一日葬

一日葬と家族葬の違いとは?

一日葬と家族葬の違い

葬儀関連のパンフレットやホームページを見ると、一般葬、家族葬、一日葬などさまざまな葬儀形式があり、「家族葬がよさそうだけれども、本当に自分たちに合った葬儀形式かわからない」「具体的に家族葬と一日葬で何が違うかわからない」と悩まれる方も多いと思います。

この記事では、「一日葬と家族葬の違い」について解説します。ぜひ、自分たちに合った葬儀形式を考える際の参考にしてください。

一日葬と家族葬の違い

一日葬とは

一日葬とは、通夜を行わず告別式のみを行う葬儀の形式です。時代の変化とともに、生まれた新しい形式と言えます。

通夜を行わないことを除いて、内容は一般的な葬儀とは変わりません。また先ほど紹介した家族葬は、小規模で行う形式を指すので2日かけて葬儀を行うのに対して、一日葬では葬儀を1日で行うことになります。

一日葬が浸透した理由は、

  • 参列者に高齢者が増え、2日間参列すると身体の負担が大きい
  • 共働き家庭が増え、日程の調整が難しい
  • 金銭的負担を減らしたい

などです。もともと通夜・告別式を行わず火葬のみを行う「直葬(ちょくそう)」の予定だった人が、「やはりしっかり葬儀を行いたい」という思いから一日葬を選ぶケースもあります。

一日葬は、「費用は抑えつつ、式はしっかりと行いたい」という人におすすめです。

一緒に読まれている記事

家族葬とは

家族葬とは、小規模で行う葬儀の形式のひとつです。

名前に「家族」という言葉が入っているため、「小規模で行う」「参列者が少ない」「盛大に行わない」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか? たしかに、遺族や親族のみで行う場合が多いため、会社の人なども参列する一般葬ほど盛大に行わないことが多いです。しかし、家族葬には明確な定義はありませんので、金額の明確な相場や参列者の線引きなどについても、具体的な決まりはないのです。

明確な定義がないと聞くと不安に感じるかもしれませんが、その分ご家庭に合わせた内容を決めやすくなっています。

そのため、現在執り行われる家族葬では、

  • 参列者は遺族のみで数名~親族や親しい知人を含めて多くて30人ほど
  • 金額は祭壇の種類やお料理の種類によって差異がある

ということが多いです。しっかりと通夜・告別式を2日間に渡って、落ち着いてゆっくりに葬儀を行いたいという人におすすめの形式なっています。

一緒に読まれている記事

一日葬と家族葬のメリット・デメリット

家族葬と一日葬それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

家族葬のメリット

家族葬を行うメリットは、以下の3つです。

  • 返礼品の準備などの負担が少ない
  • 少人数で落ち着いてお別れができる
  • 祭壇や斎場によっては費用負担を抑えられる

まず少人数で行うため、返礼品の準備や日程連絡などの負担が少ないことがメリットです。参列者が限られているため、やらなくてはいけない事前準備が少なくなります。

特に遺族のみで行う場合は、返礼品の準備などは必要ありません。

参列者の人数によって差はありますが、家族葬は少人数で行う分ゆっくりと落ち着いて故人とお別れすることができます。

一般葬のように参列者が多いと、挨拶などに追われて気をゆるめられる場面が少ないという場合も。その点家族葬の場合は、近しい人のみで行うので落ちついてお別れの時間を過ごしやすいです。

そして、一般葬より費用負担を抑えやすいことも家族葬のメリットです。家族葬では葬儀を小規模で行う分、

  • 斎場は大きい場所を借りなくていい
  • 用意する料理や返礼品が少ない

ということから全体の費用を抑えやすくなっています。

一緒に読まれている記事

家族葬のデメリット

では、逆にどのような家族葬のデメリットがあるかも見ていきましょう。

  • 葬儀後に弔問客が絶えなくなる場合もある
  • 親族から批判を受けるケースもある
  • 意外と費用負担が大きくなることも

家族葬は遺族のみ、親戚までしか呼ばないなど近しい人を中心に葬儀を行う分、葬儀後に弔問客が絶えなくて大変になってしまう可能性があります。

後日弔問の場合は、葬儀に参列してもらう場合と異なり、別々の日にお客様が来るので日々対応に追われることになるので負担が大きいため、故人に友人が多い、会社のつながりなどが広いという場合は、一般葬を行った方が後々の負担が減ることもあります。また、家族葬という形式に馴染みがない分、しっかり一般葬を行うべきと親族から反対されるケースもあります。

家族葬を行う場合は、故人の遺志であるなど「なぜ家族葬にするのか」しっかり理由を伝えて、納得してもらうようにすることが大切です。あとからトラブルにならないように気を付けてください。

基本的に家族葬は小規模で行うため、「香典」をもらう機会は多くありません。香典を頂かない分、意外と自分たちの費用負担が大きくなり、思ったよりも費用が高くなってしまうケースもあります。

このようなケースをさけるため、打ち合わせ時に香典を葬儀費用にあてようとは考えず、自分たちが支払える範囲でお見積りを出してもらうようにしましょう。

一緒に読まれている記事

一日葬のメリット

次に一日葬のメリットは、以下の通りです。

  • 葬儀が1日で終わるので心身の負担が少ない
  • 通夜を行わない分、費用負担が減る
  • スケジュール調整を行いやすい

一日葬では葬儀が1日で終わるので、心身の負担が少ないことがメリットです。通夜・告別式と2日間に渡って行うと、1日目は夜、2日目は午前中からと忙しいため、特にご高齢の方は身体への負担が大きい場合もあります。参列者への気配りなど、気を抜ける場面が少ないことが多いですが、1日で完結する一日葬なら精神的負担も減らすことが可能です。

