新型コロナウイルスの世界的な感染流行はいまだ収束する見込みもなく、感染リスクと戦う日々が続いています。故人とのお別れの場である葬儀は「必要急」ですが、自分が感染源になっていないか、不安はつきません。
小さい子どもがいる、都市部から長距離で移動しなければならない……葬儀の参列を自粛したいとき、どのように辞退すればよいのでしょうか。
コロナ禍の事情は誰もがわかっているもの。自分と相手の感染リスクを鑑みて辞退することは、思いやりある行動ともいえます。ただし、葬儀の準備中、喪主や遺族は忙しく、精神的にも体力的にも大変です。
出席人数は返礼品や会食の手配などに関わってくるので、とにかく早めに決断し、前日までに連絡することが大切になります。
本来なら対面で伝えるのが一番ですが、コロナ禍の今は電話が一番早く、安全に伝えられます。メールは、そのアドレスを確認をしていないということもあり得るので念の為避けましょう。例えば
「本来ならば参列し、お見送りしたいのですが、やむを得ない事情がございまして、欠席させていただきます」
「お伺いしたかったのですが、体調がすぐれず、大事を取って今回は欠席させてください」
「このご時世ですし、ご迷惑をお掛けしないよう、今回は欠席とさせていただきます。また少し落ち着いたら改めてお伺いさせてください」
など、本当は参列したい・すべきだとわかっていても、どうしても難しい旨を誠実に伝えるとスムーズです。
参列しない場合には、香典を控えることが通例ですが、コロナ禍の中では故人との関係によっては送ることも問題ないので検討してみてください。身近に参列者がいる場合は代理で託しても大丈夫です。香典袋には当人の名前を書き、代理を意味する「代」(配偶者の場合「内」)を左下に小さく書いておきます。
郵送の場合は香典袋に入れ、現金書留で送るのが一般的です。手紙を一枚添え、参列できない旨お詫びするとより丁寧です。香典袋には持参する際と同じく、名前と金額、住所を記しておきましょう。
現金書留は期日指定で送る、相手のサインが必要な郵便物です。先方の自宅に、葬儀後一週間前後を目安に送ると負担が少なく、弔意も伝わります。
コロナ禍では、オンラインでの葬儀参列もぐんと増えました。葬儀社がパソコンを使用し中継する本格的なものから、ご遺族・親戚がスマートフォンのビデオ通話機能を使用するものまでさまざまです。
例えば、妊娠しているから参列は自粛したけれども、祖母の葬儀に出たい……というときに、オンラインで参列したという方も。亡くなった方が身近なら、相談してみるのもひとつの方法です。
コロナ禍では、誰が感染源となるかわかりません。大事を取って自粛する、故人の最期のお別れの場だからと参列する、どちらも悪いわけではありません。
大切なのは、自分と相手を精一杯守ること。そのためには、丁寧で迅速な辞退も感染リスクを軽減する、ひとつの方法ではないでしょうか。