亡くなられた翌年のお盆は、故人が魂になって初めて家に戻ってくる「初盆 」となります。通常のお盆とは違い、親族や知人が集まって法要を行うことが一般的です。初盆は、どのように過ごすものなのでしょうか?
この記事では、初盆に必要なものや流れと、お彼岸の流れについてわかりやすく解説しています。
時期は四十九日に当たる日がその年のお盆より前か後かで変わります。お盆よりも四十九日が前であった場合は、亡くなられた年が初盆になり、お盆後に四十九日を迎える場合は、翌年のお盆が初盆です。
首都圏は新盆になるので、7月13日~7月15日の期間となり、その他の地域は、旧盆の8月13日~15日がお盆の時期です。
故人の霊を迎えるために、お供えや飾りを準備します。地域によって用意するお供えの種類が異なる場合がありますので、一般的なお供えについて紹介します。
・提灯
故人の霊が迷わずに家に戻れるように、家の門前や精霊棚の近くに提灯を用意します。初盆のときは白色の「白提灯」を飾るのが一般的です。
・精霊棚
ご先祖様を迎える精霊棚を用意します。お盆の間は仏壇に供えものをするのではなく、精霊棚に、位牌や三具足お供えや飾り物を置きます。
・野菜や果物で作った乗り物ご先祖様が少しでも早く帰って来れるようにとの願いを込めて、夏野菜のきゅうりやなすびなどに脚をつけた乗り物を作り精霊棚に飾ります。ほおずきや小さな果物などに糸を通して、精霊棚に供える地方もあります。
・割り木(松)迎え火や送り火を焚くための割り木を供えます。門前で火を焚く時に、供えてある割り木を使います。
お盆の日は午前中に精霊棚と飾りを用意します。日中の間に墓掃除を済ませておき、夕方には、飾り棚に供えた割り木を玄関で燃やして、迎え火とします。迎え火を焚いた後に、提灯を灯してご先祖様の霊を迎えましょう。
初盆では、親族や故人と親交が深かった方が集まり法要を行うのが一般的です。自宅に僧侶を招き法要を行った後に、墓前で読経を行います。
墓前での法要が終わった後は、集まった親族で会食を行うケースが多いので、法要前には僧侶の手配と会食会場の手配を済ませておく必要があります。
13~15日の限られた期間で行われるものなので、日程が決まったら、早く菩提寺の僧侶に連絡をして法要の予約をしておきましょう。
お盆のお墓参りは、13日の日中に行うのが一般的です。夕方にはご先祖様の霊は家に戻って来ているので、まだ家に戻ってきていないときに、お墓参りをして墓掃除を行いましょう。
15日の夕方は、ご先祖様の霊が自宅からお墓に戻る時期なので、送り火を焚きます。迎え火と同様に門前で松の割り木を燃やします。送り火を焚く時に、飾りものや提灯を燃やすしきたりになっている地域もあるため、確認をしておきましょう。
お彼岸は春と秋の2回、お墓参りを行いご先祖様の霊を供養します。彼岸の中日にお墓参りに行く方が多いですが、お彼岸は中日を中心として合計7日間あります。その間にお墓参りを行えば問題ありません。ここでは、お彼岸の流れについて解説します
お盆の墓掃除と同様に、春と秋のお彼岸も墓参りにいったときに、お墓掃除を行います。最近は、霊園で墓掃除を行ってくれるところも増えてきましたが、水を含ませた布やスポンジで墓石を拭くなど、ご先祖様の霊に敬意を表すのがいいでしょう。
お盆の場合は、ご先祖様が家に戻る前の午前中にお墓参りに行くのが一般的ですが、お彼岸のお墓参りは特に時間は決められていません。お墓掃除も行うので、日中の日が高いうちに行くのがいいと思います。
故人が亡くなられてからはじめて迎えるお彼岸は「初彼岸」と呼ばれ、お彼岸法要を行うこともあります。初盆法要と同様に、僧侶を家に招き、自宅と墓前にて読経を行います。 初盆の法要よりも規模が小さく、身内のみで初彼岸法要を行うケースが多いです。
法要後、寺院や自宅で会食をする場合と、会食の席を設ける場合がありますので、どちらにしても早めに準備をしておく必要があります。