告別式の閉式の挨拶を終えた後に、釘打ちの儀式が始まります。この儀式は、何のために行われるものでしょうか?実は、さまざまな目的があるため、覚えておきましょう。この記事では、棺の釘打ちについて分かりやすく解説します。
遺体を納めている容器(棺桶)の蓋が外れないように、金槌を使用して釘打ちをすることをいいます。告別式の閉式の挨拶を終えた後、火葬場に遺体を運ぶために、棺の釘打ちの儀式は行われます。
【棺の釘打ちの流れ】
・祭壇にある供花を摘んで、遺体の周りに別れ花を添える
・棺桶に蓋をする
・頭部の方から、喪主・ご遺族の順番で釘を打っていく(※トントンと2回軽く打ちます)
・葬儀会社が、棺桶の蓋が取れないように頑丈に釘打ちをする
なぜ、棺の釘打ちをするのでしょうか?ここでは、棺の釘打ちの目的について解説します。
仏教の教えでは「死=穢れ」とされています。死は恐怖の対象とされており、感染するものと信じられていました。そのため、棺の釘打ちをしていたのです。
また、死者は不衛生で、死者を通じて病気に感染しないように、棺に蓋をするようになりました。
現在では、丈夫な棺桶が販売されるようになりました。
しかし、昔は今ほど、棺桶は丈夫なものではありませんでした。昔の棺桶は、無垢の板材が使用されており、湿度の変化によって、反りが起きやすかったのです。そのため、蓋が取れやすくなっていました。
また、座棺(遺体を座らせるタイプ)も使用されることが多く、運ぶ際に揺れて蓋が取れることも多かったのです。このような問題を解決するために、棺の釘打ちがされていました。
配偶者や家族との別れは、とても悲しいもので、体調を崩してしまう人も少なくありません。棺の釘打ちの儀式は、告別式の最後、喪主による閉式の挨拶後に行われるもの。
祭壇の供花を摘み取り、御遺体の周りに別れ花として添えます。「本当にお世話になりました。」感謝の気持ちを込めて、別れ花を添えていくのです。その後に、棺へ釘打ちをします。このように、棺の釘打ちの儀式は、故人様への未練を断ち切るという目的も持っています。
棺の釘打ちには、腐敗した遺体から感染症を発生させないために、故人様に対する未練を断ち切るためになどの目的があります。これらの目的を把握しておくと、気持ちを込めて、釘を打つことができるでしょう。
故人様との別れは悲しいものですが、無事にあの世に逝けるように、願いを込めて釘を打ってあげましょう。