葬儀のマナー

葬儀での食事マナーと献杯の仕方

葬儀での食事マナーと献杯の仕方

突然、葬儀の案内が来て参列することになった場合、葬儀で守らなければならない食事のマナーしっかりと理解できていますか。食事のマナーが悪いと遺族とトラブルとなる可能性もあります。また、宗教ごとの違いなども食事の席で事前に把握しておく必要があります。

この記事では、そうならないためにも、食事マナーや献杯の注意点などについて解説していきます。

葬儀での食事とは

葬儀での食事は、下記の意味を持っています。

  • 来てくれた人へ感謝の気持ちを持ってもてなす
  • 故人を供養する

また、故人との最後の食事を行う意味合いもあるといえるでしょう。

葬儀における食事は3つのパターンが考えられます。

  • 通夜に来てくれた方に出す食事
  • 葬中の食事
  • 火葬をしてから収骨までの間もしくは初七日法要が終わったタイミングで出される食事

通夜

通夜後の食事は「通夜振る舞い」に該当します。参列者へお酒や食事を振る舞うのが故人への供養になり、参列者への感謝の気持ちが含まれています。

参列者として参加した際に、喪主より声をかけられたらお断りせずいただきましょう。一昔前は、出してはいけないとされている食材もあったものの、近年では故人の好みの食事などが出されます。これについては、宗教と地域性が強く出るため、葬儀のスタイルがなにであっても変わることはありません。

また、通夜へ参列する人の人数が把握できないため、オードブルやお弁当を用意することも多いといえます。食事の間は、故人を偲びながら過ごしましょう。

加えて、通夜後の食事は、参列者のケガレを落とす意味合いもあり、神道においては肉や魚が出ることもあります。仏教と流れとしては同様であるものの、食材として出していいものは大きく異なるといえるでしょう。

葬中

葬中の食事は、葬中に出される食事のなかでも豪華な内容となることが多いといえます。

仏教においては、初七日法要までは、肉や魚を絶つ慣習が未だにあるため、どのような食事の内容になるのかは、宗教と地域性によって異なるといえるでしょう。

初七日法要

初七日法要を終えた後には会食が用意され、精進落としと呼ばれます。

昔は、亡くなってから49日を過ぎるまでは、肉や魚を一切断ち、野菜メインの精進料理を食べる習慣がありました。この初七日では、精進料理から通常の食事に戻るための食事という意味を持っています。

精進落としは、以下の意味を持っています。

  • 僧侶などの労をねぎらう
  • 親戚に感謝の念を示す

本来、初七日法要は亡くなった日から7日後に行うのですが、また集まることが困難のため、火葬が終わったら葬儀場に戻りそのまま行うことが多くなりました。

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葬儀でのそれぞれの食事会にあったマナー

葬儀での食事会は、故人との最後の食事の場でもあります。また参列者への感謝の意を込めて遺族より用意されるものです。

例えば、代表的なマナーは以下のようなものがあります。

  • 代表的な通常の会食とは違い、大きな声で騒いだりしない。
  • 食事中の会話にも気をつける。故人と関係のない話や死に関わることは避ける

また、会話をしている場合でも、忌み言葉は気にする必要があります。

通夜での食事マナー

地域によって参加者の範囲は異なるものの、遺族より声をかけられたらできるだけ参加するようにしましょう。故人と食事をする最後の機会になります。

故人を供養する意味でも、参加したら一口でいいので必ず箸をつけましょう。食事の席ではお酒を用意されることが多いです。飲める方は飲んでも大丈夫であるものの、あくまでも故人を偲ぶ食事の場ですので節度を守りましょう。

また、通夜は神道でも儀式として行います。ルールは仏教の葬儀と大きく変化することはないものの、神酒のいただき方などは独特であるため注意が必要です。例えば、3回に分けて飲む、受け取る場合の盃は必ず地面から離すなどの決まりがあります。

葬中での食事マナー

祝い事に関する料理は口にしてはなりません。その他の魚や肉などは、風習によっては口にできないことがあるものの、現在ではそこまで厳しいルールはないといえます。

しかし、地域によっては、肉や魚は口にすること自体がNGとなっている場所もあるため、葬儀社などに確認をとりましょう。また、自宅で行われることが多いため、話す話題は故人に関するものだとしても、死因などはNGです。

