日本では、空き家の問題が深刻化しています。2019年の4月26日に総務省が発表したデータによると、日本には846万戸もの空き家があり、住宅の総数のおよそ13.6%を占めているとされています。
空き家の問題は誰しも関係しうる問題です。もしご自身が空き家の所有者となってしまったらどうでしょうか。しかし空き家だって、やり方次第で活用することもできます。
この記事では、もし実家が空き家になってしまった場合の、対処法や整理にかかる費用について解説しています。
空家対策特別措置法によると、空き家とは1年間利用されていない状態の家を指します。今まで明確な法律はありませんでしたが、空き家対策特別措置法が施行されて、地方自治体には強い権限が与えられるようになったのです。
具体的には、特定空家等に対しては立ち入り調査から撤去までを行えます。強制撤去された場合に発生した解体費用は、所有者に請求されてしまうのです。強制解体で請求される金額は、100万円を超えることも少なくありません。そのため、撤去される前に、空き家になった実家をどのように活用するかを考えていきましょう。
法律では、1年間利用されていない状態の家が空き家と判定されます。しかし、これだけでは客観的に判断が下せません。そこで、国では以下の6つの判断基準が設けられています。
住宅の用途は、二次住宅用・賃貸用・売却用とされていれば大きな問題になりません。しかし、用途が設定されていない場合は、特定空家等と判断されます。
家の管理には通風や換気が大切です。そのような丁寧な管理が大切です。このような管理がされていない場合には、放棄されているとみなされて、特定空家等に該当します。
電気やガス・水道などのライフラインの使用状況については、住宅が利用されているかどうかの判断材料となります。使用されていなければ、特定空家等と判定されます。
不動産登記は、住宅や土地の所有権を管理するために必要不可欠なものです。住宅の所有者が変更されたり、所有者の住所を変更した場合にも登記記録を変更しなければいけません。もし、これらの情報に不備がある場合には、特定空家等と判定されやすくなります。
住宅や土地が安全面や衛生面上において問題ない水準であるかどうかは重要視されます。この項目は、特定空家等と判断される基準にも直結します。
地方自治体は、住宅の所有者から聞き取り調査を行います。そこで、住宅の利用状況を主張できます。しかし、立入調査も行われるため、虚偽の主張は避けるようにしましょう。管理がずさんな場合には特定空家等と判断されます。
実家が空き家になった場合、どうにかして活用できないかと活用方法を検討する方がいますが、活用方法としては、主に以下の3つの方法があります。それぞれの方法を確認していきましょう。
建物の築年数が比較的新しくて、ロケーションにも恵まれている場合は、賃貸物件として活用することによって、家賃収入が得られます。しかし、築年数がある程度経過して、老朽化しているような物件や現行の耐震基準にそぐわない建物の場合は、賃貸物件としての活用が難しくなるでしょう。 このような場合は、適切に修繕・リフォームをすることによって、家賃収入を得ることができます。
空き家をそのまま放置してしまうと、毎年、固定資産税を支払わなければいけません。固定資産税を支払っている家から収益を生み出すことができれば、税金の支払いで悩みもなくなるでしょう。
建物が老朽化している場合は、修繕・リフォームをしても新築同様の費用がかかるということも考えられます。このような場合は、建物を解体して、更地にして土地活用に使うのが妥当です。土地を活かす方法はさまざまですが、都市部なら新たにアパートを建築して、インカムゲインを得ることができるでしょう。
しかし、人口減少が顕著で、賃貸需要が望めない地方や郊外でのアパート経営・マンション経営・駐車場経営は現実的ではありません。このような場合は、太陽光発電施設や貸地としての活用がより実情にかなっているでしょう。ロードサイドなら、コンビニチェーンに土地を賃貸し、月々の賃料収入を狙うという手法もあります。
コスト | 回収期間 | 転用性 | リスク | 収益性 | 実現性 | |
---|---|---|---|---|---|---|
アパート経営 | × | 〇 | △ | △ | 〇 | △ |
マンション経営 | × | 〇 | △ | △ | ◎ | × |
戸建て賃貸経営 | △ | 〇 | △ | △ | △ | △ |
駐車場経営 | ◎ | △ | 〇 | ◎ | × | ◎ |
野立て太陽光 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | △ | ◎ |
コンビニ賃貸 | 〇 | 〇 | × | 〇 | ◎ | △ |
貸地 | ◎ | × | × | △ | △ | 〇 |
