火葬式

火葬式の流れ

火葬式の流れ

火葬式(直葬)は急激に増えつつある葬儀形態の一つで、お通夜や告別式の葬儀を省略して火葬のみを行う形態の葬儀です。シンプルな葬儀のため経済的な負担が少なく、葬儀に対する価値観も多様化してきたため、火葬式を選ぶ方が増えてきました。

それでは、実際に火葬式はどのような流れで行われていくのでしょうか?ここでは、火葬式の基本的な流れについて解説します。現在、火葬式を執り行おうか悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

火葬式の流れ

経済的な理由などから火葬式(直葬)を選ぶ人は増えてきていますが、火葬式はどのような手順で進められるのでしょうか?また、どれぐらいの時間を要するのでしょうか?ここでは、火葬式の流れについて分かりやすく解説します。

火葬式の手順

火葬式の手順の詳細については後述しますが、基本的な流れは下記の通りです。

  1. ご臨終
  2. 安置
  3. 葬儀社と打ち合わせ
  4. 納棺の儀
  5. 火葬
  6. 収骨
  7. 帰宅

火葬式の所要時間

日頃、仕事などで慌ただしくしているため、お通夜や告別式が省略できる火葬式を選ぶ人も少なからずいます。このような人は「火葬式を選べば短時間で火葬式を終えることができる」と思っている方もいますが、それは大きな間違いです。

ご臨終からお骨上げまでは、1日もしくは2日かかります。詳しくは後述しますが、法律によって逝去後24時間は火葬を行うことができないと定められているからです。

遺体は安置しなければいけない

遺骨の取り扱いについては「墓地埋葬法」に定められています。墓地埋葬法には、都道府県に許可された正式な墓地に遺骨を納めなければいけないなど、さまざまな法律が定められているのです。そのため、自宅の庭に遺骨を埋めたりした場合は法律違反となってしまうので注意しましょう。

この墓地埋葬法では、火葬に関する規定も定められており、逝去後24時間は火葬を行うことができないと定められています。なぜ、このような規定が定められているのかというと、従来は現代のように医療が発展していなかったため、死亡だと葬儀の準備を始めていたところ、稀に生き返ることがあったからです。医療が発達している現代では、生き返ることはないかもしれませんが、従来の慣習が引き継がれています。

火葬式の具体的な流れ

火葬式の流れについて簡単に説明しましたが、実際に火葬式を行う場合は、どのようなことを行うのか気になるものです。ここでは、火葬式の具体的な流れについて分かりやすく解説します。

ご臨終

ご臨終とは、死に臨むことを意味しており、人が亡くなる間際のことをいいます。ご臨終の連絡を受けた場合は、次のように対応します。

[病院で亡くなった場合]

病院や医師から危篤の連絡を受けた場合は、動揺してしまうものですが、落ち着いて主治医の指示に従って対応することが大切です。病院で亡くなられた場合、その病院で死亡診断書が発行されます。死亡診断書を受け取らなければ火葬することはできないため、必ず受け取ってください。

[自宅で亡くなった場合]

自宅で亡くなった場合は、警察により事件性がないかを確認する検視が行われることがあるため、ご遺体を無理に動かしてはいけません。そのままの状態にしましょう。なお、病院が提携している葬儀社を紹介してくれることがありますが、決めている葬儀社がある場合は、断ってしまっても構いません。

安置

息を引き取ってから納棺するまでの間、決めた場所(自宅・安置室)に遺体を安置しておかなければいけません。病院には霊安室がありますが、霊安室は遺体を安置しておくことはできないため、寝台車を利用して、指定場所に搬出しなければいけません。

火葬式を執り行う葬儀社のサービスに寝台車の料金が含まれているケースが多いですが、葬儀社を決めていない場合は、病院提携の葬儀社に搬送だけを依頼することも可能です。

葬儀社と打ち合わせ

葬儀社と火葬プランや日時について調整をします。下記は、葬儀社別の火葬式プランのサービス内容です。葬儀社ごとにサービス内容は違うため、プラン内容を確認して必要か不要かを良く考えるようにしましょう。葬儀のプランを決めたら、火葬場と日程を決めます。

プラン・サービス A社(約20万) B社(約10万) C社(9.8万)
お迎え 寝台車
ドライアイス × ×
ご安置料金 × ×
枕飾り一式 × ×
納棺 お棺
仏衣一式 × ×
お棺用布団 × ×
市役所手続き代行
火葬 寝台車 × ×
お別れ用花束 × ×
火葬料金 × ×
骨壺・骨箱
運営スタッフ
式後 自宅飾り一式

納棺の儀

納棺の儀とは、お棺に入れるという儀式です。身体をキレイに拭いてあげて仏衣を着させてあげることで、故人様が安らかに旅立てるようにします。

故人様の体に触れられる最後の機会となるため、親族のみで行いたいという人もいますが、お棺に納めるための手順があるため、納棺師のサポートを受けるのが一般的です。

ご依頼を清潔な状態で安置させることだけではなく、遺族の心のケアをするという目的でも行われます。故人が生前愛用しておいた物や、故人が身についていた物をお棺の中に一緒に入れたりもします。しかし、不燃物等を入れてはいけない物もあるため、担当者に必ず確認するようにしましょう。

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火葬

遺骨の火葬は火葬場で行われるため、火葬場に移動します。移動する際は、寝台車が先頭を走り、その後にご遺族が乗るマイクロバスや自家用車が続いて走ります。車に乗り込む順番は、故人との関係が深い順番となっているため注意しましょう。

