葬儀には、故人の冥福を祈るために多数の参列者が訪れます。喪主は訪れてくださった参列者に対して失礼とならないよう、身だしなみを整えることが大切です。
また、当日の持ち物も事前に確認しておき、スムーズに参列者をご案内できるようにしておきましょう。
まずは喪主の身だしなみについて確認していきます。
喪服には、格式が高い順に「正喪服・準喪服・略喪服」の3種類があり、喪主は最も格式が高い正喪服を着用することが一般的です。参列者は、喪主よりも格式が低い(あるいは同じ)喪服を着用します。
喪主が男性の場合、正喪服としては以下のどちらかが当てはまります。
【男性喪主にとっての正喪服】
・洋装(黒のモーニングコート)ただし、喪主は参列者への挨拶や葬儀社との打ち合わせなど、いろいろとやるべきことがあります。
そのため、現代では必ずしも正喪服を着用する必要はなく、動きやすい準喪服のブラックスーツでも問題ありません。
ちなみに、モーニングコートは昼の正装であるため、夕方以降に行う通夜ではブラックスーツを着用するのが基本です。
小物類は以下を身につけます。
【身につけるべき小物類】
・黒い無地の靴下喪主が女性の場合、正喪服としては以下のどちらかが当てはまります。
【女性喪主にとっての正喪服】
・洋装(黒いスーツorワンピースorアンサンブル)洋装を着用する場合、スカートの丈などは肌を露出しすぎない長さにしてください。派手な装飾があったり、体のラインが極端に出たりするものは避けます。
アクセサリー類は、派手なものを身につけず、一連の真珠のネックレスなど華美な印象を与えないものを選びましょう。指輪に関しては、結婚指輪のみ身につけてOKです。
その他、小物類は以下を身につけましょう。
【身につけるべき小物類】
・黒い無地のストッキング次に喪主の持ち物を確認していきます。以下を準備しておきましょう。
【喪主の持ち物】
・数珠数珠には、「本式数珠(珠が108個)」と「略式数珠(珠が27個)」の2種類があります。
本式数珠はそれぞれの宗派における正式な数珠ですが、基本的にはどの宗派でも使える略式数珠を当日の持ち物として準備すれば問題ありません。
葬儀の場で使うハンカチは、白か黒の無地が基本です。ただし、控えめなデザインであれば、刺繍や同じ色のレースが縁取られたハンカチでも問題ありません。
僧侶にお布施を渡す際には、袱紗で包んで取り出すのがマナーです。そのため、袱紗も忘れずに準備しておきます。袱紗の色は、紫・紺・黒・緑などがありますが、紫色の袱紗を使って包むのが無難です。
葬儀会社やご遺族とのやりとりをメモしておく際に役立ちます。スマートフォンもありますが、葬儀の場でスマートフォンを操作しているのはあまりよい印象を与えません。
とくに、ご年配の方がいるのであれば、メモやペンを当日の持ち物として準備しておきましょう。
大切な方が亡くなった直後は誰しも気持ちが動転してしまいます。しかし、そのような状況下でも、故人を見送るために葬儀はきちんと進行させなければなりません。
喪主の方は身だしなみを整え、必要な持ち物を忘れず準備しスムーズに葬儀を進行することで、参列者の方に感謝の気持ちを伝えられるようにしましょう。