葬儀の受付で芳名帳に氏名を書いて香典を渡すと、返礼品と会葬礼状が渡されます。この会葬礼状とは、どのような目的で渡すものなのでしょうか?
喪主は会葬礼状を用意する前に目的と作成方法について覚えておきましょう。この記事では、会葬礼状について分かりやすく解説します。
会葬礼状とは、葬儀に参列をしてくれた方へ感謝の気持ちを伝えるものです。
仕事を休んで葬儀に駆けつけてくれた方もいることでしょう。このような場合は、会社に忌引き休暇を申請する必要があります。会社側で葬儀が本当に行われたかを確認するため、参列者は会葬礼状の提出が求められます。忌引き休暇に使用されるため、1人1人に会葬礼状を渡しましょう。
また葬儀に不参列の場合であっても、香典や供物、供え花を頂いた場合にも会葬礼状を渡します。
〇〇院〇〇〇〇居士位(俗名 田中太郎 行年七十八歳)
葬儀の際にはご鄭重なるご弔辞並びに過分なるご香料ご供物を賜り且つご多忙中の処ご会葬戴き生前中のご厚情と共に深く感謝し今後とも変わりなきご交誼の程お願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
〇〇県〇〇〇市〇〇―〇〇―〇
喪主 田中恵
施主 田中次郎
外 親戚一同
会葬礼状を作成する場合は、下記の葬儀マナーがあるので気をつけてください。
会葬礼状の書き方として、以下のルールがあります。
・季語を使用しない
会葬礼状は、突然の訃報で葬儀に駆けつけてくれた方へ、お詫びと感謝をするための手紙。お詫びの手紙は本題から入るため、季語を使用しない。
※葬儀が行き届かなかったことや、直接ではなく書面で御礼を申し上げることに対するお詫び
・句読点を使用しない
葬儀が滞りなく行われるように願いを込めて会葬礼状を作成するため、句読点を使用しない。
・重ね言葉を使用しない
葬儀が繰り返し行われることを予期してしまう重ね言葉は使用しない。
・薄墨を使用して書く
急な訃報の知らせで墨が用意できなかった、涙で墨が薄くなったという意味を込める。
会葬礼状は葬儀の参列者に渡すだけではなく、香典や供物、供花を渡してくれた方にも渡すものです。そのため、多めの枚数を用意しておきましょう。
会社勤めをしている中、葬儀に参列して下さった方は忌引き休暇申請をしなければいけません。忌引き休暇申請に会葬礼状が使用されるため、渡しそびれがないようにしましょう。
家族葬でも会葬礼状を用意する必要があります。
しかし、家族葬で香典辞退、ご遺族のみで葬儀を行う場合は会葬礼状を用意する必要はありません。親族や友人を招く場合は、会葬礼状を用意しましょう。
会葬礼状は、葬儀に参列してくださった方や香典、供物・供花に対するお礼で渡すものです。突然の訃報にも関わらず、葬儀に駆けつけてくれた方に対しては感謝の気持ちを伝えたいものですね。そのため、会葬礼状の書き方のマナーについて覚えておきましょう。