賃貸物件としての活用や土地活用と比較して費用がかからず、リスクの小さいのは、不動産に買取をしてもらう方法です。現在では、インターネットから申し込みをするだけで、何社もの不動産会社に見積もりが依頼できるような一括サイトも登場しています。 このような一括サイトを利用すれば、買取もスピーディーに進められるはずです。また、このようなサービスは24時間365日利用できるため、日々忙しく過ごしているビジネスパーソンにも最適のサービスです。空き家の売却を検討した際には、活用してみて下さい。
これまで、空き家の活用方法について解説してきました。活用する前には、家の中にある荷物を片付けなければいけません。
近頃は、空き家に特化した片付け業者も存在します。 古くなった壁や床の状態を把握して丁寧に作業してくれる業者、庭の物置や乗らなくなった車の処分までまとめて行ってくれる業者もいます。中には、不動産活用まで提案してくれる業者もあるため、トータルでサポートを受けることができて安心できるようになりました。そのため、業者に依頼するのも1つの方法です。
専門業者に片付けを依頼する場合の費用相場ですが、地域や家の広さ、荷物の量によって料金が大きく変動します。そのため、業者を選ぶ際は、最初から1社の業者に絞り込むのではなくて、複数社に見積もりを出して比較するようにしましょう。
間取り | 料金相場 |
---|---|
1R | 30,000円~80,000円 |
1DK | 50,000円~120,000円 |
1LDK | 70,000円~200,000円 |
2DK | 90,000円~250,000円 |
2LDK | 120,000円~300,000円 |
3DK | 150,000円~400,000円 |
3LDK | 170,000円~500,000円 |
4LDK以上 | 220,000円~600,000円 |
また、近頃は優良な業者に混ざって、悪徳業者も存在します。見積時と実際の金額が異なるケースや、正しく処理せずに不法投棄を行い、依頼者の気持ちを考えない業者も存在するため、価格面だけではなくて、評判なども確認しましょう。
業者に依頼する際に、費用を抑えるコツがあります。ここでは、業者に対する依頼費用を抑えるコツをご紹介します。具体的には以下の4つです。
業者の依頼費用の多くを占めているのは、ゴミの処分料金です。そのため、安く済ませたい場合は、依頼費用をカットしていきましょう。大きなゴミは粗大ゴミに出す。ゴミ捨て場まで、自分で運べるものは車などを利用して、自分で運んで処分してしまいましょう。
一気に整理をしようとすると労力がかかり大変ですが、少しずつ作業を進めていくと負荷を抑えられます。また、協力を仰げるようであれば、周囲の人の力を借りてみましょう。大勢で共同作業をすれば、大変な作業も難なくこなすことができるはずです。
荷物の量を減らすには、大型家電や家具に至るまでを欲しい人に譲ることです。これらの大型家具を遠方に送ると配送料金が高くなるため、なるべく近くに住んでいる人や現地まで取りに来てくれる希望者を探すと良いでしょう。配送料金を負担してくれる人であれば、遠方に不用品を送っても、問題ありません。また、買取業者やオークションサイトへの出品、地域掲示板サイトをあたり、不用品を売却する方法もあります。
本やCDなどを専門的に買取する出張買取業者もあります。車がある場合は近くのお店に持っていくことになりますが、車を所有していない場合は、自宅まで買取に来てもらえます。このような業者を利用すれば、不要な本やCDを無料または高額買取してもらえます。 ここで発生した料金を、業者に支払う分に割り当てることで費用を抑えられます。
近頃は、本やCDだけではなくて、家電などの買い取り業者も増えてきました。売れそうなものは、出張買取サービスに相談をしてみましょう。
「業者に依頼すると、費用が高くなる」というメージをお持ちの方もいるでしょう。業者に依頼することは、手間をお金で買うという認識を持っている人もいるはずです。業者の中には、買取サービスを強化している業者があります。
このような業者の中にも、不用品回収業者のように遺品をスムーズに処分することを得意とするところもあれば、不用品の買い取りを積極的に行ってくれる業者もあります。空き家の整理費用を抑えたいのであれば、買取強化型の業者に依頼するようにしましょう。 不用品の状態が良くて、大量に買取をしてもらえたり、不用品の中に市場価値の高いものが含まれていれば、その分の買い取り料金を空き家の費用に充てられます。
いかがでしたでしょうか。今回は実家が空き家となった場合の対処をお話をしました。
実家から離れて暮らしている場合、両親が亡くなると時価kをどうするかという問題が浮上します。いくら思い出の残る場所とはいえ、そのままにしておくわけにはいきません。対処をきちんとして活用するか、管理が難しければ売却するなどしましょう。