葬儀の場で渡される塩の意味をご存知ですか?正しい意味を理解しておくことで、喪主やご遺族の気持ちが分かるようになるでしょう。喪主やご遺族の気持ちを汲んで、お清めの塩を正しく使ってください。この記事では、お清めの塩の意味から使い方まで分かりやすく解説します。
お通夜や告別式で受け取る会葬礼状に「お清めの塩」が挟まっています。葬儀に参列した人は、死の穢れを受けるため、身を清める必要があるのです。従って、家の中に邪悪な気を持ち込まないように、敷居を跨ぐ前に塩で身を清めるのです。
お清めの塩は、どのように使用するものなのでしょうか?ここでは、お清めの使い方について解説します。
・玄関前で手を洗う
近頃は省略されることが増えましたが、最初に、手を洗うのが正しい手順です。家族に桶と柄杓を用意してもらって、玄関前で手をすすぎましょう。
・塩をかける
塩をひと摘みして、胸元・背中・足元の順番に振りかけます。洋服に塩が付いた場合は、軽く払いましょう。
・足元の塩を踏む
洋服に付いた塩を払ったら、足元に塩が落ちているはずです。足元に落ちた塩を踏みましょう。
葬儀でお清めの塩を使用する人は、参列者のみです。喪主やご遺族、ご親族の方は使用する必要はありません。ご遺族の場合は、故人様の死を穢れと捉えるのではなく、悲しみと捉えて偲ぶ方がよいからです。
最後に、実際によくある質問をご紹介します。
キリスト教では、死は生前の裁きを許してもらい、神に召されるものになれることを意味しています。永遠の命が始まる聖なる儀式のため、儀式や死を穢れと捉えることはありません。従って、塩を使用することはありません。
処分方法に悩んでしまうかもしれませんが、ゴミ箱に捨ててください。清めの塩は食塩ではありません。塩が固まらないように処理されていたり、香料が含まれていたりするため、口に含まないように気を付けましょう。
1人暮らしの場合は、清めの塩をかけにくいかもしれませんが、作法通りでなくても構いません。背中の方に手を回して、清めの塩をかけるだけで十分とされています。
葬儀など別れが続いて起こらぬようにという願いを込めて、喪主やご遺族の方が渡して下さっています。そのため、葬儀で渡されるお清めの塩は、正しく使用できるようになりましょう。