葬儀を終えた後に、ご遺族は喪に服すのが日本の慣習です。この慣習は、仏式でも神式でも変わりません。喪に服す期間が終了して、忌明けの挨拶をする場合にはどうすれば良いのでしょうか?この記事では、神式の忌明けの挨拶のマナーについて分かりやすく解説します。
神式でも、家族が亡くなった場合には、喪に服します。喪に服す期間は「お祝いごとに出ない」「神社へ参拝はしない」など、他人との接触を避けることが慣習となっています。
開式の葬儀の場合は「死」は穢れたものと考えられているため、故人が守護神になるまでは、他人と接触して穢してはならないと考えられているのです。喪に服す期間を終えて、通常の生活に戻る日を忌明けといいます。
神式の忌明けは「五十日」です。故人の命日から五十日後に、五十日祭を行います。五十日祭と四十九日法要の日程は似通っていますが、法要の目的は全く異なるものです。
四十九日法要は、故人がこの世とあの世を彷徨って、四十九日目に最後の審判を終えます。故人様が極楽浄土に行けることをお祝いするために、四十九日法要を行います。
その一方で、五十日祭は、故人様が守護神となり、家に戻ってくるのも迎え入れるための法要です。五十日祭を終えたら、忌明けとなります。
五十日祭を無事に終えたら、忌明けの報告をするために書状を送ります。挨拶文の書き方にはマナーがあるので注意をしましょう。
会葬礼状などでは、葬儀が滞りなく終わるようにということで、句読点をつけないことがマナーとなっています。受け取る側の中には、句読点を使わないことがマナーと考えている人も多いので、忌明けの挨拶でも句読点を使用するのは控えましょう。
「度々」「再三」「かさねがさね」のような、繰り返し言葉は、忌明けの挨拶でも避けるのがマナーとなります。このような繰り返し言葉は、悪いことを連想させるものとして避けられています。
とくに、神道では「死」=「穢れ」と考えられているので、死を連想させる言葉や忌み言葉は使用を控えましょう。神式では「冥福」「供養」「往生」と言った言葉も忌み言葉とされているため注意してください。
どんなに親しい間柄であっても、忌明けの挨拶で送る文は敬語で書くのがマナーとなっています。普段使わない言葉を使うので、使い方を間違わないように気を付けましょう。
例えば、テレビや新聞でよく使われる「逝去」という言葉は、身内以外の人が亡くなったときの敬語になります。忌明けの挨拶で使う場合は「逝去」ではなく「死去」を使います。
香典返しは、忌明けの挨拶と一緒に送りましょう。香典で頂いた金額の1/2~1/3程度の金額の品物を選び、忌明けの挨拶文と一緒に送ります。