の葬儀の場合は、二等親以内の方を呼ぶのが一般的です。具体的には、故人の配偶者、子供、孫、兄弟姉妹までとなります。そのため、これぐらいの規模の葬儀を執り行う場合は、義両親を呼ぶ必要はありません。
家族葬は、故人との最後の時間をゆっくりと過ごすためのものです。そのため、親しい身内だけで執り行われるのです。
20人以上の規模で家族葬を執り行う場合は、故人の従妹、姪、甥、故人と生前親しくしていた友人も招待します。
親しい身内だけではなく、生前親しくしていた友人なども招待するため、これぐらいの規模の家族葬を執り行う場合は、義両親も呼びましょう。
家族葬に招待する人を決めるときには、「故人との関係性」と「葬儀の規模」の2つを基準にするのが良い。
前者の場合は故人と関りが深かった人を招待し、後者の場合は参列す人数の多寡によって二親等以内、近親者、親しい友人と招待する人が異なる。
家族葬に招待しない方に連絡しないと失礼に当たらないのか心配になる方もいると思います。家族葬をスムーズに執り行い、トラブルを避けるための対応方法は押さえておきましょう。
ここでは、招待しない方への連絡方法について解説します。
家族葬は、故人と最期の時間をゆっくり過ごす目的で執り行われるため、招待しないことは失礼には当たりません。
逆に、家族葬の招待状を受け取った場合「家族葬だから参列しない方がいい」と考えてしまったり「招待してもらえたから、参列した方がいい」と悩ませてしまったりしてしまうでしょう。家族葬の案内を受け取った方を悩ませないように、案内は招待客にのみ出すようにしましょう。
身近な親族(二等親から三親等までの血族)には、危篤になった時点で連絡するのが一般的です。故人の両親や子供、兄弟・姉妹には、たとえ疎遠になっていたとしても、必ず連絡しましょう。
家族葬に招待しなかった方に対しては、家族葬を終えた後に、葬儀後2週間以内を目安に死亡通知を出すのが一般的です。
死亡通知では、故人の思い出や臨終時の様子を簡単に紹介するなど、人間味が感じられるような文面にすると良いでしょう。
死亡通知を送付した後に、弔問を受けたりお悔やみ状を頂く機会があったりすると思いますが、そのような場合は早く礼状を出しましょう。
また、葬儀後に死亡通知を出した際は、香典は辞退がするのが一般的です。
もし、どうしても逝去したことを知らせたい場合は、家族葬の案内状で「故人の遺志により参列を辞退すること」を伝えておきましょう。
稀に、案内状で参列辞退を伝えたにも関わらず、葬儀の参列を希望して訪問してくる方もいます。その際は、故人に対する強い想いがある方のため、そのお気持ちをありがたく頂戴して、一緒に故人との別れを偲びましょう。
家族葬という性格ゆえ葬儀に招待しないことは失礼ではない。葬儀の案内は招待する人のみに出すことを前提に、招待しなかった方には葬儀後に連絡すること。
どうしても逝去したことを伝えたい場合は、死亡通知という形で知らせるのが良い。
家族葬は少人数の近親者で故人を偲ぶ葬儀形式です。そのために近親者ではない人に関しては招待しないこともありますし、場合によっては近親者でも招待しない決定をしなければならないことがあります。
ここで大事になるのが明確な基準をもって参列者の線引きをすること、そして招待する/しない場合の連絡をしっかりすることです。そうすることで、招待する人にもしない人にも礼を尽くすことができ、ストレスを最小限に抑えて葬儀を終えることができるでしょう。