初七日法要での食事マナー

葬儀の時間帯の都合上、初七日法要と葬儀は統合されることがあります。そのため、精進落としは火葬の前後や最中に振る舞われます。遺族から勧められる席に座りましょう。1人1膳の食事が用意されます。

のんびりとくつろいでも問題ありません。しかし、話題として、故人の死に直結するような話題は避けましょう。思い出話はいいですが、亡くなる直前の様子や亡くなった経緯を探ることもマナー違反となります。

葬儀での主催側・参列者側のマナー

年を重ねると葬儀へ参加することも少なくありません。参列者側になった時はもちろん、主催者側になることも、誰でもいずれは起こります。

どちらの立場でも守るべきマナーがあります。詳しく見ていきましょう。

主催側

喪主となった人は一番の責任者となります。進行などは葬儀社が代わってくれますが、喪主があいさつをする場面は何度か出てきます。その際に使ってはいけないのが重ね言葉と、死を連想させる言葉です。常々、度々、など重ねるということは物事が繰り返されるという意味を持ちます。また、故人の最後の様子などを話すのもNGとされますので注意してください。

遺族の代表として参列者へお礼に回ったり僧侶の対応をしていきます。すべての参列者のところへ回らなければいけないので、お一人お一人と積もる話もありますが、短めに回るようにしましょう。

参列者の席順や花の並ぶ順番など失礼のないように細心の注意を払いましょう。

参列者側

参列する際には喪服を着用しましょう。告別式や通夜式ではなく急に駆けつける場合は派手な服は避け、できるだけ地味な服装をしていきます。式の開始時間より遅れての参加はマナー違反です。必ず早めに着くようにしまよう。

遺族へのお悔やみの言葉は短く、なるべく低めの声で伝えます。通夜と告別式の最中は声をかけないようにしましょう。目が合っても礼をするに留まり、知人へのあいさつも黙礼程度に。

葬儀における献杯のマナー

葬儀や弔事の場で、会食が行われるタイミングでお酒を注いだ盃を捧げることを献杯といいます。言葉は似ているものの、乾杯とは大きく異なります。

注意点として、以下の点が挙げられます。

  • 盃を目線より高く挙げない
  • お祝いの場ではないので盃同士を触れさせる

乾杯と勘違いしやすいものの、そこが葬儀の場であることを忘れてはなりません。また、極力大きな声を出さないことも重要です。葬儀のルールとして華やかさや賑やかさはNGであることから、献杯の場でもそのルールは守らなければなりません。

誰がするのか

特に決まりはありません。故人の親戚または友人が行います。法事の食事は遺族・親戚が中心となって行われるため、必然的に親戚の方が行うことになります。

精進落としを始める前に、喪主があいさつをした後に献杯をという流れです。あいさつとしては非常にシンプルなもので構いません。

親戚の場合の例文

「本日はお忙しいところお集まり頂きまして誠にありがとうございました。火葬も終わり、葬儀も無事に進行してほっとしております。故人について語りながら、故人の魂の安寧を祈りたいと思います。では、献杯いたします。献杯」

献杯する時の注意点

お酒を飲むためのあいさつではなく、故人を偲ぶためのあいさつです。出来る限り手短に、控えめに落ち着いた声で行います。御座敷の会場では座ったままで大丈夫ですが、テーブル席ではご尊前に向かい起立して行います。

献杯のあいさつが終わるまでは食事には手をつけてはいけません。乾杯ではないので飲み終えた後に盛大な拍手もしてはいけません。あくまでも故人を供養するための献杯だということを忘れずに、気持ちを込めて行いましょう。

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最近では一日葬や直葬など、「できるだけ簡素に見送りたい」というご要望を特に多くいただきます。
しかし、「予算を抑えたい」「故人の遺志だから」という理由だけで深く考えずに決めてしまうと、思わぬトラブルが発生し、後悔や心労の残るお別れになりかねません。

葬儀の規模や内容の決定にあたっては、
故人様の遺志のみならず、ご親族の意向や、故人様の交友関係、菩提寺とのお付き合いなど、
様々な観点からじっくりと検討する必要があります。

私共「葬儀コンシェル」は、頂いたご質問・ご要望に的確にお答えするのはもちろんのこと、
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