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コロナ禍で神道の霊祭は行えている?葬儀式の本質は変わらず

コロナ禍で神道の霊祭は行えている?葬儀式の本質は変わらず

新型コロナウイルスは収束の様子を見せず、相変わらず制限を強いられる生活が続いています。「必要急」である葬儀も「一日葬」「家族葬」などさまざまに変化しました。神道の葬儀も影響を受けたのでしょうか。

家の守護神になるための神道の葬儀式

「死」とは、仏教においては三途の川を渡り、キリスト教では神のもとへ向かうとされています。神道では家の守護神になると考えられているので、儀式も「故人の霊が守護神になる」ためのものとなります。ゆえに、戒名がないのもひとつの特徴です。

神道だからといって、通夜と葬儀を神社で行うわけではありません。自宅か斎場で行います。また、僧侶ではなく神官が儀式を司ります。

ご遺体を清め北枕に寝かせ、準備をしたら通夜にあたる「通夜祭」、「遷霊祭」を行います。遷霊祭は移霊祭、御霊移しとも言われ故人の魂を肉体から「霊璽」(れいじ、仏教で言うところの位牌)に移す儀式。本来は通夜祭とは別々の儀式ですが、現在は通夜祭の一環として通して行われることが一般的です。

翌日に告別式。こちらも神官を呼び行います。僧侶の読経のごとく、祭詞を奏上するのがならわし。仏教における焼香はなく、玉串を捧げます。神道では香典の表書きを「玉串料」と書きますが、ここから来ています。

法事・法要にあたる「霊祭」「祈年祭」

四十九日に近いのが「五十日祭」、そして一周忌にあたる「祈年祭」が行われます。五十日祭までを忌引とし、この日に納骨を行う場合もあります。故人の死後100日間までに行われる儀式を「霊祭」と呼びます。

霊祭・祈年祭はコロナ禍で変化した?

葬儀の割合として、元々神道式は1割程度。ゆえに変化がわかりづらいとも言えますが、やはり最大の影響は密を避けるようになったことでしょう。広めの斎場を使うことになったり、神社から派遣される人の数を制限したりと、対策のもと葬儀式を行っています。出席者のみならず、神官もマスクや手袋を着用して儀式をおこなうなど、出席者の安全に重きを置いています。

新型コロナウイルスの影響で、神社の手水鉢が使用不可になったことは大きく報道されました。神道式では手水で手を清めますが、こちらも手水鉢同様に人と共用での使用は禁止となっているようです。

また、緊急事態宣言を受け、霊祭の儀式を中止・延期したご遺族もいます。お身内に高齢者が多い場合はリスクを避け、安全を最優先としたのでしょう。

コロナ禍では安全と「葬儀式の本質」がより重要に

神社庁による独自ガイドラインでは祭祀を 「祭典では、挨拶等の短縮等、祭りの本義を損はない範囲での工夫をする。」と定義しています。コロナ禍でたくさんの制限を受けながらも、感染リスクを考慮しながら、霊祭や祈年祭を行っている神道。大切なのは遺された人々の安全です。そして、故人への敬意があれば簡略化しても「本義を損なわない」ではないでしょうか。

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