創価学会は日蓮宗の流れを組む宗教なので、葬儀の流れも仏式に近いです。しかし、仏式では見られない独特の儀式があります。代表的なものは、参列者全員による題目三唱の大合唱です。この記事では、創価学会の友人葬の流れについて解説します。
創価学会は1930年に設立された宗教法人です。教義は日蓮宗を本仏と定めているので、葬儀の流れも仏式と同じところが多いです。しかし、一般的な仏式の葬儀とは異なる点もあります。
創価学会の葬儀は友人の代表者が導師をつとめ、遺族や知人、友人が集まり葬儀を行います。一般の仏式の葬儀のように、遺族が喪主になるのではないため、香典の習慣はありません。
友人の代表として導師になるのは、創価学会の冠婚葬祭部に所属している学会員になるので、友人葬の流れや儀式について熟知されている方になります。
導師を務める友人代表を中心に葬儀が行われるため、僧侶を呼ぶことはありません。亡くなられた方に戒名をつけるという習慣はなく、生前使用していた俗名のまま葬儀が進められます。
葬儀の際に位牌は用意されますが、位牌に記されるのは戒名ではなく俗名です。位牌は葬儀用なので、葬儀の終了後に廃棄しても構いません。
一般的な仏式の葬儀では、僧侶に対するお布施や戒名をつけてもらう費用などがかかります。しかし、友人葬ではお布施は必要ありません。
祭壇は仏式の白木の祭壇ではなく、しきみの祭壇を使用します。ただし、祭壇に関しては厳格な決まりがあるわけではないため、祭壇に生花を飾ることも多いです。
基本的に葬儀の流れ自体は、仏式と大きな違いはありませんが創価学会独自の儀式が組み込まれています。
1. 開式の辞(参列者の入場が終わったら司会進行役が開式の挨拶を行います)
2. 読経(友人代表が導師となり何妙法蓮華経の題目を唱えます)
3. 焼香(焼香する順番が決められており、導師→副導師→親族→参列者の順に焼香を行います)
4. 題目三唱(参列者全員で題目三唱を行います)
5. 弔電紹介(葬儀会場に届いた弔電を読み上げます)
6. 謝辞(喪主や遺族からの挨拶)
7. 題目三唱(参列者全員で題目三唱を唱えます)
8. 閉式の挨拶(司会から閉式の挨拶があります)
創価学会の信徒の方は、毎日勤行を行います。朝晩、本尊に向かって「何妙法蓮華経」の題目を唱えるのが勤行です。
「何妙法蓮華経」を2度唱えた後に、区切りを入れて最後にもう一度「何妙法蓮華経」の題目を唱えます。題目を3度唱えるので「題目三唱」と呼ばれています。参列者全員で「題目三唱」の大合唱を行うのは重要な友人葬の儀式の1つです。
創価学会の友人葬は仏式で行われますが、通常の葬儀とは流れが異なります。また、戒名を付けることもなく、僧侶の方にお布施を支払う必要もありません。
このような違いを把握しておかなければ恥をかく恐れもあります。そのため、創価学会の友人葬に関する理解を深めておきましょう。