TikTokを使ってる人なら、一度は見たことがある謎のダンス!黒人たちが桶を持って踊りまくってる動画が話題を集めています。アレはいったい何のダンスなのでしょうか?
動画を見ると、何かの儀式のようですよね。今回は、TikTokの動画の正体について解説していきます。
屈強な黒人たちが、重そうな桶を担ぎ踊りまくっている動画はお葬式の動画です。
撮影場所は、アフリカのガーナです。動画では、5~6人ほどの男性が桶を担いでダンスをしています。お葬式のため、担いでいる桶は棺桶ですね。
お葬式のスタイルは、国や宗教によって大きく変わってきます。
私達日本人が知らないだけで、ガーナという国では棺桶を担いでダンスをするのが伝統的な儀式なのかもしれません。
調べてみると、ガーナの約69%がキリスト教徒、16%がイスラム教徒で残りの15%が土着の宗教の教徒です。
キリスト教やイスラム教では、棺桶を担いでダンスをするという風習はありません。そのため、土着の宗教の伝統的な儀式なのかと思いましたが、実際は違うようです。
棺桶を担いでダンスをするスタイルは、ここ近年流行してきたものとなります。
棺桶を担いで踊りまくるスタイルは最近流行したものですが、そういったスタイルが流行するのはガーナの人々の死と生に対する考えが私達とは全く違うからです。
日本人の場合、葬式は「別れ」「あの世への旅立ち」といったイメージです。故人との最後の別れになるので、人々は悲しみ最後の別れを惜しみます。
ガーナの場合は、日本とは死生観が全く違います。
「死」とは新しい人生のスタートであり、お葬式は新たな人生を手に入れた故人に対しての祝福の儀式と考えられているのです。
そのため棺桶ダンスが流行する前でも、親族や遺族が音楽を大きな音で鳴り響かせてダンスパーティーのように一晩中踊るといった葬儀が普通に行われていました。
TikTokの動画に登場する棺桶も、他の国の棺桶とは全く違うと思いませんでしたか?
多くの国では棺桶はシンプルなもの、日本では白木の箱で飾りなどほとんどありませんし、キリスト教でも装飾があるとしたら十字架だけです。
ガーナの場合、故人の好きだったものをモチーフに棺桶を作成するので、ココナッツの形や魚、コカ・コーラやビールといったユニークな棺桶がオーダーメイドで作られています。
TikTokの動画を見て、あんなに明るくダンスしているのがお葬式の動画だと言われると違和感を感じるかもしれません。
しかし、死というものを前向きに捉えるガーナの方の死生観がわかると、素敵なお葬式の動画に見えてくるはずです。
ぜひ、動画を見てみてくださいね。