日本は大半の方が仏教徒ですが、自宅に神棚を置いている方も多いです。神棚は、自宅に設置する神社の役割を担っています。神聖な場所のため、穢れを近づけてはいけません。
従って、家庭内で不幸があったときに「神棚封じ」を行うのです。突然の不幸が訪れた場合でも、慌てずに対処できるように、神棚封じの方法を覚えておきましょう。
死忌が神棚に及ばないように神棚封じを行います。
神道では「死=穢れ」と捉えられているため、穢れにより神様の力が失われてしまうのです。神棚は家の中に設けた小さな神社の役割を担うものです。そのため、神様の力が失われないように神棚封じをします。神棚封じは忌明け(仏教:満中陰法要 神道:50日祭)まで行います。
神棚封じは「いつ」「誰が」「どのように」行うものなのでしょうか?次に、神棚封じの方法について分かりやすく解説します。
ご家族や親族が亡くなるなど、身内に不幸が起きたら神棚封じを行います。忌明けまで神棚封じを行ってください。この期間中、神棚にお供え物をしたり、お祈りしたりしてはいけません。
神道の穢れは「死」を意味するだけではなく、大切な家族を失って遺族の生きる力が衰退している「気枯れ」という意味もあります。従って、ご遺族は神棚封じを行ってはいけません。
ご近所の方や葬儀社の方に不幸があったことを伝えて、神棚封じを依頼しましょう。
・神様に挨拶をして、誰が亡くなったかを伝える
・神様にお供えをしていた物を取り下げる
・半紙とセロテープを用意する
・神棚が隠れるように半紙を貼る
・忌明け(仏教:満中陰法要 神道:50日祭)に半紙を取り外す
(※半紙を取り外す際は、ご遺族がおこなって構いません)
次に、神棚封じでよくある質問をご紹介します。
神棚に付いている「しめ縄」は、神の領域と現世を分け隔てる「結界」の役割を持っています。神棚に不純なものが入るのを防ぐという役割を担います。このような役割を持つしめ縄が付いている場合は、しめ縄も隠れるように半紙を貼りましょう。
神様にお供え物をしなくては、罰が当たるのではないかと心配する人もいますが、忌中はお供え物をしないようにしましょう。
また、お祈りをするのも控えてください。気枯れをしているご遺族が神棚に近づかないことが一番大切です。穢(気枯れ)を神様に近づけてはいけないと覚えておきましょう。
半紙が剥がれてしまった場合は慌ててしまうかもしれませんが、再び、半紙を貼り直せば問題ありません。忌中は、ご遺族は気枯れをしているため、ご近所の方などに神棚封じを再度依頼してみてください。
家族との別れは突然訪れるもので、気持ちが動揺してしまうことも多いです。このような状況に立たされた場合でも、落ち着いて葬儀の準備ができるように基本マナーを覚えておきましょう。
神棚は自宅に設置する神社であり、神様が宿る場所です。神聖な場所のため、神棚封じの方法を覚えておきましょう。