ご先祖様が眠るお墓を管理して、供養をしてくれている菩提寺は、仏事の相談もできる相談先の役割を担ってくれます。このような菩提寺とは良好な関係を維持して、長くお付き合いしたいものです。
しかし、さまざまな理由で菩提寺と喪主間でトラブルが発生してしまうこともあります。なぜ、トラブルに発展してしまうのでしょうか?この記事では、菩提寺と喪主間のトラブルについてわかりやすく解説します。
ここでは、喪主と菩提寺の間で発生しやすいトラブル事例をご紹介します。
菩提寺が遠方にある場合でも、別の寺院で戒名を付けて葬儀を済ませてはいけません。宗派や戒名の関係により、納骨だけを菩提寺に依頼できません。
戒名を付け直して、葬儀を再度行わなければいけなくなります。このようなトラブルを避けるために、故人様が亡くなったら菩提寺に相談をしましょう。
菩提寺が遠方にある場合でも駆けつけてくれたり、同じ宗派の寺院を紹介してもらえたりします。菩提寺と付き合いがあるか分からない方は親族に方に聞いてみてください。また、戒名から菩提寺を特定することも可能です。近所にある寺院に確認してもらいましょう。
大切な家族が亡くなった場合は、あの世で幸せに暮らしてもらいたいと思うものです。そのため、高い位の戒名を依頼したくなるものですが、菩提寺から断れる可能性もあります。
高い戒名を付けてもらえるのは、日頃から寺院に対して支援の功績がある方です。高額な御布施を支払えば、高い位の戒名を付けてもらえるわけではありません。
また、故人様に高い位の戒名を付けた場合は、配偶者や兄弟も同じ位の戒名を受けなくてはいけません。そのため、その都度、高額な御布施代を支払う必要があることを必ず覚えておきましょう。
故人様の供養のために読経をしてくれた僧侶には、感謝の気持ちとしてお布施を支払います。お布施には料金は定められておらず、いくら支払えばよいか悩むものです。そのため、葬儀前に菩提寺のお布施の平均相場について尋ねる方もいます。
しかし、その結果、高額な御布施の金額が請求されたというトラブルも発生しています。お布施は、寺院に感謝の気持ちで渡すものです。そのため、経済的に苦しい場合は、負担の少ない金額を支払えば問題ありません。
経済的事情に理解を示してもらえず、高額なお布施が請求された場合は、菩提寺との付き合いを見直した方がよいでしょう。
火葬式は通夜式や告別式の葬式を省略するため、戒名を付けてもらったり読経してもらったりする必要はありません。火葬式は20万円で行えるため、葬儀の費用負担を減らしたいという方からも人気です。
しかし、菩提寺に相談せずに火葬式を選ぶのは止めましょう。菩提寺の中には、葬式を省略する火葬式を良く思わないところもあります。その結果、納骨を拒否されてしまうトラブルも発生しています。
このようなトラブルを避けるためにも、火葬式を行いたい旨を菩提寺に相談しましょう。
さまざまな事情で墓じまいを検討する方が増えています。近頃は、祭祀を受け継ぐ人がいない家庭も増えています。そのため、自分達の世代で墓じまいをしようと決断する夫婦も珍しくケースではありません。
このような場合に菩提寺に相談することになりますが、100万円近くの高額な離檀料が請求されてしまうというトラブルも発生しているので気をつけてください。トラブルに発展してしまった場合は、国民生活センターへ相談しましょう。
菩提寺と喪主の間では、さまざまな理由によりトラブルが発生します。
これまでご先祖様が眠るお墓を大切に守ってくれて、供養をしてくれた菩提寺とは良好な関係を築いていきたいものです。そのためトラブルの原因を把握して、未然の防止対策に努めましょう。