朝早くお墓参りに行く方は多いと思います。
実際、お墓参りに行くのは何時ころいくのがいいのでしょうか?
仕事の都合などで、お墓参りが夜になってもマナー違反ではないのでしょうか?
この記事では、お墓参りについて最適な時期や時間帯についてまとめています。
この記事のポイント
お墓参りに最適な時間帯
朝早いお墓参りがベストなのか?
お墓参りの最適な時間帯について解説します。
朝早くお墓参りに行く方が多い理由は、その日の予定で一番大事な予定だから、先にお墓に向かうというものです。
何か予定を終えてから、午後にお墓参りに行くのでは、お墓参りの優先順位が低くなってしまいます。
お墓参りに行くのは、故人を偲んだり、家族の近況報告を行うためです。
自分が生まれてきたことを感謝する気持ちを表すために、優先して午前中の早い時間に出かけるのがいいとされています。
また、お盆やお彼岸のお墓参りで墓掃除を行うときも、朝の早い時間に出かけた方が時間もたっぷり取ることができます。
そして、時間を使って丁寧に掃除を行うこともできます。
8月のお盆の時期は、35度を超える猛暑日になることも多いです。
お墓には、日差しを遮るものがほとんどなく、日中の暑い時間帯では熱中症などの可能性があります。
いかに感謝の気持ちがあっても、お墓参りに来ることで熱中症になってしまったら、元も子もありません。
お墓参りに行く予定の日が猛暑日になってしまった場合、まだ涼しいうちの早朝に墓参りに行けるなら大丈夫です。
しかし早朝は無理な場合は、夕方少し涼しくなってから出かけるのがいいと思います。
避けた方がいい時間
お墓参りをするのに適している時間帯として、朝と夕方を紹介しましたが、しない方がいい時間帯もあります。
夕方から夜にかけての墓参りはダメと言われることがよくあります。
ただし、別にマナー違反というわけではありません。
それでは何故、夜の墓参りがダメと言われるのかその理由を紹介致します。
墓参りのときに、お墓周りの掃除を行います
しかし、夕方から夜になると日が落ちてしまい、お墓の隅々まで目が届かなくなって綺麗にすることができません。
最近の霊園では、街灯が多く設置されていたり、歩道も舗装整備されているため夜でも、それほど危険ということはありません。
しかし、昔からの墓地や寺院の敷地には、足元を照らす照明も少なく、未舗装のところも多いです。
そのため、日が沈んでからの墓参りは、つまずいて転倒したりする恐れがあります。
不審者を防ぐため、閉園時間を設定して、夕方以降は中に入れないようになっている霊園もあります。
夜のお墓参りがよくないと言われているのは、墓参りに行く人のことを考えてのことだったのです。
仕事や用事があって、どうしても日中に墓参りに行けない場合は、夜に行っても全く問題はありません。
忙しい合間を縫ってわざわざ来てくれたことをご先祖様も喜んでくれるのではないでしょうか?
もう一つよくないとされているのがついで参りというものです。
ついで参りとは何かのついでにお墓参りにいくことです。
買い物のついでなど何かのついでに行くことは避けるようにしましょう。
あくまでお墓参りがメインになるようにお墓参りを最初にしてから他の用事に向かうようにしましょう。
時期別の最適な時間帯
春、秋のお彼岸や真夏のお盆、季節によってお墓参りをする最適な時間は変わります。
故人が亡くなられた日が祥月命日です。
祥月命日にお墓参りをする場合は、少しでも長く墓前で故人を偲ぶために、早めの時間帯に行くのがいいとされています。
祥月命日は、故人が亡くなられた月日なので年に一回ですが、月命日は故人が亡くなられ日になるので、毎月1回、年12回あります。
月命日に毎回お墓参りに行くことができるのは、家からお墓が近い人に限られてしまいます。
帰省などで地元に戻ってお墓参りに行くならば、何もない日よりも、月命日を選んで出かけた方がいいかもしれません。
春のお彼岸は、3月21日前後にお墓参りをします。
冬が過ぎて日が長くなってきている時期なので、特にお墓参りに行く時間帯は気にしなくていいと思います。
お墓の掃除をすることもあるので、午前中の早い時間に行く方が多いようです。
最近では、秋のお彼岸の頃でも猛暑になっていることがあります。
そのため、日が高いうちにお墓参りにいくことは避けて、早朝や夕方以降にお墓参りに行くのが安全です。
お盆の間、ご先祖様はお墓から自宅に帰ってきます。
そのため、お墓参りはお迎えと見送りの2回行われます。
お迎えは、早く家に帰ってきて欲しいという気持ちが伝わるように、早い時間にお墓参りをすることがいいとされています。
逆に見送りは、少しでも長く家にいて欲しいという気持ちを伝えるために、遅い時間にお墓参りに行くのがいいとされています。
帰省などで、二回のお墓参りに行けない場合は、都合のいい時間に行くことで問題はありません。
しかし、猛暑日などに当たってしまった場合は、日中の暑い時間を避けて早朝や夕方以降に行くのがいいでしょう。
お正月にお墓参りに行くのは縁起が悪いなどと言う人もいますが、そんなことはありません。
新しい年を迎えた喜びを先祖や故人とともにわかち合うのもいいのではないでしょうか?
