お仏壇に供える灯明や香花、線香には、それぞれ意味があることをご存知ですか?これらについて把握しておくことで、大切な故人様の手厚い供養ができます。そのため、供える意味を理解しておきましょう。
この記事では、お仏壇に供える灯明や香花、線香の意味について分かりやすく解説します。
灯明や香花を飾る三具足(さんぐそく)。三具足は、仏教で故人を供養するために必要な道具を意味し、花立・香炉・燭台がセットになっています。仏壇には、花立・香炉・燭台の順番に飾ります。
花立は、生花を供える際に使用する花瓶のことをいいます。仏具の花立は、手入れがしやすいように、変色しにくいアルミ製やステンレス製で作られているものが多いです。お仏壇の大きさに見合う花立を選びましょう。
香炉とは、お香を焚くために使用する器のことをいいます。お仏壇に祀る仏具の中で、最も重要なものと言われています。
香料を加熱して、香りを発散させるために使用する器のことで、昔は遺体の腐敗臭を消すために、香料が焚かれていました。現在でも、その時の慣習が受け継がれています。
燭台は、文字通りに蝋燭(ロウソク)を建てるための仏具です。暗い部屋に温かな光を灯す明かりは、仏教界では仏の智慧、慈悲の光と考えられてきました。宗派によって使用するものが異なる場合があります。
灯明(とうみょう)とは、神や仏に供える火のことをいいます。灯明は、供養の中でも大切なものと捉えられています。従来は、燭台に蝋燭を設置して火を灯していました。しかし、近年では、電気で火を灯せるようになっています。
蝋燭が火を灯す姿は、自身を燃やして周囲を照らす菩薩業に似ていると捉えられており、灯明は供養に欠かせないものとなっています。
線香は、仏様になった故人様と心を通い合わすという意味で焚かれます。線香の上品な香りを通じて、故人に話しかけることができると言われているのです。また、線香の良い香りは、その場の空間を清める効果を持ちます。
花立に飾られる樹木の樒(しきみ)は、仏事に供えられる植物です。樒の実には毒があり、土葬だった時代に動物が近寄って来て、墓が荒らされてしまわないように、樒が植えられていました。
樒は、毒を持っているだけではなく、強い香りもあります。そのため、樒を香花(こうげ)と呼ぶこともあります。昔からの慣習が、現在も受け継がれています。
仏教で故人を供養するために必要な道具の三具足。三具足を使用して、灯明や線香、香花を供えます。なぜ、これらを供えるかについて理解を深めておけば、大切な故人様に対して手厚い供養ができるはずです。ぜひ、意味を理解して、お仏壇に供えてあげましょう。