精進落としの場では、葬儀に参列した方へ、感謝の気持ちをこめて料理を振る舞います。その精進落としの前後で行う挨拶では、お礼の気持ちをはっきり伝えることが大切です。この記事では、精進落としの挨拶で気をつけるべきポイントや、実際に使える例文をご紹介します。
まずは、精進落としの挨拶に関して、注意するべきポイントをご説明します。挨拶時の注意点に気を配り、参列者の方を丁寧におもてなしできるようにしましょう。
精進落としの挨拶は、簡潔に済ませます。今回の葬儀を無事に終えた報告と、参列していただいたことへのお礼の気持ちを伝えましょう。開式の挨拶に関しては、喪主以外の方が行っても大丈夫です。その場合は、「自己紹介」「故人との関係性」を簡単に伝えましょう。
精進落としの場では、乾杯ではなく「献杯」を行います。乾杯とは異なり、大きな声を出したり拍手をしたりしません。献杯では、故人に敬意を表し、静かに杯を差し出します。献杯の音頭は、開式の挨拶をした方がそのまま行うことが多いですが、故人と関係性の深い別の方が行っても大丈夫です。
閉式の挨拶では、今回のお礼と感謝の気持ちを改めて伝えます。もし、今後の法要の日程が決まっていれば、この場で共有しておきましょう。閉式の挨拶に関しては喪主の方が行います。
ここからは、精進落としの挨拶の例文をご紹介します。まずは「開式の挨拶の例文」です。
『本日は誠にありがとうございました。皆様のお陰で、滞りなく葬儀を行うことができました。改めて心からお礼申し上げます。今後はどうか、これまで以上のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。誠にささやかではございますが、精進落としの料理を用意いたしました。どうぞごゆっくりお召し上がりください。本日はありがとうございました。』
『本日は、お世話をしていただいた皆様のお陰で葬儀を無事に終了することができました。これだけ多くの方が葬儀に駆けつけてくださり、母は幸せな人生だったと思います。改めてお礼を申し上げます。皆様お疲れのことと存じます。誠にささやかですが、お食事をご用意いたしました。どうぞごゆっくりとお召し上がりください。』
喪主以外の方が行う場合は、冒頭に以下の文を付け加えましょう。
『皆様、私は故人◎◎と〜〜〜という関係に当たります、■■と申します。本日は無事に故◎◎の葬儀を行うことができました。改めて、厚くお礼申し上げます。』
ここからは「閉式の挨拶の例文」をご紹介します。
『本日は皆様、最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。皆様からのお見送りをいただき、故人もきっと喜んでいます。今後も遺族へご厚情を賜りますよう、心からお願い申し上げます。どうぞ皆様お気をつけておかえりください。本日はありがとうございました。』
『本日はお疲れにもかかわらず、最後までお付き合いいただきありがとうございました。もっとゆっくり故人とのお話をお聞きしたいところではございますが、明日のご予定に差し障りがあっては申し訳ありませんので、このあたりで終了させていただければと存じます。今後の法要については後日改めてご案内させていただきます。本日は長い時間ありがとうございました。』
精進落としの挨拶というのは、参列者の方に感謝の気持ちを伝える場です。葬儀進行中は、何かと忙しいため、参列者の方に直接お礼ができないこともあります。そのような方は、なおさらこの挨拶の場を大切にすべきです。
参列者の方に失礼とならないよう、例文を参考にして丁寧に感謝の気持ちを伝えましょう。