キリスト教では、仏式の告別式の代わりに赦祈式(しゃとうしき)が行われます。
日本の葬儀の9割は仏式で行われるため、赦祈式に呼ばれると不安に感じてしまう方が大半なのではないでしょうか?
しかし、どのような流れで行われるかを把握しておくことで、その不安は払拭できるはずです。この記事では、赦祈式の流れについて分かりやすく解説します。
赦祈式前に司祭が祈ります。キリスト教では「死=永遠の安息」という意味を持ちます。生前の罪を神に許してもらい、天国で安らかに眠るために儀式が行われるのです。そのため、祭司は、神の導きを得るために、赦祈式前にお祈りをするのです。
聖歌隊と一緒に棺とご遺族が入堂してきます。参列者は立ち上がって、一緒に聖歌を歌います。聖歌を歌ったことがない場合でも、歌詞カードが渡されるので、一緒に歌ってあげてください。
棺が祭壇に安置されて、装飾と撥水(清めること)をします。その後、司祭による開式挨拶が行われ、赦祈式が始まります。
司祭による追悼説教(ミサの祈り)があるため、一緒に唱和をしましょう。キリストへの感謝の気持ちを込めて、故人の安息を祈ります。
司祭の追悼説教は、カトリックで最も重要とされる儀式で、故人がカトリック信者の場合のみ行われるものです。神聖なる儀式を終えた後は、司祭は祭服を着替えに退場します。
着替えを終えた祭司が入堂してきます。全員で聖歌を歌った後に、香炉と聖水を持った使者と祭司が棺の前に立ち、聖水をかけて故人の罪を清めます。また、香炉を振りながら、棺の周囲を回り、故人の永遠の安息を祈ります。
司会者が弔辞・弔電披露をしていきます。故人の略歴紹介や人柄が述べられるため、参列者は追悼しながら耳を傾けましょう。また、赦祈式に参列できなかった方からの弔電も読み上げられます。その後に、ご遺族代表の挨拶があります。
ご遺族代表の挨拶を終えたら、オルガン演奏が始まります。司祭・ご遺族・参列者の順番に献花を捧げましょう。
献花は、ご遺族に一礼して花を受け取り、根本を祭壇に向けて献花台に上に起きましょう。その後に、手を合わせて黙祷します。全員が献花をしたら、聖歌を歌い閉式となります。
キリスト教には告別式が存在しません。キリスト教では、故人の永遠の安息を祈る儀式である赦祈式が行われます。日本の葬儀の9割が仏式の葬儀となっているため、赦祈式に参列する場合は、不安に感じるかもしれません。
しかし、赦祈式の一連の流れを把握しておけば、不安は払拭できるはずです。今回は、赦祈式の流れをご紹介しました。ぜひ、参列の予定がある方は、この記事を参考にしてみてください。