お墓には、カロートと呼ばれる構造があります。あまり聞きなれない言葉で、お墓を建てる場合に初めて聞くかもしれません。しかし、お墓で大切な構造となるため、カロートについて理解を深めておきましょう。この記事では、カロートについて分かりやすく解説します。
カロートは、お墓の納骨室のことをいいます。遺骨を守るだけではなく、墓石を支える役割を持つ、大切な場所です。
カロートは「唐櫃(からうと)」の言葉が転じたもので、棺という意味で用いられていました。別名では「石棺」「納骨棺」と呼ばれることもあります。
カロートには、さまざまな種類があります。それぞれ特徴が異なるため、覚えておきましょう。
カロートには、地上型と地下型があります。それぞれの特徴は下記の通りです。
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地上型 |
地下型 |
メリット |
納骨しやすい 風通しがよい 水はけがよい 結露しにくい |
伝統に沿った納骨方法 |
デメリット |
伝統に沿った納骨方法を希望する方は抵抗が生まれる |
結露対策が必要 納骨しにくい |
カロートの材札は、コンクリートやブロック、御影石があります。
・コンクリート
耐久性能を持ち、地震時の崩落の恐れの心配がありません。コンクリートは施行が用意で、希望する段差のカロートを造ってもらえます。
・ブロック
カロートを安価で作成したいという要望に応えられる材質が、コンクリートブロックで造る方法です。しかし、その他の材質と比較すると品質は悪くなります。
・御影石
審美性が秀でているのが、御影石です。見栄えが非常に良く、耐震性能も持ちます。しかし、火に弱いという性質を持っているため、線香を焚く際には注意しなければいけません。
カロートの中に段差があるものも存在します。段差によって、収容できる骨壺の数が変わります。
一段カロート |
4個分 |
二段カロート |
8個分 |
三段カロート |
24個分 |
カロートは段差によって、収容できる骨壺の数が異なります。収容スペースが足りなくなった場合は、どのように対処すればよいのかを把握しておきましょう。
年月が経過した遺骨の骨壺を1つにまとめることができます。仏式では、三十三回忌もしくは五十回忌を終えたら、個別に祀る必要はないとされています。従って、三十三回忌を迎えたご先祖様の遺骨は、骨壺に1つにまとめるのもよいでしょう。
カロートの下が土である場合、土の中に埋葬するという方法があります。三十三回忌を迎えたご先祖様の遺骨は、土に還されます。そのため、カロートスペースが足りなくなったら、古い遺骨を土の中に埋葬することを考えてみましょう。
骨壺にある遺骨を納骨袋に入れ替えて、カロートに保存する方法があります。納骨袋であれば、カロートスペースを開けられます。納骨袋は、骨壺に付属されていることが多いですが、市販品の購入も可能です。
新たにお墓を建てるのも選択肢の1つです。新しいお墓を建てる場合は、100万円~150万円程度かかるため費用がかかります。しかし、古い遺骨の骨壺を動かさずに済み、従来通りの供養ができます。
永代供養とは、寺院や霊園がご遺骨を管理・供養してくれる埋葬方法のことをいいます。永代供養を選択すれば、永代供養墓に入ることになるため、カロートスペースを要しません。
次に、カロートに関するよくある質問をご紹介します。
お墓を造るときは、骨壺が増えた場合の対処法を見据えておきましょう。例えば、遺骨を土に還す場合は、カロートの底面を土にしておいた方が良いです。そのため、お墓を建てる場合は、石材店の方にどうすればよいかを相談してみましょう。
はい。開けても大丈夫です。カロートの蓋は、大人1人の力で簡単に開けられます。しかし、死者が眠る神聖な場所であるため、通常のお墓参りと同じ所作をして、神聖な気持ちで開けましょう。
カロートには、雨水が侵入するため、結露しやすくなっています。結露が発生すると、遺骨にカビが生えてしまうので注意してください。カロート用の湿気用シートも販売されているため、これらを活用して結露防止をしておきましょう。