コロナ禍の葬儀では、やむを得ない事情で葬儀に参列できない方がいます。例えば、持病をお持ちでコロナ感染症が重症化する恐れがある方は、葬儀の参列を辞退すべきでしょう。このような場合は、生前にお世話になった感謝の気持ちと哀悼の意を示すためにお悔やみの言葉を送りましょう。この記事では、お悔やみの手紙の書き方について詳しく解説します。
コロナ禍で葬儀に行けない場合には、お悔やみの手紙を送ります。お悔やみの手紙とは、故人への弔意やご遺族への労わりを伝えるために手紙です。やむを得ない事情で、葬儀に参列できない場合にお詫びの気持を込めて送ります。
よく間違われやすいものに「弔電」がありますが、香典と一緒に送るのが「お悔やみの手紙」です。手紙の内容は、葬儀内で読まれるものではありません。
この度は、○○様の突然のご訃報に接し、お悔やみ申し上げます。本来ならすぐにでも駆けつけるところではございますが、昨今の状況を鑑み、葬儀への参列をご遠慮した次第です。
ご家族の皆様の悲しみはいかばかりかと心が痛みます。くれぐれもご自愛くださいませ。心ばかりですが、香典を同封いたしました。ご霊前にお供えいただければと存じます。
お悔やみの手紙は「主文」「末文」「後付け」の3つの構成でできています。
主文とは、手紙の本題を示します。故人様との突然のお別れの驚きとご遺族への慰めの言葉を書き、参列辞退へのお詫びを記載します。また、葬儀に参列ができないため、香典を郵送した旨を記載してください。
末文は手紙を締めくくるための文章です。お悔やみの手紙の場合は「御冥福をお祈りします。」で文章を完結させます。ご遺族の励ましの言葉を述べたくなるものですが、ご遺族の心の傷を深くしてしまう恐れがあるため、末文に励ましの言葉を記載してはいけません。
後付けには、文章に関係ない情報を記載します。お悔やみの言葉を記載した日付や差出人、宛名を記載します。
お悔やみの手紙を書く際には、以下の点に気をつけてください。
とくに生前に仲良くしていた方が、突然お亡くなりになると死因が気になるものです。しかし、手紙で死因を尋ねてはいけません。死因について尋ねると、ご遺族の方は思い出したくない出来事を振り返らなければいけません。お悔やみの手紙は、ご遺族を気遣うための手紙となります。そのため、死因を尋ねるのは控えましょう。
お悔やみの手紙を書く場合には、敬称の使い方に気をつけてください。喪主との関係性に合わせた敬称を使います。
故人との関係 | 敬称 |
父 | ご尊父様・お父上様・お父様 |
母 | ご母堂様・母上様・お母さま |
夫 | ご夫君様・ご主人様・旦那様 |
妻 | ご令室様・ご令閨様・奥方様・奥様 |
息子 | ご令息様・ご子息様 |
娘 | ご令嬢様・ご息女様 |
忌み言葉とは、弔事で縁起が悪いという理由により使用が禁止されている言葉です。別れや不幸を連想させる言葉は避けなければいけません。また、葬儀の場では、「再々」「度々」など繰り返しを意味する言葉も忌み言葉に該当します。
コロナ禍で葬儀に行けない方は、招待をしてくださった喪主、ご遺族の方にお詫びの気持ちを込めてお悔やみの手紙を送りましょう。一般的に手紙は香典と一緒に送るものです。手配をすれば、故人様への感謝の気持ちとご遺族へのお詫びの気持ちを示せます。そのため、葬儀に行けない場合は、お悔やみの手紙を書きましょう。