故人様が火葬された後に、ご遺骨を骨壺に納める骨上げ(収骨)が行われます。ご遺族やご親族のみで行われる儀式ですが、どのような意味を持ったものなのでしょうか?意味を知り、基本の流れを知ることが大切です。この記事では、骨上げの流れについて分かりやすく解説します。
骨上げ(収骨)とは、ご遺族や近親者が、竹箸を使用して故人の遺骨を骨壺に収めていく行為を指します。2人1組になって竹箸で遺骨を掴む理由は「故人の魂が三途の川を無事に渡り、あの世へ行けますように」と橋渡しの願いが込められているからです。
骨上げ時には、長さが不揃いの竹箸が手渡されるため、疑問に感じるかもしれません。しかし、葬儀の場では長さや素材が異なるものを「逆さごと」といい、不幸が続かないようにという意味で使用されます。
骨上げ(収骨)の流れは、主に以下の通りです。人生の中で、骨上げに参加する機会は滅多にあるものではないため、心配になるかもしれません。しかし、火葬場のスタッフが、骨上げの方法を説明してくれるため、安心してください。
【骨上げの流れ】
1. ご遺体を火葬後に骨周りに集まる
2. 頭側に喪主が立ち、ご遺族、ご親族と順番に並ぶ
3. 2人1組で遺骨を拾い上げていく
4. 最初に歯を拾い上げて骨壺に納める
5. 足元から頭側に向けて遺骨を骨壺に納める
6. 喉仏(※1)を骨壺に納める
7. 全ての遺骨を拾い上げたら、埋葬許可証と綿を骨壺に納めてもらう
(※1)最後に、喉仏を骨壺に納める理由は、仏様が座禅する姿に似ているからと言われています。
骨上げは、何度も経験するものではないため、疑問や不安を感じるものです。実際に、どのような疑問を持たれているのかを確認しておきましょう。
骨上げは、地域によってルールが異なります。そのため、基本の流れとは異なる方法で行われる恐れがあります。例えば、東日本と西日本を比較しても、骨上げの方法は異なります。
東日本は「全部収骨」、西日本は「部分収骨」となっています。このような、地域によるルールがあるため気をつけてください。火葬スタッフに尋ねれば、地域のマナーを教えてもらえるため、分からないことは聞きましょう。
多くの方が、骨上げの経験は少なく不安に感じているものです。しかし、骨上げに関する流れやマナーは、火葬場のスタッフから丁寧に教えてもらえるので、何も心配する必要はありません。分からないことがあれば、火葬場のスタッフに聞きましょう。
故人様との別れは突然に訪れるもののため、事実を受け入れられない方も多いです。悲しみに暮れてしまい、骨上げに参加できないこともあるでしょう。このような場合は、無理に骨上げに参加する必要はありません。ご事情を説明して欠席をしましょう。
骨上げには、故人の魂をあの世へ渡すための橋渡しという意味があります。従って、骨上げの流れを理解しておき、骨上げに参加をし、大切な故人様の安らかな眠りを祈りましょう。