故人様やご先祖様の魂が宿っている仏壇やお墓を処分することに抵抗がある方もいるでしょう。しかし、お墓を引き継ぐ人がいなかったり、仏壇を置くスペースがなかったりして処分しなければいけない…。このような事情を抱えた場合は、御魂抜き(開眼法要)を行いましょう。
この記事では、御魂抜き(開眼法要)について分かりやすく解説します。
御魂抜き(閉眼法要)は、仏壇やお墓に宿るご先祖様の魂を抜くための儀式のことをいいます。
・お墓の跡継ぎがいない
・お墓の管理が大変なため手放したい
・マンション住まいで仏壇を置くスペースがない
上記に該当する場合は、ご本尊様に「今までありがとうございました」と感謝の気持ちを込めながら魂を抜いていきます。また、お墓の引越しをしたり、戒名の追加彫刻をしたりする場合にも御魂抜きをします。
御魂抜き(開眼法要)の対象物は、下記の通りです。
仏壇は、家具や家電のように気軽に動かせるものではありません。動かす場合は、魂を抜かなければいけません。また、仏壇の処分に拒否感を示す方も多いです。そのため、仏壇を処分する場合は、納得してもらってから処分するようにしましょう。
遺品整理で、ご先祖様の大量の遺影が出てくることもあります。このような遺影の処分に困る人は多いです。故人様やご先祖様の遺影を粗末に扱うことに抵抗がある人もいるでしょう。
このような理由で、遺影の御魂抜きをします。遺影をゴミとして処分することに抵抗がある人は、寺院に相談をしてお焚き上げをしてもらいましょう。
位牌は、故人様やご先祖様の魂が入っている大切なものです。そのため、一般ゴミとして処分してはいけません。位牌を継承する親族がいなくなったり、位牌が古くなったりした場合は、御魂抜きをして処分します。
また、仏教では、死後30年間修業した魂は霊界に行くと言われています。そのため、三十三回忌に位牌を処分するケースも多いです。
墓石には仏様となった故人様やご先祖様の魂が宿っています。しかし、お墓を守ってくれる人がいないという理由で、お墓を手放す方が増えています。お墓を処分する場合や、お墓を引越し場合は、御魂抜きをしてもらいましょう。
また、戒名を追加で彫刻してもらう場合にも御魂抜きをします。
仏像の元である仏とは、仏教の完全な悟りを開いた聖人のことをいいます。この聖人様を神格化・偶像化したものが仏像。仏像は崇拝の対象とされており、仏教が広まった要因の1つと言われており、処分する場合は御魂抜きをします。
また、聖人様が描かれている掛け軸も同様の方法で処分します。
故人様が大切に扱っていた人形には、思いが籠もると言われています。そのため、人形は粗末に扱ってはいけません。人形に宿る魂も抜いて、お焚き上げをして天に還しましょう。
実際に、御魂抜き(閉眼法要)はどのような手順で行うのでしょうか?この記事では、御魂抜きの手順について解説します。
御魂抜きを行う際、家族間でのトラブルが起こりやすくなります。故人様やご先祖様の魂が宿るものを捨てることに拒否感を抱く人もいるかもしれません。このような方の同意を得ないまま、処分してしまうとトラブルに発展します。
御魂抜きをして処分する場合は、家族や親族が納得するまで話し合うようにしましょう。
御魂抜きの相談ができる場所は、下記の通りです。
【相談先】
・寺院
・葬儀会社
・仏具店
・遺品整理業者
僧侶の方に読経していただき、魂を抜いて単なる物に戻します。遺影や位牌、人形などを処分する場合は、お焚き上げをしてもらいましょう。
葬儀とは異なり、御魂抜きの儀式では平服で構いません。また、御魂抜きのために読経してくれたお坊さんにお布施を渡します。お布施の平均相場は約1万円です。
暮らしのスタイルや価値観は多様化してきており「お墓や仏壇を引き継ぎ人がいない…」「仏壇を置くスペースがない…」「手元供養に移したい…」などの理由で、仏壇やお墓を処分する場合は、御魂抜きを忘れずにしましょう。寺院や葬儀会社で依頼できるため、ぜひ、ご相談をしてみてください。