四十九日法要を終えて忌明けを迎えたら、故人が住んでいた部屋の遺品整理を始める方が増えてきます。部屋にある衣類や時計、装飾品を生前所縁のあった人に分けることを「形見分け」といいます。
形見分けを行うメリットは何なのでしょうか?形見分けをする際の注意点はないのでしょうか?
この記事では、会葬者へ形見分けする方法について分かりやすく解説します。
形見分けとは、故人が生前愛用していたものを所縁のあった方々に差し上げることをいいます。衣類や時計、装飾品、本、趣味などが対象品目です。
忌明けとなる四十九日法要(仏式)や五十日祭(神式)、ミサや記念会(キリスト教式)を行った後に形見分けをします。
忌明け後には、葬儀の会葬者に対して香典返しを渡しますが、その際に形見分けのお声がけをすることが多いです。
故人と生前に所縁のあった方々へ形見分けをする場合は、下記の点に注意をしましょう。
形見分けを行う場合は、相手に喜ばれる物を譲りましょう。傷みが激しい衣類や汚れが目立つ本を譲るのは失礼となります。故人が着用していた衣類を譲る場合は、クリーニングに出してお手入れをしておきましょう。
また、相手が欲しがっていない物は無理強いで譲ることはしてはいけません。相手が欲しがっている物を譲ってください。
貴金属などの価値が高い物は、遺産相続の対象になります。これらの価値が高い物を形見分けすることはできません。
遺産分割の対象となる品物をリスト化しておき、それ以外の品物(衣類、時計、装飾品、本、趣味用品)を形見分けすることになります。全ての品物を自由に形見分けできるわけではないことを覚えておきましょう。
時計や装飾品、趣味用品の中には価値が分からない物もあります。鑑定を依頼したら、想像以上に高値であったというケースも珍しくありません。
このような予想外の出来事で収益を得た場合は、相続税や贈与税の対象になることがあるので気をつけてください。
形見分けは、親から子、上司から部下など「目上から目下」に行われるものです。従って、故人より目上の方には形見分けをしません。
近頃は、このような風習は廃れてきていますが、気にする方がいます。そのため、目上の方に形見分けをしたい場合は「御無礼かと存じますが」とお声がけしましょう。
形見分けは遺産分割とは異なるものです。故人が生前に愛用していた衣類や時計、趣味用品を所縁のあった人々に譲ることをいいます。形見分けをすることで、故人との良い思い出が色褪せることなく、人々の心に残っていくことでしょう。
そのため、形見分けを希望している方がいたら、お裾分けをしてあげてください。