創価学会の葬儀は仏式の葬儀の1つとされていますが、一般の葬儀とは異なる点があります。この記事では創価学会の「友人葬」とはどのような葬儀なのかについて解説します。
創価学会は1937年(昭和5年)に創立された宗教団体です。日蓮正宗を本仏としており、朝晩の祈りで「南無妙法蓮華経」のお題目を唱える勤行はよく知られており、友人葬でも参列者のお題目三唱など特徴的な儀式が見られます。
成仏は故人の生前の信仰によって決まるものであり、亡くなってからの葬儀の儀式は故人の成仏には関係ないというのが創価学会の考え方です。
そのため、一般の仏式葬儀のように僧侶をよばず、友人代表が導師として葬儀を進行します。友人代表として導師を務める方は各地域の支部の儀典長です。
一般的な仏式葬儀と創価学会の友人葬の違いについて解説します。
前述したように、創価学会の友人葬では僧侶を呼ぶことはありません。一般的な仏式葬儀では僧侶の読経によって引導を渡しますが、友人葬では導師と参列者による「題目三唱」の大合唱が引導となります。
僧侶を呼ばないので、お布施や戒名料といった費用はかかりません。
葬儀に僧侶を呼ぶ習慣や、故人に戒名をつける習慣は江戸時代以降に普及したものであって、元来の釈迦の教えではないという考え方から、戒名をつけることはなく、位牌に記される名前も生前の俗名が使われます。
友人葬では、参列者が心をこめて故人の冥福を祈ることが最大の供養とされており、香典や供え物を持参する習慣はありません。
ただし、香典や供え物が禁止されているわけではありませんので、それぞれの遺族の考え方が尊重されます。
友人葬では、シキミという植物の枝と葉を飾った祭壇が使用されます。一般的にシキミ祭壇を使用することが多いですが、他の祭壇が禁止されているわけではありませんので、生花祭壇などを使用する友人葬もあります。
生花祭壇を使用する場合でも、本尊にはシキミの枝と葉を供えます。
一般の仏式葬儀が終わった後、葬儀に使用した白木の位牌は、漆塗りなどの位牌に魂を移されて仏壇に祀られます。創価学会では、霊魂は存在しないという考え方のため、位牌に魂が宿っていると考えられています。
創価学会の葬儀である友人葬に参列をする場合、一般的な葬儀マナーとは異なります。僧侶に渡す御布施も喪主やご遺族に渡す香典も必要ありません。これらを理解せずにいると、恥ずかしい思いをしてしまうことでしょう。そのため、理解を深めた上で友人葬に参列をしましょう。