一日葬では通夜を行わないため、

  • 通夜料理や返礼品の準備する量が減る
  • 参列者が少ない場合、大きな式場を借りなくていい

という理由から、費用負担を抑えることができます。

スケジュール面でも1日で済む分、仕事などが忙しい方も日程調整を行いやすいのもメリットです。遠方から参列してもらう親族がいる場合も、日帰りで済むこともあるので宿泊費を抑えられることもあります。

一緒に読まれている記事

一日葬のデメリット

次に一日葬のデメリットです。

  • 菩提寺によっては一日葬ができない場合もある
  • 親族から反対される場合もある
  • 都合が合わず参列できない人がいるかもしれない
  • お別れの時間が短くなる

まずお寺によっては「通夜・告別式それぞれをしっかり行うべき」という考えを持っている場合もあります。菩提寺がある場合は、一日葬を執り行ってもらえないケースもあると認識しておきましょう。一日葬を執り行いたいと思った時点で、菩提寺に確認することをおすすめします。

一緒に読まれている記事

同様に親族にも、「葬儀は2日間執り行うべき」という考えを持っている方がいるかもしれません。なぜ一日葬にするのかを伝え、納得してもらうことが後々のトラブル防止につながります。

また本来2日に渡って行う葬儀を1日に省略するため、参列できない親族や知人がでてくることが十分考えられます。その場合、家族葬と同じようにあとから弔問客が絶えなくなる可能性があります。

そして1番気をつけるべきことは「お別れの時間が短くなる」ということです。1日しか葬儀を行わない分、あっという間に時間が過ぎてしまいます。故人とのお別れは、一生に一度だけです。お別れの時間が通常より短い分、後悔が残らないかも考えたうえで、一日葬を執り行ってもらえればと思います。

葬儀形式の割合

ここまで家族葬と一日葬のメリット・デメリットや、違いなどを解説してきました。では実際にさまざまな形式の葬儀が、どれくらいの割合で執り行われているかをお伝えします。

家族葬と一日葬の割合

2017年に公正取引委員会が調査をした「葬儀の取引に関する実態調査報告書」を元に、家族葬と一日葬が執り行われる割合について解説してきます。実際に全国の葬儀社に葬儀の形式別に、年間の取扱件数を調査したところ下記のような結果が出ました。

平成29年公正取引委員会「葬儀の取引に関する実態調査報告書」
葬儀の形式 取扱件数(件) 割合
一般葬 268,473 63.0%
家族葬 120,96 28.4%
直葬 23,450 5.5%
一日葬 11,967 2.8%
社葬 1,150 0.3%
合計 426,009 100.0%

家族葬は全体の28.4% 一日葬は2.8%。1番多いのは63%の一般葬でした。世の中に浸透しつつある家族葬や一日葬ですが、まだ一般葬を選ぶ人が多い傾向にあります。

これは先ほどお伝えした通り、

  • 菩提寺や親族からの意見で一般葬にした
  • お別れの際に後悔しないように考慮した

などさまざまな理由が挙げられます。

今後予想される変化

先ほど実際に執り行われている葬儀形式の割合について紹介しました。では、今後はどうなっていくか?についても、お話させていただきます。

同調査にて、増加傾向にある葬儀の種類は、下記のような結果が出ています。

平成29年公正取引委員会「葬儀の取引に関する実態調査報告書」
葬儀の形式 回答数 割合
家族葬 524 52.2%
直葬 232 23.1%
一日葬 163 16.3%
一般葬 75 7.5%
社葬 9 0.9%
合計 1,003 100.0%

小規模で行う家族葬が回答の半数を占めていることから、圧倒的に件数が増えていることがわかりました。また直葬と一日葬も合わせると約40%になります。

この結果からわかるように今後は、

  • 小規模(遺族や親族、近しい知人のみ)
  • 儀式の簡略化

が進んでいくことが予測されますので、一日葬・家族葬のデメリットで「菩提寺・親族から反対される可能性がある」とお伝えしましたが、反対する人は減っていくかもしれません。

いずれにせよ葬儀の形式を選ぶ際は、

  • 何を大事にするのか?
  • 故人の意思
  • 自分たちが後悔しないご葬儀の形

を考えて、

一度しかない故人のお見送りをしっかり行うことが大切です。

関連する記事
Column

葬儀の知識

葬儀の知識やマナーなどのオリジナルコラムも配信しています。

PICK UP

カテゴリ

最新のコラム

Concierge

コンシェルジュの紹介

24時間365日対応。いざというタイミングだけではなく、将来の不安解消や、後々の相続のご相談も承ります。

コンシェルジュ室 室長 あおき

最近では一日葬や直葬など、「できるだけ簡素に見送りたい」というご要望を特に多くいただきます。
しかし、「予算を抑えたい」「故人の遺志だから」という理由だけで深く考えずに決めてしまうと、思わぬトラブルが発生し、後悔や心労の残るお別れになりかねません。

葬儀の規模や内容の決定にあたっては、
故人様の遺志のみならず、ご親族の意向や、故人様の交友関係、菩提寺とのお付き合いなど、
様々な観点からじっくりと検討する必要があります。

私共「葬儀コンシェル」は、頂いたご質問・ご要望に的確にお答えするのはもちろんのこと、
お客様を取り巻く様々な状況・ご要望を整理しながら、最適なお別れの形を提案させていただきます。

「頼んでやってよかった。あの人も喜んでいると思う。」
そう言っていただけるよう、私達は、お客様に寄り添いサポートいたします。