火葬場に到着したら、葬儀担当者や僧侶の指示に従って、故人と最後のお別れをします。火葬には1時間~2時間程度かかるため、待合室で待機します。

骨上げ

骨上げとは、火葬後に遺骨を骨壺に納める儀式です。火葬が終わったら、遺族が集まり、箸を利用して骨を拾い骨壺の中に入れていきます。骨に拾い上げは、故人と縁の深い順番に行うのが一般的で、足の骨から上部の骨へ向かって拾い上げていきます。分骨する場合は、複数の骨壺を用意しておきましょう。

骨上げでは、2人1組になり長さの違う箸を利用して骨を拾いあげて骨壺に納めますが、なぜ、このような作法で行われるのかは分かっていません。

帰宅

骨上げの儀式を終えたら、葬儀担当者が骨壺の蓋を閉めて包んでくれるため、それを受けとります。また、火葬場から火葬執行済の印鑑が押された火葬許可証が渡されます。これは、お墓に遺骨を納める際に必要になるため、忘れずに受け取ってください。

骨上げの帰り道では、遺骨は喪主が持ち、他の遺族が位牌や遺影を抱えながら帰ります。

火葬式のその後の手順

火葬式は、葬儀を執り行えば終わりではありません。故人様が極楽浄土に無事に行けるように四十九日の法要を行ったり、近隣の方に訃報の知らせと生前お世話になった旨の挨拶を済ませなければいけません。ここでは、火葬式のその後の手順について簡単に解説します。

挨拶状を作成する

一般的に挨拶状は、四十九日の法要が終わった後に出すものですが、火葬式の場合はタイミングが違うので注意しましょう。火葬式を執り行う場合は、周囲の人に故人の死が伝わりにくく、周知しなければ不都合なことが出てくる可能性もあります。そのため、火葬式を選んだ場合は、故人の死後1週間前後で挨拶状を送るようにしましょう。

挨拶状を出す相手を決める上での指針は、故人が親しかった友人や仕事関係者が基準目安となります。挨拶状では、葬儀に招かずに火葬式を執り行ったことに対するお詫びの一文を入れるように心がけましょう。

[火葬式の挨拶状の例文]

父 〇〇〇〇儀 かねてより療養中でしたが
去る〇月〇日に逝去いたしました
葬儀は近親者にて滞りなく相済ませました
生前中は ひとかたならぬ ご厚誼を賜りましたことに感謝申し上げます
お知らせが遅くなりましたことを深くお詫び申し上げます

令和〇年〇月〇日
〇〇県〇〇市〇〇丁目〇〇―〇〇
〇〇〇〇(喪主名)

香典返しと礼状を送る

故人の訃報を聞いて香典を送ってくださった人に対しては、四十九日の法要後に香典返しを送ります。お返しの金額は地域の風習などによっても変動しますが、頂いた金額の3分の1程度お返しするのが一般的です。

香典返しは、四十九日の法要が滞りなく終えたことの報告も合わせて行います。

[香典返しに合わせて送る挨拶状の例文]

謹啓 皆様には益々ご清祥の事とお慶び申し上げます
先般 亡父〇〇〇〇永眠の際にはご厚志まで受け賜りまして誠に有難く厚くお礼申し上げます
お蔭をもちまして
〇〇〇〇〇〇
四十九日忌明の法要を相営みました
つきましては、御礼を申し上げるべきところ失礼ではございますが
書面を以って御礼かたがた御愛圧申し上げます
敬具

令和〇年〇月〇日
〇〇〇〇(喪主)

四十九日の法要を行う

故人様が亡くなった日から数えていき、49日を迎える日に四十九日の法要を行います。四十九日の法要の他に、開眼法要や納骨法要、お斎なども合わせて行います。

四十九日の法要

忌日法要(極楽浄土に行けるかどうかの判定)は、死後7日ごとに行われており、49日目に魂の行き先が決まると言われています。四十九日の法要は、故人様の来世が決まる重要な日のため、故人の成仏を願い四十九日の法要を営みます。開眼法要や納骨法要も同時に行うことが多いため、四十九日の法要までに位牌とお墓を用意しておきましょう。

開眼法要

故人が亡くなった場合に、新しいお墓や仏壇を購入する方もいるでしょう。このように新しく購入したお墓や仏壇には、仏様の魂が入っていません。そのため、仏様の魂を入れ込むためにも開眼法要を行います。

納骨法要

四十九日の法要を行うと、故人様の魂は極楽浄土に旅立ちますが、お墓には、肉体の魂が宿ると言われています。そのため、お墓で安心して安らかに眠ってもらえるように、ご遺族の方で集まって納骨法要を行うのです。お墓や仏壇の前で、読経・焼香、お供えをして供養をします。

お斎

お斎とは、四十九日の法要や法事が終わった後の食事の席のことをいいます。法要で僧侶の読経終了後に、参列をしてくれた人や僧侶に対して感謝の気持ちを込めて、食事を振る舞うのです。また、集まった人達で故人を偲ぶという場としても開かれます。

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最近では一日葬や直葬など、「できるだけ簡素に見送りたい」というご要望を特に多くいただきます。
しかし、「予算を抑えたい」「故人の遺志だから」という理由だけで深く考えずに決めてしまうと、思わぬトラブルが発生し、後悔や心労の残るお別れになりかねません。

葬儀の規模や内容の決定にあたっては、
故人様の遺志のみならず、ご親族の意向や、故人様の交友関係、菩提寺とのお付き合いなど、
様々な観点からじっくりと検討する必要があります。

私共「葬儀コンシェル」は、頂いたご質問・ご要望に的確にお答えするのはもちろんのこと、
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