新型コロナウイルスの新規感染が収まらない中、葬儀にも、さまざまな変化が起きています。 以前は通夜を行い、翌日に告別式、納棺後に火葬場へ……という2日にわたって行う葬儀が主流でした。しかしコロナ禍での密集を避けるため、「自宅家族葬」を選ぶご遺族も増えています。
一言で言えば、自宅で行う「家族葬」です。お寺や公民館、葬儀場に比べれば広さがない場所での葬儀になりますから、必然的に遺族、故人と親しかった人のみが参列する「家族葬」の形を取ります。
遺族や参列者の家族に高齢者や病気の人がいる場合、今は斎場などに赴くことが普段よりも大変な状況です。感染対策をしていても、不安は尽きないもの。自宅家族葬はご遺族自身が不要な外出をせずに済みますし、参列者の制限も比較的容易なことから、コロナ禍で注目を浴びています。
また、斎場使用料がかからないため、比較的リーズナブルに葬儀を行うことができます。かつて日本にあった風習のように、自分たちで手配するというご家族も
時間を気にせずお別れができる点や、慣れ親しんだ自宅から、故人をお見送りすることができる点も魅力です。
自宅家族葬には、棺と祭壇の入る場所が必要になります。葬儀社によって基準はさまざまですが、原則6畳程度あれば良いようです。
十分な広さが確保できなくとも、自宅家族葬を行えるプランを提案している葬儀社もあるので、一度相談してみるのもおすすめです。
ご遺体はストレッチャーなどで運ばれますので、玄関や二階で行いたい場合は階段の幅・広さなどを事前確認しておくことが重要です。マンションなどの集合住宅では、エレベーターにで運べるかもポイントとなります。
自宅家族葬にはデメリットもあります。自宅で行うため、片づけや準備など、遺族が中心となって動くことが多くなります。精神的のみならず、肉体的な負担も通常よりやや重いと言えるでしょう。
また、人の出入りがどうしても増えますので、近隣住民へ配慮する必要があります。マンションやアパート、玄関が隣接している場合など、事前説明なしではトラブルのもとになるので注意が必要です。加えて、先程述べたように、自宅葬ゆえに必要な事前確認が多く、手間がかかることも確かです。
自宅家族葬だからといって親族側で全て準備・対応しなくてはならないというわけではありません。 「しきたりや作法、参列者にどう対応したら良いか分からない」 「設営や参列者対応など、斎場での葬儀よりも親族の負担が多くなるのではないか?」といった不安もあるかと思いますが、 熟練した専門スタッフが準備から葬儀当日までサポートするため、自宅家族葬は式場利用にかかる費用を抑えることができ、親族の負担も軽減できる葬儀様式となっております。
自宅家族葬にはデメリットもあります。しかし、コロナ禍を生きた故人が、落ち着く場所であったはずの自宅でゆっくりとお見送りする。これも、ひとつの葬儀の形ではないでしょうか。