日本では葬儀が終わった後、初七日法要や四十九日法要、神式では五十日祭が行われます。これらの追悼儀礼は、キリスト教でも見られる慣習です。
葬儀の後、どのくらいで開かれるものか?宗派によって、どのような違いがあるのか?について解説します。
どの宗教でも追悼儀礼を行う習慣はありますが、目的は宗教ごとに違いがあります。
仏教の法要や法事は、祖先や故人への追善供養になります。四十九日法要までの間は、故人が何度も裁きを受けて、天国に行けるか地獄行か決められる期間とされています。
遺族や親族が故人のことを偲び、供養することが追善供養となり、故人の生前の罪が軽くなるとされているのです。従って、四十九日までは、毎日仏壇の花を代えたり水を代えて供養します。
神道の追悼供養は忌明けとなる五十日祭です。死後五十日で守護神となった故人が、家に戻ってくるのを迎え入れる儀式。神道では死は穢れと考えられており、故人が守護神になることで、死の穢れが無くなり忌明けとなります。
キリスト教でも、葬儀後、追悼儀礼を行う習慣はあります。日本の仏教や神道のように、法要や法事ではありません。故人を偲びながらも、大切な人の死を受け入れるために行われます。
宗派によって、行われる日など違いがあります。
故人の命日から「3日」「7日」「30日目」に教会で追悼ミサが開かれます。聖書の朗読や献花、聖歌の合唱の後に、お茶会などが開かれて、亡くなった故人を思い出し偲びます。
亡くなってから1年目の命日には「死者記念ミサ」が開かれて、その後は10年、20年といった節目にミサが開かれるのが一般的です。11月2日が死者の日とされており、全国的に特別なミサが開かれます。
故人の命日から7日か10日後に、記念集会が開かれます。亡くなってから、1ヵ月後の命日は召天記念日と言われ、その日に召天記念式を行うことが多いです。
集会は自宅や教会で開催され、聖書の朗読や献花を行い神に祈りを捧げて、聖歌の合唱も行います。
召天記念式の後の、追悼儀礼については特に決まっていることはありませんが、1年後、5年後、10年後といった節目に親族や友人知人が集まって、故人を偲ぶために記念集会が開かれます。
プロテスタントでは、11月の第一日曜日が「聖徒の日」とされています。亡くなった信徒のために、祈りを捧げる日になっていますので、この日に合わせて集会を行うことが多いです。また、プロテスタントではイースター(復活祭)の日に墓参りをすることもあります。
キリスト教の追悼儀礼は、大切な故人との別れを受け入れるために行われるものです。生前の思い出を振り返り、感謝の気持ちをお伝えします。カトリックやプロテスタントによって、追悼儀礼の日は異なりますが、大切な故人様に祈りを捧げましょう。