正月の時期は日が短く、夕方以降はかなり暗くなってしまうので、なるべく早めにお墓参りに行くのをおすすめします。
但し、雪が積もる地域だと、あまり早い時期にお墓に行っても除雪がされていない場合があるので注意してください。
お墓参りの手順
一般的なお墓参りの手順を紹介します。
墓前に着いたら、まずは全員でお墓に向かって合掌します。
線香などのお供えは後になるので、ここでは、ご先祖様へお墓参りに来た挨拶をします。
挨拶が終わったらお墓の掃除に取り掛かります。
お墓の掃除の手順
お墓掃除が終わったら、打ち水でお墓を清めます。
霊園や寺院の水くみ場に柄杓と桶が用意されているので、そこに水を汲んで、お墓の上から全体に行き渡るように水をかけます。
石材によっては、お墓が痛むとのことから打ち水をしないこともあります。
持参したお供え物を墓前に供えます。
お花を入れる前に花立には綺麗な水を汲んでおきます。
また、お菓子などを供えるときは、半紙などを敷いてその上に置きます。
お供えをしたら、故人と縁の近い人から順番に線香に火を点けて合掌します。
仏教では、人間の口は不浄なものを飲み食いし、時として悪口を言うことから汚れのあるものとされています。
口から出す息も穢れたものとされています。
そのため、線香に火を点けた後は、息で火を吹き消すのではなく、手で仰いで火を消したり、線香を振って火を消します。
合掌は立ったまま行うのではなく、しゃがんで墓石より低い位置で行います。
先祖よりも高い位置で合掌するのはマナー違反とされています。
お供えしたお花はそのままでいいですが、お菓子や飲み物などは、合掌が終わったら、家に持ち帰ります。
よくある3つの質問
お墓参りの際によくある質問を紹介します。
お正月に家の玄関に松を飾る風習があります。
正月は神様を迎えるときになるので、神様が宿る木として、松や柏などの葉を飾っているのです。
お墓も、言わば故人やご先祖様の家です。
お正月に神様を迎えるために、松を飾ることについては何も問題がありません。
ただし、仏教の宗派によっては、お墓に飾ってはいけない花があるので注意してください。
また、松は縁起のいい木になるので、喪中は正月でも松を飾ってはいけません。
お墓に水をかけるのは墓石を清めるという意味があるのですが、水をかけるのを嫌がる方もいらっしゃいます。
水をかけない理由はどのようなことでしょうか?
気温が高い夏に冷たい水をかけることで、墓石が温度変化に耐えられずにひび割れを起こすことがあります。
また、冬は水が凍ってしまい膨張して墓石のひび割れの原因となることなどを心配する方もおられるようです。
ただの石に開眼供養を行うことで、お墓にはご先祖様や故人の魂が宿るものとされています。
亡くなられた方は、あの世で仏様の弟子になっています。
そのため、お墓に水をかけるのは、ご先祖様に対して失礼な行為だと考えている方もいらっしゃいます。
お墓は風雨に晒されているので、水をかけることで墓石が痛むことについては、それほど気にすることはないでしょう。
仏様に水をかける行為が無礼にあたるかどうか、考えて見て決めるのがいいのではないでしょうか。
月曜、火曜などの7曜とは別に、日本では昔から六曜が使われており、慶事や弔辞は六曜を参考にして日取りを決めていました。
特に、気に掛けることが多いのが「友引」と「仏滅」です。
友引は、陰陽道で「ある日ある方向に事を起こすと、友に災いが及ぶ」と言われていたのが由来です。
葬儀や友引は、友を道連れにしてしまうとされています。
そのため、現在でも友引に葬儀を行わない地域は多く、火葬場も休日としているところが多いです。
仏滅は仏が滅んでしまうと言われるほどの大凶日と言われています。
そのため、慶事はこの日に行うことを避けることが多いです。
六曜は、ただの慣習ですから、特に気にすることはありません。
また、何か新しいことを始めるときに縁起をかつぐために行われているものです。
したがってお墓参りに行く日が友引でも仏滅でも全く問題はありません。
お墓参りの際の服装は喪服である必要はありませんが、派手すぎる服装は避けるようにしましょう。
紺や黒、グレーといった暗めの色の服装を意識し、赤や黄色などの原色は避けた服装にします。
また、毛皮などの革製品は殺生を連想させてしまうため、避ける必要があります。
さらに霊園などは緑がある場所も多いため、肌の露出が多い服装も避けるようにしましょう。
お墓参りの際には線香をあげたり、軽く掃除をしたりします。
お墓参りの際の持ち物を表でご紹介しますので、忘れ物がないようにしましょう。
持ち物 | 備考 |
線香、ライター | 線香をあげるため |
お花 | お墓の花立にお供えするため |
お供え物 | 故人が好きだったものや果物など |
数珠 | 仏式の場合は手を合わせる際に必要 |
掃除道具 | 雑巾、ゴミ袋、ゴム手袋など |
この記事のまとめ
いかがでしたでしょうか。
お墓参りに行く時間帯としては朝に行くか、夕方に行くことが無難でしょう。
また、夜にお墓参りに行くことやついで参りを避けるようにしましょう。
最近ではこういったマナーについては緩くなっている傾向にはあります。
それでも、年配の方などはマナーを気にされる方もいらっしゃいますので、できるだけ知識として覚えておきましょう。